持分なし医療法人への移行
更新日:2024年3月14日
移行の制度はいつ開始して、現在はどのような状況でしょうか。
平成19年の第5次医療法改正の時点で持分ありの医療法人の新設が認められなくなりました。
持分ありの医療法人が経過措置型医療法人と位置付けられ、改正法施行後見直しが行われることが明記されたが、税制上の手当がないことなどによって持分ありの医療法人から持分なしの医療法人への移行が進みませんでした。
そこで、平成26年より認定を受けた医療法人について持分放棄等の際の贈与税の納税を猶予または免除する制度が創設されましたが、担保の提供などの諸条件があり、持分なしの医療法人への移行が進みませんでした。
そこで、さらに平成29年より、持分放棄等の際の贈与税等を非課税とし、移行認定の要件も緩和した制度に変更し、現在にいたります。
移行制度を利用するメリットはどのようなことでしょうか。
・持分なしの法人への移行が比較的容易になること。(通常、持分放棄の際に贈与税等の対象とならない場合は医療法人の組織構成や規模等について特定医療法人、社会医療法人の認定と同等の要件が求められるところ、移行制度を利用することで、小規模の法人などの持分放棄が行いやすくなるため)
・持分整理のため、低利での資金の貸し付けをうけることができる。
移行制度を利用する要件はどのようなものでしょうか。
<運営方法>
① 法人関係者に対し、特別の利益を与えないこと
② 役員に対する報酬等が不当に高額にならないような支給基準を定めていること
③ 株式会社等に対し、特別の利益を与えないこと
④ 遊休財産額は事業にかかる費用の額を超えないこと
⑤ 法令に違反する事実、帳簿書類の隠ぺい等の事実その他公益に反する事実がないこと
<事業状況>
① 社会保険診療等(介護、助産、予防接種含む)にかかる収入金額が全収入金額の80%を超えること
② 自費患者に対し請求する金額が、社会保険診療報酬と同一の基準によること
③ 医業収入が医業費用の150%以内であること
移行制度はどのようなステップを踏んでいきますか。
①厚生労働大臣の認定
②都道府県知事の定款変更認可(認定を受けた医療法人である旨の記載)(持分放棄・持分なし医療法人への移行の決議)
③都道府県知事の定款変更認可(持分なしの医療法人への変更)
④以降(6年間)厚生労働大臣への運営状況の報告
移行をするなかでどのような問題点がでてきますか。
・持分の放棄、出資持分なし法人への移行について合意形成がなされるのか?
・移行認定の要件を満たさないのではないか?(社会保険診療の比率、「遊休資産」の額など)
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