その他の広告規制
特定電子メール法
特定電子メール法は、正式には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」と言い、電子メールによる一方的な広告宣伝メールを送りつける「迷惑メール」の問題に対応するため、平成14年7月に施行されました。
利用者の同意を得ずに広告、宣伝又は勧誘等を目的とした電子メールを送信する際の規定を定めています。
特定電子メールとは
電子メールの送信をする者が自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メールのことです。特定電子メールを送信できる対象
下記のものに対しては、特定電子メールを送信することができます。
・あらかじめ、特定電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨
を通知した者
・総務省令で定めるところにより自己の電子メールアドレスを送信者又は送信委託者に対し
通知した者
・当該特定電子メールを手段とする広告又は宣伝に係る営業を営む者と取引関係にある者
・総務省令で定めるところにより自己の電子メールアドレスを公表している団体又は個人
(個人にあっては、営業を営む者に限る。)表示義務
特定電子メールの送信に当たっては、下記事項の表示が義務付けられています。① 送信者の氏名又は名称
② 特定電子メールの送信をしないように求める旨の通知を受けるための電子メールアドレス
違反した場合
総務大臣及び内閣総理大臣により、適合や改善の命令が出されます。
送信者情報を偽って送信した場合や、命令に従わない場合、下記処分を受けます。
・1年以下の懲役または100万円以下の罰金
※法人の場合は、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
消費者契約法
消費者契約法は、事業者との間に情報の質及び量並びに交渉力の格差がある消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するために、平成13年4月に施行されました。対象
消費者が事業者と締結した契約(=消費者契約)であれば、あらゆる契約が対象となります。
契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し
事業者が下記の行為をしたことにより、消費者が誤認した場合は、後から契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができます。・重要事項について、事実と異なることを告げた場合。
・契約の目的となるものに関し、将来における変動が不確実な事項について、確実であると
告げた場合。
・不退去、退去妨害、不安をあおる告知、好意の感情の不当な利用、判断力の低下の不当な利用、
霊感等の特別な能力による知見を用いた告知、契約締結前に債務の内容を実施したことにより
消費者が困惑し、申込み又は承諾の意思表示をした場合。
・契約の目的となるものの通常の分量、回数又は期間を著しく超えることを知りながら勧誘した場合。
無効となる消費者契約の条項
事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とする
・事業者の責任を全部免除する、又は責任の有無を決定する権限を付与する条項
・消費者の解除権を放棄させ、又はその解除権の有無を決定する権限を事業者に付与する条項
・成年後見制度を利用すると契約が解除されてしまう条項
・平均的な損害額を超えるキャンセル料条項
・消費者の利益を一方的に害する条項
差止請求(消費者団体訴訟制度)
消費者の被害の発生又は拡大を防止するため、適格消費者団体が、事業者の不当な行為に対し差止請求をすることができます。