技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)

技術・人文知識・国際業務ビザの更新方法は?必要書類や注意点を解説

技術・人文知識・国際業務ビザでは、在留満了日が近づいた場合、更新手続きが必要です。
更新はいつから申請可能か、どのような書類が必要かを知っておくことが重要です。

本記事では、更新方法や必要書類、更新申請時の注意点などについて詳しく解説します。

技術・人文知識・国際業務ビザの更新は在留期間を満了する3ヶ月前から当日までに行う必要があります。
審査結果は通常、2週間から1ヶ月ほどで出ることが多いです。
転職や職務の変更がない場合は、素行や勤務態度に問題がなければ、満了1ヶ月前の申請でも間に合うことがあります。
 
在留期間満了の当日に更新申請を行う場合でも、特例期間があります。
特例期間とは、満了日までに申請を行えば、満了日から2ヶ月もしくは審査結果が出るまでの間、合法的に在留できる期間のことです。
当日の更新申請も可能ですが、早めに申請を行うに越したことはありません。
 
転職や職務の変更があった場合は、現在の在留資格と合致しているか確認されます。
在留資格の範囲外の仕事と見なされると不許可になる可能性があるため、注意が必要です。

技術・人文知識・国際業務ビザの更新に必要な書類は、カテゴリーによって異なります。

共通の必要書類

まず、カテゴリーに関係なく共通して必要な書類について説明します。

項目内容
在留期間更新許可申請書地方出入国在留管理官署で用紙を受け取ることができます。また、法務省のホームページからも取得可能です。
証明写真縦4cm×横3cmの写真が必要です。申請日の3ヶ月以内に撮影されたもので、正面を向いた無帽、無背景で鮮明なものが必要です。写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書に貼付します。
パスポート及び在留カード申請時に入国管理局窓口で掲示します。パスポートは原本が必要なため、申請人は申請時に日本にいる必要があります。
収入印紙更新が許可された際に、新しい在留カードを受け取るために4,000円の収入印紙が必要です。

※申請人が被派遣者で派遣契約に基づいて就労する場合は、申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料が必要です。
 労働条件通知書や雇用契約書などを用意します。

カテゴリー別必要書類

次に、カテゴリー別必要書類について説明します。

カテゴリー1の書類

カテゴリー1では、以下のいずれかの書類が必要です。

  • 四季報(写し)または日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)。
  • 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)。
  • 高度専門職省令第1条第1項各号の特別加算の対象企業であることを証明する文書(例:補助金交付決定通知書の写し)。
  • 「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例:認定証等の写し)。

カテゴリー2の書類

カテゴリー2では、以下のいずれかの書類が必要です。

  • 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)。
  • 在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)。

カテゴリー3の書類

カテゴリー3では、以下の書類が必要です。

  • 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)。
  • 住民税の課税(または非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)。

初回の更新許可申請の場合には、上記の書類に加えて、以下の書類を提出する必要があります。

  • 申請人の活動内容を明らかにする資料。
    ・労働契約を締結する場合:労働条件を明示する文書。
    ・日本法人の役員に就任する場合:役員報酬を定める定款の写しまたは株主総会の議事録の写し。
    ・外国法人内の日本支店に転勤する場合および会社以外の団体の役員に就任する場合:地位、期間、報酬額を明らかにする所属団体の文書。
  • 登記事項証明書。
  • 事業内容を明らかにする資料。
    ・勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む)等が詳細に記載された案内書。
  • 直近の年度の決算文書の写し(新規事業の場合は事業計画書)。

カテゴリー4の書類

カテゴリー4では、以下の書類が必要です。

  • 住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書(1年間の総所得および納税状況が記載されたもの)。

初回の更新許可申請の場合には、上記の書類に加えて、以下の書類を提出する必要があります。

  • 申請人の活動内容を明らかにする資料のいずれか。
    ・労働契約を締結する場合:労働基準法第15条第1項および同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書。
    ・日本法人の役員に就任する場合:役員報酬を定める定款の写しまたは役員報酬を決議した株主総会の議事録の写し。
    ・外国法人内の日本支店に転勤する場合および会社以外の団体の役員に就任する場合:地位(担当業務)、期間および支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書。
  • 登記事項証明書。
  • 事業内容を明らかにする資料のいずれか。
    ・勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む)等が詳細に記載された案内書。
    ・その他の勤務先等の作成した上記に準ずる文書。
  • 直近の年度の決算文書の写し(新規事業の場合は事業計画書)。
  • 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする資料のいずれか。
    ・源泉徴収の免除を受ける機関の場合:外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料。
    ・上記を除く機関の場合:給与支払事務所等の開設届出書の写し。
    ・直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し)。
    ・納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料。

転職なし&職務変更があった場合

転職なしで職務変更がある場合は、変更後の職務が技術・人文知識・国際業務ビザの活動範囲内であるかを確認します。
活動範囲内でない場合、更新ではなく在留資格の変更が必要になります。
在留資格の変更には「在留資格変更許可申請書」と、変更後の在留資格の活動に応じた書類を提出することで審査を受けることができます。

転職あり&職務変更はなしの場合

転職していても、前職の在留資格の要件が同じである場合、職務変更がなければ在留資格の変更手続きも必要ない場合があります。
しかし、転職前の会社で取得した現在の在留資格と要件が異なる場合は要注意です。
更新時の審査では転職を別の職務だと見なされる可能性があります。

就労資格証明書の取得

転職をしたときは「就労資格証明書」を取得することをおすすめします。
この証明書は、転職先の企業の業務内容が、持っている在留資格の活動範囲内であることを証明するための書類です。
申請者が就労資格証明書交付申請書を地方出入国在留管理官署に提出することで、交付を受けることができます。

就労資格証明書を取得しておくと、更新時の提出書類を減らすことができます。
元の会社を退職していれば、新しい会社へ入社する前でも申請は可能なので、転職時には証明書を申請しておきましょう。
就労資格証明書を取得している場合、更新をする際に企業に関する資料を提出せずに済みます。

逆に、就労資格証明書を取得していないと、共通の更新申請の書類に加えて、企業のカテゴリーに合った書類を提出しなければいけません。

技術・人文知識・国際業務ビザの更新申請は、各地の出入国在留管理局で行います。
  
審査には通常2週間から1ヶ月かかります。
万が一、不許可になった場合でも、改善できる点があれば再申請を行うことができます。
そのため、更新可能になったらすぐに申請することをおススメします。
 
在留資格の更新には、素行や納税、届出義務の履行なども審査の対象となります。
勤務態度に問題があったり、税金の支払いが遅れていたりすると、更新が厳しくなるので注意が必要です。
 
審査が通ると、入国管理局から申請者宛に審査結果のハガキが届きます。
ハガキは新しい在留カードを受け取る際に必要ですので、無くさないようにしましょう。
在留カードの受け取りも、地方出入国在留管理官署の窓口で行います。

技術・人文知識・国際業務ビザの更新は、申請人だけでなく、代理人や取次者も行うことができます。
申請人以外の方が申請を提出する場合、申請を提出できる方であることを確認するために、身分を証する申請取次者証明書や戸籍謄本などの文書が必要になります。

代理人

法定代理人は以下の方です。
代理人は申請人の法定代理人が該当します。

  • 親権者   :申請者が18歳未満の場合、本人に代わって身分上及び財産上の監督保護・教育を行う方。
  • 未成年後見人:申請者が18歳未満で親権者がいない場合や、親権者が管理権を有しない場合に後見となる方。
  • 成年後見人 :申請者が成年被後見人の場合、本人に代わって法律行為を行う方、または本人による法律行為を補助する方。

取次者

取次者は以下の条件を満たす方です。

  • 地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの。
    ・申請人が経営している機関または雇用されている機関の職員。
    ・申請人が研修または教育を受けている機関の職員。
    ・外国人が行う技能、技術または知識を修得する活動の監理を行う団体。
    ・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員。
  • 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けたもの。
  • 申請人本人が16歳未満の場合や疾病その他の事由により自ら出頭できない場合、その親族または同居者、もしくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの。

技術・人文知識・国際業務ビザ更新時の注意点について説明します。

住民税の確認

技人国ビザの更新時には、本人の住民税課税証明書と住民税納税証明書を提出します。
これらの書類は、本人が住む市区町村の役所で発行されます。
 
住民税納税証明書を受け取ったら、未納がないか確認しましょう。

納期未到来未納の場合

納期未到来未納がある場合は問題にならないことが多いです。

納期到来未納の場合

このまま提出してもビザの更新は可能ですが、1年有効のビザになる可能性があります。また、今後の永住申請に不利になることがあります。

住民税の未納があった場合、会社に相談してすぐに住民税を支払ってもらうことで、再度住民税納税証明書を取得し、新しい証明書(未納0円のもの)を提出することができます。
これにより、技人国ビザの更新や永住申請に影響を与えずに済みます。

在職証明書の取り扱い

技人国ビザの更新時には、会社から在職証明書を発行してもらうことがありますが、在職証明書は提出不要です。
転職している場合は、在職証明書ではなく、雇用契約書または労働条件通知書を提出する必要があります。
在職証明書に記載された入社日や職務内容が他の申請書類と異なる場合、追加の説明を求められることがあります。

本記事では、技術・人文知識・国際業務ビザの更新方法や必要書類、更新申請時の注意点などについてご紹介しました。
書類は発行日から3ヶ月以内のものを提出する必要がありますので、計画を立ててスムーズに申請作業を行うことが大切です。

多くの場合、仕事をしながら申請手続きを行うため、書類の不備や提出忘れが起きることがあります。
審査には時間がかかるため、不安な場合は専門家の力を借りることも考えられます。

サポート行政書士法人では、技術・人文知識・国際業務ビザの新規申請や更新、変更に関するサポートをしています。
技術・人文知識・国際業務ビザの申請や更新を検討している方や、外国人を雇用している事業者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。