受入機関・申請人の基準(特定技能)
特定技能ビザで外国人を受け入れる場合、受入機関(企業)と外国人(申請人)に求められる基準があります。
特に、技術・人文知識・国際業務のビザと比べると受入機関(企業)に求められる基準が多く、申請前に全ての基準に該当するのかをしっかり確認しておく必要があります。
このページでは、受入機関(企業)の要件について詳しく見ていきます。
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受入機関(企業)に求められる基準
- 労働,社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること
- 特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、特定技能雇用契約において外国人が従事する業務と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
- 特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、行方不明者を発生させていないこと
- 欠格事由(5年以内に労働法令違反等)に該当しないこと
- 特定技能雇用契約に係る外国人の活動内容に関する文書を作成し、従事事務所に雇用契約終了日から1年以上備え置くこと
- 外国人等が保証金や違約金の徴収等をされていることを受入機関(企業)が認識して雇用契約を締結していないこと
- 他者との間で、受入れ機関が違約金の徴収等を定める契約等を締結していないこと
- 支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと
- 外国人の労働者派遣をする場合には,派遣先が上記①から④の各基準を満たすこと
- 労働者災害補償保険関係の成立の届出等を講じていること
- 雇用契約を継続して履行できる体制が適切に整備されていること
- 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
- 分野に特有の基準に適合すること
外国人支援に求められる基準
- 以下のいずれかに該当すること
・過去2年間に中長期在留者の受入れまたは管理を適正に行った実績があり、かつ、役職員の中から支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上)を選任していること
・役職員で過去2年間に中長期在留者の生活相談等に従事した経験を有する者の中から、支援責任者及び支援担当者を選任していること(事業所ごとに1名以上)
・上記と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として認められて者であること - 外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を確保していること
- 支援状況に関する文書を作成し、事業所に雇用契約終了日から1年以上備え置くこと
- 支援責任者又は支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないこと
- 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
- 支援責任者又は支援担当者が、外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することのできる体制を有していること
- 分野に特有の基準に適合すること
雇用後の注意点
特定技能ビザで外国人を受け入れるにあたって、受け入れが決定した後も注意しなければならない事項があります。
活動状況に関する文書を作成し、事業所に備えて置くこと
「活動の内容に係る文書」とは下記を指します。
① 特定技能外国人の管理簿
(1)特定技能外国人の名簿(必要的な記載事項は以下のとおり)
(2)特定技能外国人の活動状況に関する帳簿(必要的な記載事項は以下のとおり)
② 特定技能雇用契約の内容
③ 雇用条件
④ 特定技能外国人の待遇に係る事項が記載された書類(賃金台帳(労働基準法第108条)等)
⑤ 特定技能外国人の出勤状況に関する書類(出勤簿等の書類)
報酬の支払いを口座振込み等により行うこと
特定技能外国人に対する報酬の支払をより確実かつ適正なものとするため,当該外国人に対し,報酬の支払方法として預金口座への振込みがあることを説明した上で,当該外国人の同意を得た場合には,預貯金口座への振込み等により行うことを求められます。
もし振込以外の方法を採った場合、報酬の支払いについて出入国在留管理庁長官の確認が必要となります。
そのため、別途定期的に書類の提出をする必要があります。
理解できる言語による支援を行うこと
①特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な情報提供を行うこと
②担当職員を確保し特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な相談を行うこと
専門用語であったり日本語独特の言い回しを理解することは特定技能外国人にとって非常に難しいことです。
そのため、理解につながる支援が大切です。
コミュニケーションを十分に図ることができれば、信頼関係につながり、スムーズな職務遂行につながっていきます。
支援の実施状況に係る文書の作成を行うこと
1号特定技能外国人支援の状況に係る文書を作成し,特定技能雇用契約の終了日から1年以上備えて置くこと。
支援の中立性があること
支援責任者及び支援担当者が、1号特定技能外国人を監督する立場にないこと及び特定技能所属機関と当該外国人の間に紛争が生じた場合に少なくとも中立的な立場であること
定期的な面談の実施
特定技能外国人の安定的かつ継続的な在留活動を確保するための支援として,特定技能外国人のみならず,当該外国人を監督する立場にある者とも定期的な面談をすることを求められます。
要件チェックシート
特定技能ビザで外国人を受け入れる場合、受入機関(企業)が申請前に 全ての基準に該当するのかをしっかり確認しておく必要があります。
特定技能外国人の雇用をお考えの方は以下のチェックシートでチェックしてみましょう。
※下記の項目にすべて該当していることが許可の要件となっています。
1つでも該当しない事項がある場合には必ずご申告ください。
□労働関係法令を遵守していること
□ ① 労働基準法等の基準にのっとって特定技能雇用契約が締結されていること
□ ② 雇用保険及び労災保険の適用事業所である場合は,当該保険の適用手続及び保険料の納付適切に行っていること。
□ ③ 特定技能外国人との雇用契約に当たり,その成立のあっせんを行う者が存在する場合にあっては,職業安定法第30条,第33条及び第33条の3の規定に基づく無料職業紹介の届出若しくは許可又は有料職業紹介事業の許可を得ている者から求人のあっせんを受けていること。
※ 労働保険の保険料の未納があった場合であっても,地方出入国在留管理局の助言・指導に基づき納付手続を行った場合には,労働関係法令を遵守しているものと評価されますので,必要な手続を行ってください。
□社会保険関係法令を遵守していること
<健康保険及び厚生年金保険の適用事業所の場合>
□ 特定技能所属機関が,健康保険及び厚生年金保険の加入手続,雇用する従業員の被保険者資格取得手続を行っており,所定の保険料を適切に納付(猶予制度(分割納付)の許可を得ている場合を含む。)していること。
* 猶予制度(分割納付)の許可を得ている場合とは,納付の猶予許可又は換価の猶予許可を受けている場合をいいます。
<健康保険及び厚生年金保険の適用事業所ではない場合>
□ 特定技能所属機関(事業主本人)が,国民健康保険及び国民年金に加入し,所定の保険料を適切に納付(国民健康保険料(税)の納付(税)緩和措置(換価の猶予,納付の猶予又は納付受託)又は国民年金保険料の免除制度の適用を受けている場合を含む。)していること。
※ 社会保険料の未納があった場合であっても,地方出入国在留管理局の助言・指導に基づき保険料を納付した場合には,社会保険関係法令を遵守しているものと評価されますので,未納となっている保険料を納付してください。
□租税関係法令を遵守していること
<法人の場合>
□ 特定技能所属機関が,国税(源泉所得税及び復興特別所得税,法人税,消費税及び地方消費税)及び地方税(法人住民税)を適切に納付(納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)を受けている場合を含む。)していること。
<個人事業主の場合>
□ 特定技能所属機関が,国税(源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税)及び地方税(個人住民税)を適切に納付(納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)を受けている場合を含む。)していること。
※ 納付すべき税に未納があった場合であっても,地方出入国在留管理局の助言・指導に基づき納付した場合には,租税関係法令を遵守しているものと評価されますので,税務署等において相談の上,必要な手続を行ってください。
□非自発的離職者がいないこと
□ 特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に,当該特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者(次に掲げる者を除く。)を離職させていないこと。
① 定年その他これに準ずる理由により退職した者
② 自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された者
③ 期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の期間満了時に当該
有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了
(労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該有期労働契約の
期間満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって,
当該有期労働契約の相手方である特定技能所属機関が当該労働者の責めに帰すべき
重大な理由その他正当な理由により当該申込みを拒絶することにより
当該有期労働契約を終了させる場合に限る。)された者
④ 自発的に離職した者
※ フルタイムで雇用されている日本人労働者,中長期在留者及び特別永住者の従業員(パートタイムやアルバイトを含まない。)が対象
<「非自発的に離職させた」具体的例>
・人員整理を行うための希望退職の募集又は退職勧奨を行った場合(天候不順や自然災害の発生によりやむを得ず解雇する場合は除く。)
・労働条件に係る重大な問題(賃金低下,賃金遅配,過度な時間外労働,採用条件との相違 等)があったと労働者が判断したもの
・就業環境に係る重大な問題(故意の排斥,嫌がらせ等)があった場合
・特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了
□行方不明者を発生させていないこと
□ 特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に,特定技能所属機関の責めに帰すべき事由により,外国人の行方不明者を発生させていないこと。
※ 「外国人」とは,受け入れた特定技能外国人,技能実習生のみが対象
※ 「責めに帰すべき事由」があるとは,特定技能所属機関が,雇用条件どおりに賃金を適正に支払って
いない場合や1号特定技能外国人支援計画を適正に実施していない場合など,法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に,特定技能外国人が行方不明となった場合をいいます。
そのような法令違反や基準に適合しない行為が行われていた場合には,人数に関係なく,特定技能外国人の行方不明者を1人でも発生させていれば,本基準に適合しないこととなります。
※ 特定技能所属機関が,技能実習制度における実習実施者(技能実習法施行前の実習実施機関を含む。)として,特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又は締結の日以後に,受け入れた技能実習生について責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させた場合にも,本基準に適合しないこととなります。
□関係法律による刑罰を受けていないこと
次のいずれかに該当する場合には,欠格事由に該当し,特定技能所属機関になることはできません。
① 禁錮以上の刑に処せられた者
② 出入国又は労働に関する法律に違反し,罰金刑に処せられた者
③ 暴力団関係法令,刑法等に違反し,罰金刑に処せられた者
④ 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し,罰金刑に処せられた者
いずれも「刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」がその対象となります。
□行為能力・役員等の適格性の観点からの欠格事由に該当しないこと
次のいずれかに該当する者は,行為能力・役員等の適格性の観点からの欠格事由に該当し,特定技能所属機関になることはできません。
① 精神機能の障害により特定技能雇用契約の適正な履行に必要な認知等を適切に行うことができない者
② 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
③ 法人の役員,未成年の法定代理人で特定技能基準省令第2条第1項第4号各号(ワを除く。)に該当する者
□実習認定の取消しを受けていないこと
実習実施者として技能実習生を受け入れていた際に実習認定の取消しを受けた場合,当該取消日から5年を経過しない者(取り消された者の法人の役員であった者を含む。)は,特定技能所属機関になることはできません。
※ 欠格事由の対象となる役員については,法人の役員に形式上なっている者のみならず,実態上法人に対して強い支配力を有すると認められる者についても対象となります。
具体的には,業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者をいい,相談役,顧問,その他いかなる名称を有する者であるかを問わず,法人に対し業務を執行する社員,取締役,又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者のことをいいます。
□出入国や労働関係法令に関する不正行為を行っていないこと
特定技能雇用契約の締結の日前5年以内又はその締結の日以後に,出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を行った者は,欠格事由に該当し,特定技能所属機関になることはできません。
① 外国人に対して暴行し,脅迫し又は監禁する行為 外国人に対して暴行,脅迫又は監禁を行っている場合をいいます。なお,当該行為によって刑事罰に処せられているか否かは問いません。
② 外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為 外国人の旅券や在留カードを,その意思に反して保管している場合をいいます。例えば,特定技能所属機関において失踪防止の目的などとして,旅券や在留カードを保管していた場合が該当します。
③ 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為 外国人に対し,手当若しくは報酬の一部又は全部を支払わない場合をいいます。「手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為」とは,不払金額,不払期間,事業主の認識等を勘案して評価されます。
なお,食費・住居費等を天引きしている場合であっても,天引きしている金額が適正でない場合には,本欠格事由に該当する可能性があります。
④ 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為 外国人の外出,外部との通信等を不当に制限している場合をいいます。例えば,携帯電話を没収するなどして,外部との連絡を遮断するような行為が該当します。
⑤ ①から④に掲げるもののほか,外国人の人権を著しく侵害する行為 外国人の人権を著しく侵害する行為(上記①から④までの行為を除く。)を行っていた場合をいいます。
例えば,特定技能外国人から人権侵害の被害を受けた旨の申告があり,人権擁護機関において人権侵犯の事実が認められた場合,特定技能外国人の意に反して預貯金通帳を取り上げていた場合,又は特定技能外国人の意に反して強制的に帰国させる場合等が該当します。
⑥ 偽変造文書等の行使・提供 外国人に係る出入国又は労働に関する法令に関して行われた不正,又は著しく不当な行為に関する事実を隠蔽する目的又はその事業活動に関し不正に外国人に在留資格
認定証明書の交付,上陸許可の証印若しくは在留資格変更許可等を受けさせる目的で偽変造文書等の行使又は提供をしていた場合をいいます。例えば,在留資格認定証明書交付申請において,欠格事由に該当する行為の有無に関して「無」と記載した申請書を提出したところ,じ後,地方出入国在留管理局の調査によって当該行為が行われていたことが発覚した場合などが該当する
ので,申請及び届出においては,事実関係の確認を十分に行う必要があります。
⑦ 保証金の徴収等 外国人やその親族等から保証金を徴収している場合,特定技能雇用契約の不履行について違約金を定めている場合等や,これらの行為を行っている者又は行おうとしている者から紹介を受けて特定技能雇用契約を締結した場合をいいます。
例えば,特定技能外国人が特定技能所属機関から失踪するのを防止するために,特定技能外国人やその家族等から保証金を徴収したり,失踪した際の違約金を定めていた場合が該当します。
また,地方出入国在留管理局や労働基準監督署等に対して不適正な行為を通報すること,休日に許可を得ずに外出すること,業務従事時間中にトイレ等で離席すること等を禁じて,その違約金を定める行為や特定技能外国人やその家族等から商品又はサービスの対価として不当に高額な金銭の徴収を予定する契約についても,「不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約」に該当します。
⑧ 届出の不履行又は虚偽の届出 法令上規定する届出事由が生じていながら,地方出入国在留管理局への届出を怠った場合や虚偽の届出を行った場合をいいます。例えば,特定技能外国人が行方不明になったにもかかわらず,これを届け出ることなく,失踪した特定技能外国人が地方出入国在留管理局により摘発されるなどして初めて,行方不明になっていたことが明らかになった場合や,活動状況の届出や支援の実施状況の届出を履行するよう再三指導を受けたにもかかわらず,これを履行しない場合等が該当します。
⑨ 報告徴収に対する妨害等 法第19条の20第1項の規定により求められた報告や簿書類の提出を妨害した場合等が該当します。
⑩ 改善命令違反 出入国在留管理庁長官から改善命令を受けたにもかかわらず,これに従わなかった場合をいいます。
⑪ 不法就労者の雇用 (1)事業活動に関し,外国人に不法就労活動をさせる行為,(2)外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置く行為又は(3)業として,①及び②の行為に関しあっせんする行為のいずれかを行い,唆し,又はこれを助けた場合が該当します。
⑫ 労働関係法令違反 外国人の就労活動に関し,労働基準法,労働安全衛生法,職業安定法等の労働関係法令について違反があった場合をいいます。
例えば,36協定に定めた時間数を超えて長時間労働をさせた場合,労働安全衛生法に定められた措置を講じていない場合,特定技能外国人が妊娠したことを理由に解雇した場合などが該当します。
⑬ 技能実習制度における不正行為 技能実習制度における実習実施者(旧技能実習制度における実習実施機関を含む。)として不正行為を行い,又は,監理団体として監理許可を取り消され,受入れ停止期間が経過していない場合をいいます。
⑭ 他の機関が不正行為を行った当時に役員等として外国人の受入れ等に係る業務に従事した行為申請者とは別の機関が不正行為を行った当時,当該機関の経営者,役員又は管理者として外国人の受入れ,雇用の管理又は運営に係る業務に従事していた行為をいいます。
例えば,申請者の役員が,技能実習制度の監理団体や実習実施者(旧技能実習制度における実習実施機関を含む。)が不正行為を行ったことを理由として受入れ停止となった場合に当該不正行為
時の役員に就いていた場合はこれに該当します。
□暴力団等と関係を持っていないこと
次に該当する者は,暴力団排除の観点からの欠格事由に該当し,特定技能所属機関になることはできません。
・暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。以下同じ。)及びその役員が暴力団員等 ・暴力団員等がその事業活動を支配する者
□保証金の徴収、違約金契約等をしていないこと
<「保証金の徴収、違約金契約等」の具体的例>
特定技能所属機関から失踪することなど労働契約の不履行に係る違約金を定める契約のほか,
地方出入国在留管理局や労働基準監督署への法令違反に係る相談をすること,休日に許可を得ずに外出すること,若しくは作業時間中にトイレ等で離席すること等を禁じて,その違約金を定める契約,又は商品若しくはサービスの対価として不当に高額な料金の徴収を予定する契約などが該当します。
※ 保証金の徴収その他名目のいかんを問わず,金銭その他の財産を管理されないことについては,特定技能所属機関,登録支援機関,職業紹介事業者など特定技能雇用契約に基づく特定技能外国人の本邦における活動に関与する仲介事業者のみならず,本邦外の仲介事業者(ブローカー)等を含め,幅広く規制の対象とするものです。
□1号特定技能外国人に支援に要する費用を負担させないこと
「支援に要する費用」とは,1号特定技能外国人に対して行われる各種支援に必要となる費用(登録支援機関への委託費用を含む。)をいい,次のものを含みます。
・事前ガイダンス,生活オリエンテーション,相談・苦情対応及び定期的な面談の実施に係る通訳人の通訳費等
・1号特定技能外国人の出入国時の送迎に要する交通費等
※ 住宅の賃貸料などの実費を必要な限度において本人に負担させることを妨げるものではありません。
□労災保険に係る保険関係の成立の届出を適切に履行していること
特定技能外国人への労働者災害補償保険の適用を確保するため,特定技能所属機関が労災保険の適用事業所である場合には,労災保険に係る保険関係の成立の届出を適切に履行していることを求められます。
※ 原則として,労働者を1人でも使用している事業場は,法律上,当然に労災保険が適用されることとなります(適用事業所)が,次のいずれかに該当する場合は,暫定任意適用事業所とされ,労災保険が当然に適用されるものではありません。
① 労働者数5人未満の個人経営の農業であって,特定の危険又は有害な作業を主として行う事業以外のもの
② 労働者を常時は使用することなく,かつ,年間使用延労働者数が300人未満の個人経営の林業
③ 労働者数5人未満の個人経営の畜産,養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)の事業
□特定技能雇用契約を確実に履行し得る財政的基盤を有していること
財政的基盤を有しているかについては,特定技能所属機関の事業年度末における欠損金の有無,債務超過の有無等から総合的に判断されることになります。
□支援実施義務の不履行がないこと
特定技能雇用契約締結前の5年以内及び当該契約締結後に当該支援を怠ったことがないこと。□派遣形態による受入れの規定を満たすこと
・特定技能外国人を派遣労働者として受入れをする場合には,派遣元は当該外国人が従事することとなる特定産業分野に関する業務を行っていることなどが求められるほか,出入国在留管理庁長官と当該特定産業分野を所管する関係行政機関の長との協議により適当であると認められた場合に限られます。
・派遣先についても,派遣元である特定技能所属機関と同様に,労働,社会保険及び租税に関する法令の遵守,一定の欠格事由に該当しないことなどを求められます。
・いわゆる人材派遣会社が派遣元として特定技能所属機関となるためには,特定技能所属機関の基準を満たすとともに,特定技能基準省令第2条第1項第9号イ(1)から(4)までに規定する派遣元の基準のいずれかを満たさなければなりません。
・派遣元となる特定技能所属機関及び派遣先は,労働者派遣法等,派遣に関する関係法令の規定を遵守しなければなりません。
また,特定技能所属機関は,労働者派遣法第42条第3項における派遣先からの報告を踏まえて,活動状況に係る届出(法第19条の18第2項第3号)を行わなければなりません。
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