酒類販売業免許取得

酒類販売業免許とは?お酒の販売に必要な免許について解説!

更新日:2024年7月5日


お酒(アルコール)は、誰もが自由に販売できる商品ではありません。
酒類を継続的に販売するためには、酒類販売の免許を取得しなければならないのです。
この酒類販売業免許は、販売する場所ごとにその所在地の所轄税務署から取得する必要があります。
もしもこの定めに違反して、酒類販売業免許を持たずに酒類の販売を行なった場合、法律(酒税法)に基づいて罰せられますのでご注意下さい。

なお、レストラン等の料理店・飲食店、旅館・ホテル等が酒類を提供する場合には免許は要しません。
ただしこれらは、それぞれ事業に応じて飲食店営業の許可等を取得する事が求められています。
酒類販売免許もいくつかの種類・区分・要件があり、販売方法や業態等に応じた免許を取得する必要があります。

酒類販売業免許の区分

酒類販売業免許は、販売先や販売方法によって区分されます。
大きく分けると、酒類小売業免許酒類卸売業免許の二種類に大別されます。

それぞれ対象となる事業や特徴が異なるため、酒類の販売業を始めたい場合は違いをしっかり押さえておきましょう。

酒類小売業免許とは

酒類小売業免許では、一般消費者や料理店、菓子製造業者に対して酒類を継続的に販売することができます。

  • コンビニ・スーパーでお酒を取り扱いたい。
  • 地元で有名なお酒を店舗で販売したい。
  • 家電量販店の中にお酒コーナーを作りたい。

上記のような、一般消費者に向けてお酒を販売するには、販売場所毎に「酒類小売業免許」を取得する必要があります。

以下で種類ごとに説明します。

酒類小売業免許の種類

⑴一般酒類小売業免許

一般酒類小売業免許では、販売場において、原則としてすべての品目の酒類を販売することができます。
 
ただし、「酒類の販売方法は通信販売を除く小売に限る」との記載があり、2つ以上の都道府県にまたがる広域な販売を行う場合には通信販売酒類小売業免許が必要です。

小売の対象は、酒販免許を持たない個人や法人です。
逆に、酒販免許を持つ相手に販売する場合は卸売業免許が必要となります。

一般酒類小売業免許は、コンビニやスーパーでの店頭販売に多く利用されますが、必ずしも店舗での陳列販売を要しません。
例えば、飲食店向けの業務用卸売を行う会社がこの免許を取得し、事務所で注文を受けて倉庫から飲食店に配達する場合も含まれます。

⑵通信販売酒類小売業免許

インターネットやカタログを通じて、2つ以上の都道府県の消費者に酒類を販売するための免許です。
販売方法には郵便、電話、FAX、メール、インターネットなどの通信手段が含まれます。

通信販売酒類小売業免許で販売できる酒類には制限があります。
輸入酒類は制限がないものの、国産酒類については以下の条件を満たす必要があります。

①カタログ等の発行年度の前年度における位置課税移出数量が3,000キロリットル未満の製造者が製造した国産の酒類
②地方特産品を原料にして特定製造者以外が製造し、年度ごとの製造委託数量が3,000キロリットル未満の酒類

なお、大手メーカーの国産酒類は、この免許では通信販売ができません。

⑶特殊酒類小売業免許

特定の条件や状況に応じて酒類を販売するための免許です。
例えば、自社の役員や従業員に対して酒類を小売する場合や、特別なイベントやプロモーションで酒類を販売する場合に取得することができます。

⑷期限付酒類小売業免許

酒類販売業免許は特定の場所に対して発行されますが、博覧会やイベント会場など一時的に販売場所を設ける場合、期限付酒類小売業免許を申請することで、特定の場所以外でも期間限定で販売が可能です。

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酒類卸売業免許とは

酒類販売業者または酒類製造業者に対して、酒類を継続的に販売することができます。

  • 日本のお酒を海外へ輸出したい。
  • 海外のお酒を輸入して、業者へ販売したい。
  • お酒の卸売りをしたい。 

上記のような場合、「酒類卸売業免許」を取得する必要があります。

以下で種類ごとに説明します。

酒類卸売業免許の種類

⑴全酒類卸売業免許

原則として、全ての種類の酒類を卸売できる酒類卸売業免許です。
 
販売地域ごとに免許可能件数の上限が定められており、毎年9月1日に免許可能件数が発表されます。
もし免許申請者数が免許可能件数の上限を超えた場合には、抽選で審査順位が決まります。

⑵ビール卸売業免許

ビールを卸売するための免許です。

こちらも販売地域ごとに免許可能件数があり、毎年9月1日に免許可能件数が発表されます。
免許可能件数を超える申請があった場合には、抽選で審査順位が決まります。

⑶洋酒卸売業免許

果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、発泡酒、その他の醸造酒、スピリッツ、リキュール、粉末酒、雑酒のいずれかの酒類を卸売するための免許です。
免許があれば、輸入酒も国産酒も卸売が可能です。

⑷輸出入酒類卸売業免許

自己が輸入する酒類、または自己が輸出する酒類を卸売するための免許です。
他社が輸入した酒類を卸売することはできません。

他社が輸入した酒類の卸売を行う際には、該当する他の酒類卸売業免許が必要となります。

⑸店頭販売酒類卸売業免許

自己の会員である酒類販売業者に対して、店頭で直接酒類を引き渡し、その場で持ち帰ってもらう方法で卸売を行うための免許です。

⑹協同組合員間酒類卸売業免許

自己が加入する事業協同組合(中小企業等協同組合法に基づき設立された事業協同組合)に属する組合員である酒類小売業者に対して酒類を卸売するための免許です。

⑺自己商標卸売業免許

自らが開発した商標または銘柄の酒類を卸売するための免許です。
これは、酒類製造者に委託して製造してもらったプライベートブランドの酒類を卸売する際に必要です。

⑻特殊酒類卸売業免許

特殊な条件や状況に応じて酒類を卸売するための免許です。
例えば、酒類製造者の本支店や出張所に対して卸売を行う場合や、企業合同に伴う卸売、共同販売機関に対する卸売などが該当します。

その他、以下のような免許があります。

酒類販売代理業免許

酒類製造者または酒類販売業者の酒類販売に関する取引を継続的に代理する事(営利を目的とするかどうかは問いません)を認められる免許です。

酒類販売媒介業免許

他人間の酒類売買取引を継続的に仲介することが認められる免許です。
ここで言う仲介とは、取引の相手方の照会、意思の伝達、取引内容の交渉など、取引を成立させるための補助行為を指し、営利を目的とするかどうかは問われません。
 
この免許は、コールセンターなどが取得することが多いです。

酒類の販売は免許制度となっており、酒類販売事業を行うためには酒類販売業免許の取得が必要です。

弊社では、新規で酒類販売業免許を取得される方のスタートアップや、すでに酒類販売業免許をお持ちの方に対する条件緩和・他の許認可の取得まで見据えたコンサルティングを行っております。
日々、事業者の皆様の代理人として行政庁への申請や折衝を行っている行政書士だからこそ蓄積できるノウハウ・実績を元に、酒類販売業免許に関する法務サービスをご提供します。

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