違法な民泊は民泊仲介サイトへの掲載ができなくなります
「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について」(平成29年12月26日付国土交通省観光庁次長通知)により、旅館業法に基づく許可、国家戦略特区制度(特区民泊)に基づく認可、住宅宿泊事業法に基づく届出が確認できない物件は、民泊仲介サイトに掲載ができなくなる見込みです。
《参考》違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について(通知)
http://www.mlit.go.jp/common/001215823.pdf
具体的には、民泊仲介サイト上で許可番号や届出番号の掲載が必須になります。それらの番号がない物件は、住宅宿泊事業法の施行日(平成30年6月15日)までに削除または非表示にするよう、観光庁は民泊仲介サイトの運営事業者に通知しています。
実際、Airbnbは「住宅宿泊事業法の施行に向け、同法に従い観光庁へ登録し、法令遵守のために必要な対応を随時実施して参ります」と発表しています。
《参考》住宅宿泊事業法の施行に向けたAirbnbの取り組みについて
住宅宿泊事業者としては、関係法令の遵守を求める利用規約への同意が必要な他、法令順守に向けた手続きが求められそうです。
民泊仲介サイト運営事業者としては、対応が必要な事項は以下の通りです。
①既掲載物件の適法性の確認【住宅宿泊事業法の施行日(平成30年6月15日)まで】
既掲載物件について以下の確認方法により、適法性の確認を行い、適法であることを確認できない物件については、法の施行日までに当該サイトから削除または非表示にすることが求められます。
○旅館業法に基づく許可物件の場合
以下の項目について、営業者からの申告に基づき確認 ・保健所等から通知される許可番号 ・施設の所在地 保健所等により許可番号が通知されていない場合には、許可番号に代えて 以下の項目について確認
・営業者名
・許可を受けた年月日
・許可を受けた保健所
○イベント民泊の場合
以下の項目について、自宅提供者からの申告に基づき確認 ・自治体が発行する要請状
○国家戦略特区制度に基づく認定物件の場合
以下の項目について、認定事業者からの申告に基づき確認
・施設の名称
・施設の所在地
ただし、平成 30 年3月15日以降に住宅宿泊事業法の届出が行われ、仮の届出番号を確認できた場合には、平成30年6月15日以降に 当該物件が合法となる旨を明示した上で、 同日前においても民泊仲介サイトへの掲載が可能になります。
②①で実際行った措置を観光庁へ報告【住宅宿泊仲介業の登録申請日まで】
既掲載物件の適法性の確認のために講じた措置について、観光庁観光産業課長宛て報告が必要です。
<報告内容>
・民泊事業者への周知日
・周知方法(民泊事業者へ周知したメールや書面等の写しを添付)
・周知の内容 ・適法物件であることの確認方法
・講じた措置の内容に応じない民泊事業者への対応
・今後新規に民泊仲介サイトへ掲載する民泊事業者への措置の内容
なお、この報告で適切な対応措置が講じられていないと認められる場合には、住宅宿泊事業法第 49 条第1項第6号に規定する「不法な行為等をするおそれがあると認められる者」に該当すると判断され住宅宿泊仲介業の登録ができない可能性がありますので、注意してください。
③営業日数について観光庁への定期報告【住宅宿泊仲介業の登録後年2回】
住宅宿泊事業者の人を宿泊させた日数が180日を超過していないか、又は条例で制限がある場合においては、当該条例で禁止されている期間に営業が行われていないかについて、観光庁観光産業課長宛てに下記の報告が必要です。
<報告内容>
・住宅宿泊事業者の商号、名称又は氏名
・届出住宅の住所及び届出番号
・届出住宅において人を宿泊させた日数
<報告時期> 毎年4月、10 月の 15 日までに、それぞれの月の前6ヶ月分(初回の報告分については平成30年6月15 日以降の分)
この報告によって、違法な物件が民泊仲介サイトに掲載されていた場合、観光庁から指摘を受け、削除等の対応を求められることがありますので、注意が必要です。
このように民泊仲介サイトの運営事業者には、今後厳しい法令順守が求められますので、住宅宿泊事業法の施行日や住宅宿泊仲介業の登録申請日を見据え早期に対策を打つ必要がありそうです。
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サポート行政書士法人では、住宅宿泊事業法に基づく民泊の申請サポートやコンサルティングをしています。
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・民泊仲介サイトへ掲載するため、届出をしたい住宅が多数あるが、手が回らないので外注したい
・運営している民泊仲介サイトについて、法令順守の視点からアドバイスがほしい
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