経営・管理ビザとは?申請要件を解説
更新日:2024年12月19日
経営管理ビザとは?
経営管理ビザとは、外国人が日本で事業を新たに設立して運営する場合や、既存の事業を管理する場合、あるいはその事業に資金を投資して運営を行う場合に取得する在留資格です。
平成26年の法改正により、それまでの「投資・経営」資格が「経営・管理」に改められました。従来は日本への投資が条件でしたが、新たな資格では外国人が外資系企業の経営や管理業務にも従事できるようになりました。
このビザは、事業の運営や管理に直接関与する人物に与えられます。具体的には、社長や取締役、監査役、部長、支店長などが該当します。
対象となる活動には、事業を新たに立ち上げて経営する場合、既存の事業に参画する場合、または法人等に代わって事業を運営する場合があります。
ビザを取得するには、会社を設立し、従業員を雇用し、業務がすぐに開始できる状態を整える必要があります。
業種に制限はなく、日本で合法的に行える事業であれば申請可能です。
ただし、事業の安定性や継続性を証明する資料が求められます。
特に飲食業では、店舗契約や内装工事、仕入れなど多額の投資が必要になる場合があります。
しかし、ビザが不許可となると事業を続けられず、準備した会社や店舗を処分しなければならないリスクがあります。
信頼関係や金銭的損失を考えると、慎重な準備が求められます。
また、会社設立には商法だけでなく入管法の規定も関係してきます。
知識不足で進めると、ビザが取得できないケースも多いため、専門的な支援を受けることが望ましいでしょう。
経営管理ビザで可能になる業務例
会社の経営者や管理者に該当する職務が対象です。
具体的には、代表取締役、取締役、監査役、部長、支店長、工場長などが含まれます。
また、これらの役職に該当するだけでなく、実際に会社の業務執行権や経営権(重要事項決定権など)を持ち、会社の運営に関与していることが条件となります。
国内資本でも外国資本でも可
2015年4月1日に施行された入管法の改正により、以前は「投資・経営」ビザと呼ばれていたものが「経営・管理」ビザに変更されました。
それまでの「投資・経営」ビザでは、外国資本の投資が条件とされていましたが、この改正によって、その条件が撤廃されました。
これにより、国内資本の企業で経営や管理に従事する外国人も「経営・管理」ビザを取得できるようになりました。
法人設立前でも申請可能
また、以前は「投資・経営」ビザの申請には法人登記簿謄本が必要で、法人設立後でなければ申請ができませんでした。
法人設立のためには資本金を払い込む発起人名義の銀行口座が必要でしたが、銀行口座の開設には日本国内の住所が求められました。
短期滞在ビザなどで在留する外国人は住所登録ができず、一人で法人を設立することが事実上困難でした。
現在の「経営・管理」ビザでは、法人が未設立の場合でも申請が可能となっています。
法人登記簿謄本の代わりに、定款など事業開始が明確に示される資料を提出することで、在留資格認定証明書の交付を受けることができます。
申請要件
経営管理ビザの申請には、以下の4つの主な要件を満たす必要があります。
このビザは他の就労ビザと異なり、学歴や実務経験を必須条件としていません。
しかし、事業の内容を詳細に示した資料を整備することが求められ、綿密な準備が重要です。
①事業所(事務所・店舗など)が確保されている
申請者は事業所の利用権を証明する必要があります。
例えば、賃貸借契約書がその代表例であり、契約書には”使用用途”や”目的”が明確に記載されていることが求められます。
これらの記載が不適切である場合、ビザ審査において否認される可能性があるため、事前に慎重な確認が必要です。
さらに、事業所としての機能が整備されていることも重要です。
具体的には、パソコンやプリンターなどの基本的な事務機器が設置されているかどうかが挙げられます。
また、会社名義で郵送物を受け取れる住所であるかを確認し、必要であれば郵便局や配送業者との調整も行うことが推奨されます。
その他にも、事業所の外観や内部の状態がビジネス用途に適していることもポイントになります。
例えば、オフィススペースが十分な広さを持ち、業務に支障がない環境が整っていることを証明するため、写真やレイアウト図を提出することも有効です。
※個人名義の契約では原則として経営管理ビザを取得できません!
個人名義の契約では原則として経営管理ビザを取得できません。
事務所を法人名義で契約することが必要です。
また、契約書の内容が審査に適合していることを確認することも重要です。
注意点については以下のページで詳しく解説しています。
②常勤従業員を2人以上雇用、または相当額の投資を行っている
常勤従業員は「日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者」の必要があります。
管轄の入国管理局の判断にはなりますが、最近は『雇用人数に関係なく、500万の投資が必要』とされています。
※会社設立のための「資本金の送金」にも注意点があります!
会社設立のための資本金を送金する場合、受け取り用の銀行口座の開設をはじめ、様々なポイントを押さえておく必要があります。詳しくは以下のページからご確認ください。
③安定経営が見込める
経営状況の安定性は、主に事業計画書で証明します。
事業内容や規模・立地状況を十分考慮した市場見込みや売上予測を、できるだけ客観的数値を挙げながら、
詳しく記載する必要があります。
在留期間
「経営・管理ビザ」の在留期間には、5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月があります。
その中でも、4ヶ月のビザは、外国人が日本で起業準備を行うための特別な在留資格として2015年4月に新設されました。
この制度により、海外在住の外国人でも協力者がいなくても日本で会社設立が可能となり、経営管理ビザを取得する道が開かれました。
以前は、会社設立登記を行うために発起人名義の銀行口座が必要でしたが、短期滞在ビザでは住所登録ができず、銀行口座の開設が困難であったため、協力者の存在が不可欠でした。
しかし、法改正後は、事業計画や設立準備を証明する書類を提出することで、4ヶ月のビザが取得可能となり、この問題が解消されました。
4ヶ月のビザは、90日ビザとは異なり住民登録が可能で、在留カードの取得や印鑑証明書の発行が可能です。
これにより、銀行口座を開設し、資本金を振り込んで会社設立登記を行うことが容易になりました。
こうした手続きが完了すれば、日本での事業活動を正式に開始できる準備が整います。
また、4ヶ月ビザの期間中に会社を設立し、事業計画を進めることで、ビザ期限前に更新申請を行い、中長期の在留資格を取得することが可能です。
これは暫定的な滞在資格ではありますが、外国人が日本で起業を始めるための重要なステップとなっています。
ただし、4ヶ月のビザを取得するには、会社設立に向けた具体的で現実的な事業計画を提示し、その計画が実行可能であることを証明する必要があります。
こうした条件を満たすことで、外国人が1人でも協力者を必要とせずに日本で起業する道が大きく開かれるようになりました。
必要書類
ビザ申請は、申請者の状況に応じて必要な書類が異なります。
また、個人の状況次第で必要な書類が増える可能性もあります。
詳しくは弊社の専門コンサルタントにお問い合わせください。
①経営管理在留資格認定証明交付申請(4ヶ月)の場合
申請人に関する書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(4cm×3cm)
- 経歴書
会社に関する書類
- 定款
- 予定事務所
- 事業計画に関する資料
資本金に関する書類
- 資本の由来に関する資料
- 残高証明書(資本金相当額)
- 返信用封筒(404円切手貼付)
②在留資格変更許可申請
申請人に関する書類
- 在留資格変更許可申請書
- パスポート
- 在留カード
- 住民票
- 今まで活動に関する書類
会社に関する書類
- 履歴事項全部証明書
- 税務署への届出書類等
- 事務所に関する資料
- 事務所写真
資本金に関する書類
- 資本の由来に関する資料
- 残高証明書(資本金相当額)
③在留期間更新許可申請
申請人に関する書類
- 在留資格変更許可申請書
- パスポート
- 在留カード
- 住民票
- 住民税課税証明書
- 住民税納税証明書
会社に関する書類
- 履歴事項全部証明書
- 直近の決算報告書の写し
ビザ取得の流れ
日本移住スケジュール(外国人経営者Aさんの例)
日本で事業を経営する外国人の皆様に必要な手続き及びスケジュールについて、経営者Aさんを例にご紹介します。
- 日本でビジネスを始めたい。
- 妻と子供も一緒に日本へ連れていき、将来的には日本に移住したい。
- どんどん会社を大きくして社員も雇いたい。
※1 貿易、通販、旅行、旅館、広告、IT、ゲーム、コンサル、マーケティング、医療、教育、教室、出版、文化交流、飲食など、顧客の事業内容に合わせて、適切な事業計画書を作成可能です。
※2 日本国内にオフィス(個室)が必要 弊社で探すこと可能です。
※3 状況によっては、高度専門職1号ハも申請可能です。
※4 高度専門職1号ハの場合は、最短で来日1年後に永住許可申請が可能です。
経営開始までの一般的な流れ
★法人を設立し、経営開始するまでの流れをご説明します。
★法人設立の流れ |
①発起人及び設立時役員全員の印鑑証明書取得 |
★共同協力者がいる場合 | ★共同協力者がいない場合 |
①定款認証※、事務所物件の契約、 出資金の口座への払込など ※法人設立にあたって主な決定事項 出資者とそれぞれの出資額/商号/事務所/ 事業目的/取締役 ⇩ ②法人設立完了 |
①経営管理ビザ(4か月)の認定証明交付申請 事務所物件の契約、出資金の口座への払い込みなど ※法人設立にあたっての主な決定事項 出資者とそれぞれの出資額/商号/ 事務所/事業目的/取締役 ⇩ ⇩ ⑥許可 ※新しい在留カードの発行手続きは弊社が行います。 |
弊社での事例集
①マッサージ店で経営管理ビザを取得
・20代中国人男性(留学ビザ)のビザ申請変更
・大学を卒業した後は、株式会社を設立&経営する予定
・本国にいる親から500万円を援助してもらう
・日本でマッサージ店を経営したい
・本人が他の事務所7ヵ所くらいに相談したところ、希望の事業内容では難しいと断られた
・事業内容を変えるしかないのかと悩んでいる
今回のケースの場合、大学を卒業したばかりで仕事の経験がないという弱みを、いかに補い、問題ないと証明するかがポイントです。
仕事の経験がない分、事業計画で売上予測・根拠・集客方法などをしっかりと作成することで、無事許可となりました。
今回のように、「難案件」と言われるケースも、過去のノウハウを最大限活かし、難しい箇所をどのようにクリアしていくか、社内で方針を検討します。
サポート行政書士法人さんは、相談は時間関係なく無料だったし、30分も話せば、他の所と違うと分かりました。
自分のビザは無理だとか難しいと言われなかったし、他の所は、言ってくることがバラバラだったけど、対応してくれた人の、笑顔と分かりやすい説明で安心してここに任せようと思いました。
いつ質問してもすぐに返事をくれたり、対応も速くて、とても満足でした。
おかげさまで、無事にビザが取れたので予定通り経営を頑張っていきます。
②ビザ更新が出来ずに許可が切れてしまった
・中国で日本製品の輸入業をしている30代中国人女性
・中国での事業展開で日本の拠点が必要になり、日本に中国への輸出業の会社を設立
・自分が代表者となり、1年間の経営管理ビザを取得
・もともと中国の会社の役員でもあり、仕事上、中国と日本を行ったり来たりしていた
・ビザ更新の時期にちょうど仕事で中国に行っており、病気になったこともあって、ビザの期限までに日本に戻ってビザ更新手続きを行うことができなかった
・日本の滞在は3ヶ月ほどだった
・もう一度、ビザを取り直したいと思って相談来社
長期滞在ビザは、基本的に日本に半年以上滞在することを前提としています。
日本にいないなど、許可された活動が行われてない場合、更新されない可能性があります。
このケースの場合、ビザの認定申請を再度行うことになりますが、「日本で実際に事業の経営を行なっているか」
「なぜ9ヶ月日本に滞在できなかったのか」を証明するのがポイントです。
今回は、事業が日本で動いていたことを客観的に証明する資料を提出し、今後日本の滞在が増えることを説明することで、無事許可となりました。
せっかく取得した経営管理ビザが切れてしまい、どうしようかと思っていました。
私のビザに関係なく、事業は動いています。
取引などで来日も必要で、その度に短期滞在で来日していました。
無事に許可が下りて、本当に感謝しています。
まだまだ、中国と日本を行ったり来たりしていますが、ビザを継続するためのポイントを教えてもらったので、半年は日本に居るようにしたりと気をつけています。
中国での仕事を減らして、日本に重点をおいていきたいと思っています。
③他事務所に申請を依頼して不許可だったが、再申請で許可に
・20代後半の中国人女性
・日本の4年制大学を卒業し、新規で会社設立
・投資金額は現金で中国より再入国した時に携行
・経営管理ビザの手続きを個人事務所の行政書士に依頼したが、不許可
・経営管理ビザの再申請を当社に依頼
経営管理ビザ再申請の場合は、不許可理由を正確に捉え、改善することがポイントとなります。
まず、本人が残していた申請書類の控え・追加書類の提出通知書等を確認し、不許可理由を正確に捉えます。
今回のケースでは、追加書類の提出通知書で、投資金額のお金の流れにつき、説明書と添付書類を求められていました。
当社で再申請をサポートするにあたり、 改めて本人から今までの経緯をヒアリングし、丁寧な説明書と適切な添付書類を準備することで、無事再申請で投資経営在留資格を取得出来ました。
最初の申請では、追加資料が多くて本当に大変でした。
前の行政書士は対応が遅くて、はっきりとしたことは何も教えてくれませんでした。
結果、不許可になり、もう諦めかけていました。
サポート行政書士法人さんに再申請を依頼してからは、担当の方がしっかり方針を決めてくれ、もう一度頑張ってみようと思いました。
再申請が無事に許可になり、日本で頑張っていく気力が湧いてきました。
本当にありがとうございました。
④友人の飲食店を引き継いで就労ビザから経営管理ビザに在留資格を変更
・30代の中国籍の男性(大阪市内在住)
・就労ビザ(人文知識・国際業務)で日本滞在中
・1ヶ月前に仕事を辞め、現在無職
・今後は、友人の飲食店を引き継ぎ、経営する計画
・ビザ用に、自身の貯金から500万円を出資
・在留資格取消しの可能性を入国管理局の職員に示唆され、焦っている
このケースでは、経営管理ビザ取得にあたり、
次の2つがポイントとなりました。
①友人から飲食店を引き継いだ事実を立証すること
今回は、飲食店を引き継ぐに至った経緯の説明、
営業譲渡契約書の起案、対価支払方法を説明しました。
飲食店の場合は、営業許可証の名義変更なども発生します。
事業の安定性・継続性は投資経営ビザの要件ですので、
営業許可も必須となります。
②経営管理ビザを申請するまでのスピード
入管法の第22条の4第1項には、
当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合、
現在の在留資格が取り消すことができることが定められています。
この方のケースでは、1カ月前に仕事を辞めてしまっており、
経営管理ビザの申請を一刻も早く行う必要がありました。
株式会社の設立から営業譲渡、営業許可、
経営管理ビザの資料を1カ月で整え、本人の協力もあり無事に許可となりました。
自分で入国管理局に行ったとき、
審査官から在留資格取消しの話をされ、怖くなりました。
一刻も早く申請しないといけないという焦りがあり、
スピード対応を求めていました。
サポート行政書士法人さんは大きな会社で、スタッフの方も多いので、
すぐに対応してくれるだろうと思い依頼しました。
自分が予想していた以上に早く申請でき、安心しました。
結果ももちろん許可になり、本当に依頼してよかったです。
更新のときもぜひお願いしようと思います。
⑤執行猶予付きの懲役判決が付いてしまった方の経営管理ビザ更新
・名古屋在住20代韓国人男性からの相談
・個人で飲食店を経営している
・名古屋で韓国との交流イベントのサポートに携わっている
・店舗経営は順調
・夫婦ケンカの際に仲裁に入った警官を殴ったとして、公務執行妨害で逮捕された
・裁判では執行猶予付きの懲役判決
・ビザの更新に問題はないか
今回の申請のポイントは、申請者が今後日本に滞在することが問題ない人物であることを
いかに証明するかという点です。
そこで、上申書で、事件の発端は夫婦ケンカが行き過ぎた結果であること、既に妻とは離婚して妻は本国に帰っており、今後はこの様なことは起こらないことを説明しました。
店舗経営については順調でしたが、個人経営のため金銭的な流れを説明する資料が少なかったので、売上などの具体的数字を事業概要にまとめました。
また、ご依頼者は長い間本国との交流イベントのサポートをしていましたので、日本側の関係者に嘆願書も準備していただき、これらの書類をあわせて申請することで無事に更新許可されました。
交流イベントで韓国旅行の案内役をすることになっていたので、ビザの更新ができるか心配でした。
最初に弁護士の先生とのやり取りをしてもらって申請方針を立ててもらうところから、無理を言ったと思っています。
これからはお店の経営に集中していきますので、これからもよろしくお願いします。
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例えば、事業計画書の精度を高め、具体的なデータや根拠を示すことで、審査官の信頼を得やすくなります。
また、過去の申請事例を参考にし、よくあるミスを回避することも重要です。
弊社では、過去の豊富な実績を基に、これまで培ったノウハウを活用して高い許可率を実現しています。
さらに、最新の法規や審査基準に基づいたアドバイスを提供することで、申請者の成功率を最大化しています。
自分で入国管理局に技術・人文知識・国際業務ビザ申請を行って、不許可になった方の再申請もお任せください。
英語・中国語・ベトナム語・韓国語対応のスタッフもいるので、日本語では相談が難しい方でも安心です。
それぞれのご事情に合わせた準備を行うことで、後々のトラブルを回避し、日本に在留しやすくなるための環境整備のアドバイスも行っております。
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