入札のコリンズ登録・テクリス登録とは?
更新日:2024年6月12日
入札参加資格申請への要件として、対象になる工事・業務の情報を「コリンズ」「テクリス」 に登録することを条件としている自治体が増加しています。
この記事では、コリンズ登録とテクリス登録、そして両者の違いについて、入札・建設業の許認可手続きの専門家の観点から詳しく掘り下げていきます。
また、その他の登録方式として、コブリス登録やパブディス登録についても解説しています。
建設業者の皆さんにとって価値ある情報になっているので、ぜひ最後までご覧ください!
◆もくじ◆
コリンズ登録とは?
コリンズ登録とは、公共機関や公益民間企業(電気・水道などインフラ事業の企業)が発注した工事に関して、受注した企業が工事内容をコリンズ・テクリスセンターに登録して、コリンズ・テクリスセンターにてデータベース化したものを発注機関および受注企業へ情報提供する制度をいいます。
公共工事の発注先選定には、工事の地域性、特殊性、建設会社の技術力などを総合的に評価する必要があるため、公平な評価により適切な企業を選定し、入札・契約手続の透明性、公平性、競争性を向上させるために設けられたシステムです。
最近では、入札参加資格として、コリンズに登録していることを条件にして いる発注機関が増えています。
現在では、発注機関の多くが工事契約の際に、受注した建設会社に対して、工事実績データをコリンズへ登録することを仕様書等の契約図書に記載して義務付けています。
登録対象工事等
1契約あたりの請負金額が、500万円(税込み)以上の工事を登録することができます。
登録は工事の元請企業が行うことになっています。
登録の種類
受注登録 | 工事を受注した時に行う登録です。 |
変更登録 | 受注した工事に工期・配置技術者・請負金額等に変更があった場合に行う登録です。 |
竣工登録 | 工事が竣工した時に行う登録です。完成工事実績として評価されることになります。 |
登録義務工事と任意工事
登録義務工事 | 発注機関から登録を義務付けられた工事で、共通仕様書等の指示に従って登録します。 |
任意登録工事 | 発注機関からは登録が義務付けられていない工事で、受注者の判断で登録するものです。 |
テクリス登録とは?
テクリス登録とは、公共機関や公益民間企業(電気・水道などインフラ事業の企業)が発注した調査設計業務、地質調査業務、測量業務、補償コンサルタント業務を、受注した企業がコリンズ・テクリスセンターに登録し、コリンズ・テクリスセンターがデータベース化したものを発注機関および受注企業へ情報提供しているシステムをいいます。
公共業務の発注先選定には業務の地域性、特殊性、企業の技術力などを総合的に評価する必要があるため、公平な評価により適切な企業を選定し、各業務の入札・契約手続の透明性、競争性を向上させるために活用されています。
入札参加資格として、テクリスに登録していることを条件にしている発注機関も増えています。
現在では、発注機関の多くが業務契約の際、受注した企業に対して、業務実績データをテクリスへ登録することを仕様書等の契約図書に記載して義務付けています。
対象工事等
1契約あたりの請負金額が、100万円(税込み)以上の業務を登録することができますが、建築関係業務は対象外になります。
業務の元請企業がテクリス登録をすることができます。
登録の種類
契約登録 業務を受注した時に行う登録です。
変更登録 受注した業務に工期・配置技術者・請負金額等に変更があった場合に行う登録です。
竣工登録 業務が完了した時に行う登録です。
完成業務実績として評価されることになります。
契約登録 | 業務を受注した時に行う登録です。 |
変更登録 | 受注した業務に工期・配置技術者・請負金額等に変更があった場合に行う登録です。 |
竣工登録 | 業務が完了した時に行う登録です。完成業務実績として評価されることになります。 |
登録義務業務と任意業務
登録義務業務 | 発注機関から登録を義務付けられた業務で、共通仕様書等の指示に従って登録します。 |
任意登録業務 | 発注機関からは登録が義務付けられていない業務で、受注者の判断で登録するものです。 |
竣工登録 | 業務が完了した時に行う登録です。完成業務実績として評価されることになります。 |
「コリンズ登録」「テクリス登録」の違い
コリンズ(CORINS) | テクリス(TECRIS) | ||||
正式名称 | 「工事実績情報サービス」 Costruction Records Information Service の略称 | 「測量調査設計業務実績情報サービス」 Technical Consulting Records Information Service の略称 | |||
コリンズ・テクリスとは? | 公共工事の発注の際、地域特性、特殊性、施工条件、請負者の技術力など総合的な観点から評価を行う必要性が発生します。その為、発注機関が公平な評価を行い適切に企業を選定するため、その支援を目的とした共同利用可能な工事・業務実績をテータベース化したものです。 工事実績のデータベースを通称「コリンズ」測量調査設計業務実績のデータベースが通称「テクリス」です。 | ||||
登録対象工事 | 登録対象の公共機関が発注する、公共工事(土木一式・建築一式・電気・舗装工事等) | 登録対象の公共機関が発注する、調査設計業務、地質調査業務、測量業務、補償コンサルタント業務 ※建設関係業務は登録対象外 | |||
登録対象の発注機関 | 国、独立行政法人等、都道府県、政令市、市区町村等の公共機関や、鉄道、電気、ガス等の公益民間企業 | ||||
登録の対象金額 | 500万円(消費税込み)以上の工事 | 100万円(消費税込み)以上の業務 | |||
システム開始 | 平成6年3月より | 平成7年4月より | |||
活用状況 | 発注機関が入札の際、適正に信頼のおける企業選定するために、登録企業及び技術者の業務実績、技術力の把握、手持ち業務確認、技術者の配置状況の確認等に活用されています | ||||
運営団体 | JACIC(ジャシック)一般財団法人日本建設情報総合センター 〒107-8416 東京都港区赤坂7丁目10番20号 アカサカセブンスアヴェニュービル 4階 コリンズ・テクリスセンター | ||||
「コリンズ登録」 「テクリス登録」 するとは? | 「コリンズ登録」 発注機関から「コリンズ」に登録義務のある公共工事を受注した企業は、発注機関の指示のもと、その公共工事をコリンズ・テクリスセンターに登録することです。 | 「テクリス登録」 発注機関から「テクリス」に登録義務のある公共の業務を受注した企業は、発注機関の指示のもと、その業務を、コリンズ・テクリスセンターに登録することです。 | |||
※登録された工事内容をコリンズ・テクリスセンターがデータベース化して、発注機関および受注企業へ情報提供しています。 ※企業は自社が登録した工事情報、経歴のみ閲覧できます。他社の工事情報は閲覧できません。 | |||||
登録できる企業 | 公共工事(土木一式・建築一式・電気・舗装工事等)を受注した企業等 または、受注希望の企業等 | 測量企業・建設コンサルタント企業 地質調査企業・補償コンサルタント企業等 または、受注希望の企業 等 | |||
必須許可 | 建設業許可 | 建設コンサルタント・地質調査業者・補償コンサルタント・測量業者・一級建築士事務所等 | |||
システムに登録する方法 (企業ID取得) | 初めての企業は、最初に新規利用申し込みをします。 コリンズ・テクリスとも登録画面は一緒です。 いずれか、または両方一緒に登録できます。 1.インターネット上で企業情報を入力 2.建設業許可(写し)等を郵送またはFAX 3.審査完了する利用申し込み手続き完了メールが届く ※企業 IDが取得できます。 入札参加資格登録審査申請の際、企業IDを入力(記載)とはこの番号となります。 ※企業情報登録は、工事を受注前に事前に登録。 ※事前に登録も可能。対象工事受注後の登録も可能です。 | ||||
登録の種類 | 受注登録 | 工事を受注した時に行う登録です。 | 契約登録 | 業務を受注した時に行う登録です。 | |
変更登録 | 受注した工事に、工期変更、配置技術者変更、請負金額変更等があった場合に行える登録です。 | 変更登録 | 受注した業務に、工期変更、配置技術者変更、請負金額変更等があった場合に行える登録です。 | ||
竣工登録 | 工事が竣工した後に行う登録で、完成した工事の実績として評価されます。 | 完了登録 | 業務が完了した後に行う登録で、完了した業務の実績として評価されます。 | ||
登録義務工事・業務とは | 発注機関から登録を義務付けられているもので、共通仕様書等に登録を指示する記載があります。 | ||||
任意登録工事・業務とは | 発注機関からは登録が義務付けられていませんが、受注者の判断で登録するものです。この際は、発注機関の承認が必要となります。 | ||||
その他 | 一部の自治体では、官公庁発注で請負金額が税込み2,500万円以上の工事経歴を申請する場合は、コリンズの登録番号を、 テクリス登録のある官公庁の業務経歴を申請する場合は、その登録番号を入力しなければならない場合もあります。 |
その他の登録制度➀:コブリス登録
建設副産物情報交換システムの英語略称です。
主に建築物の解体工事や新築工事で発生する建設副産物報を工事発注者、排出事業者及び処理業者間で建設副産物の需要、バランス確保、適正処理推進、リサイクル向上および資源有効、利用促進法、建設リサイクル法、建設副産物実態調査の各種書類作成作業の省力化を図るインターネットを使用したシステムです。
特長
標準化仕様に基づいたシステムです。
インターネット技術を利用していますので、全国どこでも利用できます。
利用者ごとのメリット
工事発注者
・建設副産物の搬出先及び再生資材の購入先の検索が可能。
・工事現場から再資源化施設までの最短経路、距離及び運搬時間の検索が可能。
・適切な設計および積算の支援が可能。
・コブリスに登録されているクレダス(建設リサイクルデータ統合システム)情報の集計が可能。
・地図検索機能により、地図上から工事情報や処理施設情報の確認が可能。
・建設副産物実態調査(センサス)に対応のチェックリストの作成が可能。
排出事業者
・建設副産物の搬出先及び再生資材の購入先の検索が可能。
・工事現場から再資源化施設までの最短経路、距離及び運搬時間の検索が可能。
・適切な施行計画の作成及び立案支援。
・建設リサイクル法等の各種様式作成の省力化。
・コブリスに登録されているクレダス(建設リサイクルデータ
統合システム)情報の集計が可能。
・地図検索機能により、地図上から工事情報や処理施設情報の確認が可能。
・建設副産物実態調査(センサス)に対応したチェックリストの作成が可能。
処理業
・自社施設の周辺工事の検索が可能。
・PR欄で自社のPR活動が可能。
・リアルタイムな施設登録情報提供による市場活性化が期待。
・地図検索機能により、地図上から工事情報や処理施設情報の確認が可能。
その他の登録制度②:パブディス登録
公共建築設計者情報システムの英語略称で、公共発注機関の設計者選定の支援目的で 開発されたインターネット経由で利用するシステムです。
公共発注機関は、パブディスのデータ検索を通じて、計画する施設の概要など建物に 関する業務の実績情報等から企画提案をしてもらう設計事務所を選定できます。
また、登録設計事務所はデータ検索で他社情報も検索できるので、業界動向等を確認することができます。
現在、年間を通した登録設計事務所は約1,000社、利用公共発注機関等は約160にのぼっています。
構成情報
パブディスを構成する情報は下記の4つです。
・事務所情報 設計事務所の本社・支社・営業所等
・技術者情報 設計事務所に所属する技術者の情報
・業務カルテ情報 公共発注機関が共通仕様書や特記仕様書等で登録を義務付けた業務情報で業務完了後に受注者が登録します。
・実務実績情報 受注設計事務所が自主的に掲載する実績情報
システムの特長
・WEBアプリケーションソフトなので、パソコンにソフトウェアのインストールの必要がない。
・構成情報の画面構成が同じパターンのため、操作がシンプルである。
・入力システムで検索機能が使えるので、自社データベースとしての利用が可能。
・帳票をPDFファイルで出力できる。
・検索結果をダウンロードして、表計算ソフトでの加工が可能。
・検索条件、表示項目等をユーザーごとに設定、保存、管理ができるので、毎回の入力が不要。
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