【企業担当者向け】特定技能1号⇒特定技能2号への変更
更新日:2025年1月31日
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現在特定技能1号の外国人を雇用していて、「将来的に特定技能2号へ変更したいと考えているけど、どうしたらいいかわからない」というお問い合わせをいただきます。
必要な試験と実務経験をクリアすれば、5年待たずに変更することも可能です。
ただし、特定技能1号の期間にマネージャー等の管理者としての経験を積む必要があるため、計画的に昇進させていく必要があります。
◆もくじ◆
特定技能1号と2号の違い
特定技能1号と2号の違いは、主に求められるスキルや経験のレベルにあります。
1号は、労働力不足の分野で働く外国人向けの在留資格で、業務に必要な知識や技能を有することが求められます。
一方、特定技能2号は、特定の分野での実務経験を積んだうえで、より高度な技術や専門性が必要となる資格です。
また、試験の合格や実務経験の証明が求められるため、1号よりも取得のハードルが高くなります。
さらに、在留資格の条件として、2号では在留期間の上限がなく、家族の帯同も認められる点が大きな特徴です。
特定技能1号とは?
特定技能1号とは、外国人が日本で特定の業種に従事するための在留資格で、2019年4月に創設されました。
この資格の対象となる業種は14業種あり、宿泊業、外食業、介護、農業、建設などが含まれています。
それぞれの業種ごとに必要な条件や資格が設定されており、特定技能1号を取得するためには、日本語能力を評価する試験や、業務に関連する技能試験の合格が求められます。
また、特定技能1号の在留期間は通算で最長5年と定められており、基本的に家族の帯同は認められていません。
このため、長期間にわたり日本で働き続ける場合は、特定技能2号への移行を視野に入れることが重要です。
特定技能2号とは?
特定技能2号とは、特定分野において熟練した技能を有する外国人が対象の在留資格です。
特定技能1号と異なり、在留期間の更新に制限がなく、一定の条件を満たせば家族の帯同も可能となります。
2号の資格を得るには、各分野で定められた試験に合格し、一定の実務経験を積むことが求められます。
特定技能2号では、より高度な技術力や豊富な経験が必要とされるため、雇用主側も、より専門的な知識やスキルを持つ人材を優先的に採用する傾向があります。
これにより、特定技能2号を取得した外国人は、より高い職位や待遇を得る機会が広がります。
特定技能2号への移行時に求められる実務経験・試験成績
特定技能1号から2号へ移行するためには、いくつかの重要な要件を満たす必要があります。
まず、一定期間の実務経験が求められ、少なくとも1年以上の実務経験を積むことが条件となります。
この経験を通じて業務遂行能力を証明することで、2号への移行が可能となります。
さらに、特定技能2号への移行には、各業種ごとに実施される試験への合格が必要です。
試験では、実務に直結した専門知識や技術が評価され、業種ごとに異なる内容が設定されています。
例えば、外食業では調理や接客に関する知識が問われ、農業では農作物の生産技術に関する試験が行われます。
2号では、より高度なスキルだけでなく、管理能力も求められることが多いため、管理者としての経験を積むことが重要です。
こうした条件をクリアすることで、より多くの職場での就業機会が得られ、待遇の向上も期待できます。
特定技能2号への変更には「管理者としての経験」が必要!
特定技能1号から2号へ変更するためには、実務経験に加え、管理者としての経験を有することが求められます
特定技能2号は、単に技術力を持つだけでなく、業務の管理や後輩指導などの役割も担うことが期待されるため、管理的な業務に従事した経験が重要な要素となります。
具体的には、外食業や飲食料品製造業では、厨房の運営や店舗管理の経験が求められ、農業や宿泊業では、新たな取り組みやマネジメントに関与することが評価されます。
また、建設業界では、現場監督や工程管理の役割を果たした経験があると、特定技能2号の取得に有利となります。
このように、特定技能2号への移行を成功させるためには、単に業務をこなすだけでなく、より責任のある役割を担う経験を積むことが重要です。
移行を目指す外国人労働者は、日常業務の中でリーダーシップやマネジメントスキルを磨くことを意識し、着実にステップアップを図る必要があります。
必要な試験と実務経験の具体例
必要な試験と実務経験については分野ごとに異なるため、お問い合わせの多い①外食業、②飲食料品製造、③農業、④宿泊、⑤建設で求められる要件について解説します。
①外食業
- 「外食業特定技能2号技能測定試験」及び「日本語能力試験(N3以上)」に合格すること
- 複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長、サブマネージャー等)としての、2年間の実務経験があること
②飲食料品製造
- 「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」に合格すること
- 複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験が2年以上あること
③農業
農業は、⑴耕種農業全般と⑵畜産農業全般の2つの業務区分があります。
⑴耕種農業全般
- 「2号農業技能測定試験(耕種農業全般)」に合格すること
- 耕種農業の現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験又は耕種農業の現場における3年以上の実務経験があること
⑵畜産農業全般
- 「2号農業技能測定試験(畜産農業全般)」に合格すること
- 畜産農業の現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験又は畜産農業の現場における3年以上の実務経験があること
④宿泊
- 「宿泊分野特定技能2号評価試験」に合格すること
- 宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した実務経験があること
ポイント
- 基本的には、2年間のマネージャー等の管理者としての経験が必要になります。特定技能1号の間に、計画的にマネージャー業務に従事させ、必要な経験を積ませましょう。
- 外食業については、日本語能力試験(N3以上)が必要です。日々の業務だけでなく、日本語能力試験の勉強もしっかりしましょう。
- 介護分野については、在留資格「介護」があることから、特定技能2号の対象分野とはなっていません。将来的に、在留資格「介護」に変更できるよう、特定技能1号の間に介護福祉士の資格取得を目指しましょう。
⑤建設
- 建設分野特定技能2号評価試験に合格すること、または技能検定1級に合格すること
- 建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験があること
ただし、求められる実務経験の日数は業務区分によって異なります。
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