警備業認定

警備業とは?資格の認定基準、業者の義務、違反事例を改正を踏まえて解説

更新日:2024年6月24日


警備業は、社会の安全と秩序を守る大切な役割を果たしています。
その分、警備業の登録までには様々な要件をクリアしなければなりません。

この記事では、新たに警備業界に参入を考えている方や、既に事業を開始しているものの手続きや法令遵守に不安を抱える方のために、警備業の基本から行政手続き、法令上守るべき義務まで、行政手続きの専門家の視点からご紹介します。

各種手続きのルールを理解・遵守することで、法的トラブルを避けることができ、安定した事業運営が可能となります。

主任コンサルタント 渡辺 敬子

警備業とは?
警備業認定の基準
警備業認定の申請一覧
警備業者の4つの主な義務・制限
警備業法の違反事例
警備業認定の手続をサポート

「警備業」は、目的によって以下の4つの種類いずれかに該当することが条件になります。

1号警備(1号業務) ○施設警備
ビル・一般住宅
2号警備(2号業務)

○交通誘導
工事現場、多くの車両の通行がある場所での誘導

○雑踏警備
イベント、祭り、催し物、大勢の人出やの出入りがある場所での誘導

3号警備(3号業務) ○運搬警備
現金、貴重品、宝石、美術品、核燃料などの運搬警備
4号警備(4号業務)

○身辺警備
ボディーガード

以上のカテゴリーいずれかに該当し、管轄の警察署から警備会社として認定を受けた上で、個人や団体など、警備を受けたい顧客と契約を交わして、生命や財産の安全を守り、事故や事件を防ぐ仕事です。
 
「契約を交わして」ということがポイントになりますので、自社の社員が自社ビルの巡回をすることや、町内パトロールのボランティアなどは、「警備業」とはみなされません。

「管轄の警察署」はどこを指す?

申請先=「主たる営業所の所在する管轄する警察署」(都内の場合は「生活安全課」)へ届け出る事が必要です。
この「主たる営業所」は、「本社」とは限りません。

「主たる営業所」とは、実際にその業務を行う営業所のことを意味します。
本店、および複数の営業所がある会社で、ある1営業所でのみ警備業を行う場合には、その営業所の管轄の警察署に届け出る必要があります。

また、実際に営業所があるのはA区、しかし実際に警備をするのはB区、といった形で営業所と業務地が異なる場合も、申請を出すのはあくまでも「営業所がどこにあるか」ということがポイントになります。(この場合はA区)

センサーや感知器などによる機械警備は警備業に該当する?

「機械警備業」について 遊園地内や工事現場内などの、警備対象になる範囲外に基地局を設置しており、警備するものと警備用のコンピュータ、装置などを回線でつなぎ、センサーの作動によって盗難の防止・警戒に当たる業務を「機械警備業務」といいます。

「機械警備業」は警備業の中でも分野が異なりますので、申請のための書類が異なります。

警備業の認定を受けるには、警備業法第3条に記載される要件を満たす必要があります。

第1号 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
第2号 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
第3号 最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者
第4号 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
第5号 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (平成三年法律第七十七号)第十二条 若しくは第十二条の六 の規定による命令又は同法第十二条の四第二項 の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの
第6号 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
第7号 心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
第8号 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が警備業者の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第十号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
第9号 営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
第10号 法人でその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに第1号から第7号までのいずれかに該当する者があるもの
第11号 第四号に該当する者が出資、融資、取引その他の関係を通じてその事業活動に支配的な影響力を有する者

 

特に注意が必要なのは「第9号」

警備業法第3条第9号は、警備員指導教育責任者として選任しようとする者を、当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに具体的に決めていない場合や、選任しようとする者が当該営業所に勤務することが到底期待できない場合等のことを指しています。
 
警備員指導教育責任者とは、公安委員会の交付する警備員指導教育責任者資格者証の交付を受け、警備業務に関する専門的知識、及び技能を有する者で、警備業務を適正に行うために、警備員に対する指導、教育を行う重要な役割を担う者をいいます。

平成17年11月21日施行された改正警備業法では、営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに当該警備員指導教育責任者を選任し、指導、教育、監督に当たらせることが義務づけられています。

新規認定

新規に認定を受ける場合の申請。申請してから約40日の審査期間を経て認定を受けることができます。有効期間は5年間です。主たる営業所の所在地を管轄する警察署へ申請を行います。

更新認定

警備業認定の有効期間である5年間を経過した後も継続して警備業認定を受ける場合の更新申請。有効期間の満了の日の30日前までに更新の申請を行わなければなりません。

営業所設置等届出

主たる営業所の所在する都道府県以外の都道府県の区域内に営業所を設ける場合や当該区域内で警備業務を行おうとするときは、当該都道府県の区域を管轄する公安委員会に、営業所設置等届出を行います。

機械警備業務開始届出

機械警備業務に係る基地局を設置する場合は、基地局の所在地を管轄する警察署に、基地局を設置しない場合は警備業務対象施設の所在地を管轄する警察署に届け出ます。

機械警備業務に係る変更

開始届を提出した後その内容に変更があった場合は、変更届を提出します。

・基地局を新設した場合

・業務管理者を選任した場合

・待機所の新設、廃止をした場合

・対象施設の所在する市区町村名の追加

営業所等に係る変更

営業所の所在地や役員、教育責任者などに変更があった場合に届出を行います。

服装・護身用具の変更

服装・護身用具の追加・変更、標章の追加・変更があった場合の届出を行います。

 

警備業の変更届が必要なケース

下記の条件にあたる場合は、変更届の提出が必要になります。

営業所等にかかわる変更

  • 営業所の名称、所在地
  • 営業所の新設又は廃止
  • 代表者の氏名、住所
  • 役員の就任・辞任
  • 役員の氏名、住所
  • 個人の場合、代表者の氏名又は住所
  • 教育責任者の選任、氏名又は住所

服装・護身用具の変更

  • 護身用具の追加、変更、廃止
  • 標章の追加、変更
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警備業界に新規参入する場合、まず押さえておくべき重要な義務・制限があります。
違反すれば、罰則などの対象になることもあるため、必ずおさえておきましょう。
この項目では、主な4つの義務について詳細に解説します。

➀顧客への書面交付は「2回」必要
②法定書類の備え付け
③警備員指導教育責任者の選任・配置
④特定種別の警備業務における検定に合格した警備員の配置

➀顧客への書面交付は「2回」必要

警備業者は、警備業務の依頼を受けた顧客との間で、警備業に係る契約を交わすのに際に、顧客に対して「契約締結前」及び「契約締結時」の2回、書面を交付することが義務付けられています。  
いかなる理由がある場合でも、2回(契約締結前・締結時)の書面等の交付を行わなければなりません。

書面の内容

「契約締結前」及び「契約締結時」にそれぞれ交付する書面等は、各警備業務区分ごとに則した書面となります。
請け負う警備業務ごとに契約内容が異なってくることから、各項目を網羅した内容を記載してあり、警備業務の依頼者が理解して納得できれば、どのような様式を用いても構わないとされています。

警備業法第2条第1項第1号の警備業務(事務所、住宅、興業場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務)で機械警備業務を除く場合は以下の項目が記載されている必要があります。

記載事項 契約締結前交付書面 契約締結時交付書面
警備業者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあっては代表者の氏名
警備業務を行う日及び時間帯
警備業務対象施設の名称及び所在地
警備業務に従事させる警備員の人数及び担当業務
警備業務に従事させる警備員が有する知識及び技能
警備員の服装
警備業務を実施するために使用する機器又は各種資機材
警備業務対象施設の鍵の管理に関する事項
警備業務対象施設における盗難等の事故発生時の措置
報告の方法、頻度及び時期その他の警備業務の依頼者への報告に関する事項
警備業務の対価その他の当該警備業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額
上欄の金銭の支払の時期及び方法
警備業務を行う期間
警備業務の再委託に関する事項
免責に関する事項
損害賠償の範囲、損害賠償額その他の損害賠償に関する事項
契約の変更及び更新に関する事項
契約の解除に関する事項
警備業務に係る苦情を受け付けるための窓口
これらのほか特約があるときは、その内容
契約の締結年月日

 

書面の交付方法

書面を警備業務の依頼者に交付する場合は、下記のどちらかの方法で、交付しなければいけません。

・当該書面を十分に読むべき旨を告げて交付する方法
・その他の警備業務の依頼者が確実に当該書面の記載内容を知らせる

警備業者は、書面の交付に代えて、書面に記載すべき事項を提供することができる情報通信の技術を利用する方法を用いることができ、その方法は次のとおりです。

ア 電子情報処理組織を使用する方法のうち次に掲げるもの
 ・電子メールを利用する方法
 ・ウェブサイトを利用する方法
イ 磁気ディスク等を交付する方法

なお、これらの方法は、当該警備業務の依頼者がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものでなければなりません。

警備業者が、あらかじめ、警備業務の依頼者に対し、次の情報通信の技術を利用する方法の種類及び内容を示すこととします。

ア  警備業者が使用する技術
イ  ファイルへの記録の方式

②法定書類の備え付け

警備業者には、警備業法施行規則第66条に定められた書類を備え付けなければなりません。 この法定備付書類は以下となります。

第1項

三年以内に撮影した無帽、正面、上三分身の縦の長さ三センチメートル、横の長さ二・四センチメートルの写真(無背景のものに限る。)をはり付けた警備員の名簿

第2項

警備員ごとに、警備業法第14条第1項 に規定する者に該当しないことを誓約する書面の提出を受けた旨その他同項 に規定する者に該当しないことを確認するために講じた措置を記載した書類(当該提出を受けた書面の添付があるものに限る。)

第3項

護身用具の種類ごとの数量を記載した書面

第4項

警備員に対する指導に関する計画を記載した指導計画書

第5項

教育期ごとに、警備員教育に係る実施時期、内容、方法、時間数、実施者の氏名及び対象とする警備員の範囲に関する計画を記載した教育計画書

第6項

教育期ごとに、警備員教育に係る実施年月日、内容、方法、時間数、実施場所、実施者の氏名及び対象となつた警備員の氏名を記録し、指導教育責任者及び実施者がこれらの事項について誤りがないことを確認する旨を付記した書類

第7項

警備業務に関する契約ごとに、次に掲げる事項を記載した書類

第8項

警備業務についての依頼者等からの苦情に関し、苦情を申し出た者の氏名及び連絡先、苦情の内容、原因究明の結果、苦情に対する弁明の内容、改善措置並びに苦情処理を担当した者の氏名を記載した書類

 

2024年4月1日付けで、書面掲示規制が見直され以下のような改正が行われました。
 
ア 公安委員会が交付する認定証を廃止
イ 警備業者が、認定を受けたことを示す内閣府令で定める様式の標識について、インターネットにより閲覧可能とすることを義務化

こうした最新の法改正も定期的にチェックし、業務に反映させていく必要があります。

出典:https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2567b640-d579-488c-a512-57f51e70ed3f/ab3f07dc/20230307_laws_law_digital-extraordinary-administrative_outline_01.pdf

③警備員指導教育責任者の選任・配置

警備業者は、「営業所ごと」及び「取り扱う警備業務の区分ごと」に警備員指導教育責任者を選任することが義務付けられています。
 
営業所で取り扱う警備業務の区分が複数ある場合、各区分の警備員指導教育責任者資格を取得している必要があります。(同じ営業所内での各区分の兼務は可能です。)

④特定種別の警備業務における検定に合格した警備員の配置

社会の安全上重要な特定種別の警備業務

警備業法法2条1項にて区分される警備業務区分において、警備業務の実施に専門的知識及び能力を要し、かつ、事故が発生した場合に不特定多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれがある社会の安全上重要な特定種別の警備業務として以下の種別が設定されています。

空港保安警備業務

法規定の警備業務のうち、空港整備法2条1項に規定する空港その他の飛行場において航空機の強取等の事故の発生を警戒し、防止する業務(航空機に持ち込まれる物件の検査に係るものに限る)

施設警備業務

法規定の警備業務(機械警備業務・空港保安警備業務を除く)のうち、警備業務対象施設の破壊等の事故の発生を警戒し、防止する業務

雑踏警備業務

法規定の警備業務のうち、人の雑踏する場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務(雑踏の整理に係るものに限る)

交通誘導警備業務

法規定の警備業務のうち、工事現場その他人又は車両の通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務(交通の誘導に係るものに限る)

核燃料物質等危険物運搬警備業務

法規定の警備業務のうち、運搬中の核燃料物質等危険物(原子力基本法3条2号に規定する核燃料物質及びこれによって汚染された物その他の引火・爆発・空気中への飛散・周辺地域への流出により人の生命、身体又は財産に対する危険が生ずるおそれがある物質(生物を含む))に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務

貴重品運搬警備業務

法規定の警備業務のうち、運搬中の現金、貴金属、有価証券等の貴重品に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務

 

検定に合格した警備員の配置基準

特定種別の警備業務を行う場合は、検定に合格した警備員の配置が義務付けられます。
警備業者は、検定合格警備員に実施させなければならない警備業務を行うときは、当該警備業務に従事する検定合格警備員に、当該合格証明書を携帯させ、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示させなければなりません。

空港保安警備業務

空港保安警備業務を行う場所ごとに空港保安警備業務に係る1級の検定合格警備員を1人配置すること。

 

エックス線透視装置が設置されている場合、空港保安警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上配置すること(空港保安警備業務を行う場所ごとに配置される空港保安警備業務に係る1級の検定合格警備員を除く)。

施設警備業務

防護対象特定核燃料物質を取り扱うものに係る施設警備業務を行う場合、当該施設警備業務を行う敷地ごとに施設警備業務に係る1級の検定合格警備員を1人配置すること。

 

一の防護対象特定核燃料物質取扱施設ごとに施設警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上配置すること(当該施設警備業務を行う敷地ごとに配置される施設警備業務に係る1級の検定合格警備員を除く)。

 

空港に係る施設警備業務を行う場合、当該施設警備業務を行う空港ごとに施設警備業務に係る1級の検定合格警備員を1人配置すること。

 

当該空港の敷地内の旅客ターミナル施設又は当該施設以外の当該空港の部分ごとに施設警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上配置すること(当該施設警備業務を行う空港ごとに配置される施設警備業務に係る1級の検定合格警備員を除く)。

雑踏警備業務

なし

交通誘導警備業務

高速自動車国道、自動車専用道路において交通誘導警備業務を行う場合、当該交通誘導警備業務を行う場所ごとに交通誘導警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上配置すること。

 

上記のほか、道路又は交通の状況により、都道府県公安委員会が道路における危険を防止するため必要と認められる場合、当該交通誘導警備業務を行う場所ごとに交通誘導警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上配置すること。

核燃料物質等危険物運搬警備業務

核燃料物質等危険物運搬警備業務を行う場合、防護対象特定核燃料物質を運搬する車両又は伴送車その他の運搬に同行する車両のいずれかに核燃料物質等危険物運搬警備業務に係る1級の検定合格警備員を1人乗車させること。

 

防護対象特定核燃料物質運搬車両ごとに、核燃料物質等危険物運搬警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上乗車させること(前記により核燃料物質等危険物運搬警備業務に係る1級の検定合格警備員が乗車する車両を除く)。

貴重品運搬警備業務

現金を運搬する車両ごとに、貴重品運搬警備業務に係る1級又は2級の検定合格警備員を1人以上乗車させること。

 

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警備業界に新規参入する事業者にとって、警備業法の遵守は当然ながら非常に重要です。
しかし、具体的にどのような行為が法に違反するのかを理解していないと、意図せず法を犯してしまうリスクがあります。

以下では、警備業法の代表的な違反事例を紹介し、新規参入者が法令遵守のために避けるべき事項について具体的に解説します。

行政処分事例

行政処分事例として、以下のようなものがあります。

【事例①】

<処分内容>

営業停止

<処分理由>

公安委員会が検定合格警備員の配置を定めた路線において、交通誘導警備業務1級又は2級の合格証明書の交付を受けている警備員を配置せず、交通誘導警備業務を行った。

【事例②】

<処分内容>

県内における警備業務に係る営業の停止命令(3月間)

<処分理由>

主たる営業における指導教育責任者が欠けるに至ったにもかかわらず、

これに代わる指導教育責任者を専任せず、また、新たに警備業務に従事させようとする警備員に対し必要な教育を懈怠した。

【事例③】

<処分内容>

指示

<処分理由>

変更届出義務違反

(営業所における警備業務の取扱区分及び選任指導教育責任者に関する事項の届出事項)

 
上記のような行政指導がないように、専門家のチェックを入れることが大切です。

警備業における行政処分について

警備業者は、警備業法違反等により、公安委員会から、「認定の取消し」「指示」「営業の停止命令」「営業の廃止命令」の行政処分が行われることがあります。

行政処分が行われた場合は、処分が行われた日から3年間、行政処分の公表がされます。
 
第三者からの報告で公安委員会が立ち入り調査を行うこともあり、そこで不正が認められた場合、「始末書」「指示処分」が課せられることもあります。
 
違反例としてよく見られるのが、無資格者による警備業務の実施、行政への報告義務を怠ることなどです。
これらの違反事例を回避するには、法令遵守を徹底し、常に最新の法規制に対応した社内体制を整備する必要があります。

よくある違反の原因

会社側の業務負荷が大きい

警備業務には労働基準法や労働安全衛生法、警備業法など複数の法令が関わります。
これらを遵守するために必要な業務は、警備員の配置計画や労働時間管理、定期的な教育や研修の実施など、多岐にわたります。

しかし、準備と実行には多くのリソースが必要であり、業務負荷が大きくなります。
たとえば、教育プログラムの策定や従業員への周知徹底、法令違反を防ぐためのモニタリングなど、細やかな対応が求められます。
 
これに対処するための一つの方法として、業務管理システムの導入や専門の管理者の配置があります。
これにより、業務の効率化と標準化が促進され、法令遵守も容易になります。

警備員の管理が行き届いていない

警備員一人一人の業務状況やコンプライアンス状況を詳細に管理するのは容易ではありません。
現場での連絡ミスや疎通不足に違反の種が隠れていることもあります。
特に、警備員が現場で行う具体的な業務が把握できていない場合や、適切な研修が不足している場合、警備業法違反に繋がるリスクが高まります。

こうしたリスクを回避するために、定期的な監査や評価を通じて警備員の業務状況を常に把握することが重要です。
警備員自身にも法令遵守の意識を高めるための教育や研修を行うことが不可欠です。
リアルタイムでの情報共有システムを導入したり、定期的なミーティングを実施したりすることで、警備員の管理がより行き届くようになります。

サポート行政書士法人では、新規で警備業界へ参入される方から、既存の警備業の皆さまに対して、警備業法に関する申請サポートやコンサルティングを行っております。
 
警備業法の申請は専門性が高く、対応している行政書士が少ない分野の一つと言えます。
弊社では、企業の皆様の代理人として行政庁への申請や折衝を日々行っている行政書士だからこそ蓄積できるノウハウ・実績を元に、警備業に関する法務サービスをご提供しています。
 
全国の都道府県で申請実績があります。ぜひご相談ください。

主任コンサルタント
渡辺 敬子

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