診療所の開設・分院
更新日:2024年3月14日
医療法人の定款(財団の場合は寄付行為)に新たな診療所を追加する手続きからスタートし、保健所・厚生局への手続を進めていきます。
分院申請を行うためには、各段階での手続きを、スケジュール感を持って進めることが必要です。
新たな診療所(病院)の開設にあたって必要な手続き
分院を行うには、保健所だけでなく、様々な手続きを行う必要があり、タイミングなどを間違えると大変なことになります。
一般的な診療所で保険診療を行う場合は、以下のような手続きを行うことになります。
1 | 定款・寄付行為変更認可 | 医療法人を管轄する自治体へ新たな診療所(病院)の開設を行うことに関する定款・寄付行為の変更認可を行う必要があります。自治体の認可を受けて保健所等の診療所や病院の申請を行うことが可能となります。 |
2 | 診療所開設・病院開設許可申請 | 定款や寄付行為の変更認可を受けると、保健所や自治体への診療所開設許可・病院開設許可の申請を行います。 |
3 | 厚生局 保険医療機関指定申請 | 保険診療を行うための保険医療機関指定の申請を行います。厚生局の保険医療機関指定は原則として毎月1日に指定がなされます。そのためには前月の初旬のうちに厚生局へ申請を済ませておく必要があります。厚生局へ申請は、上記の保健所の診療所開設許可の後に提出が可能となります。 |
4 | 公費負担医療の指定申請 | 公費負担診療の指定に関する申請を行います。公費負担の種類により申請先が変わりますので、事前の確認が必要です。 |
分院申請のポイント
診療所開院までのスケジュール
分院を行うにあたって、医師や職員等の人員確保や内装工事等を中心にスケジュールを組まれるケースが多いですが、行政庁への申請も開院までのスケジュールに組み込むことが非常に重要です。
行政庁への申請期間を考慮せずにスケジュールを組んでしまって、無駄に家賃を支払うということも起こりがちです。
行政庁への申請に必要な期間としては一般的に以下となります。
(行政庁により異なりますので注意してください。)
定款・寄付行為変更認可 | 変更認可申請の受付から1ヶ月程度の処理期間となります。通常は変更認可申請の受付までに事前審査期間が設けられ、その期間は2ヶ月程度かかるケースもありますので、都道府県による定款・寄付行為変更認可まででトータル2~3ヶ月を計算するのが望ましいといえます。 |
保健所 診療所開設許可申請 | 急ぎで対応していただける保健所ですと申請から1週間で開設許可が許可されるケースもありますが、審査に3週間を要する保健所もあります。余裕をもって計算すると1ヶ月程度が望ましいといえます。 |
厚生局 保険医療機関指定申請 | 厚生局の保険医療機関指定は原則として毎月1日に指定がなされます。そのためには前月の初旬のうちに厚生局へ申請を済ませておく必要があります。厚生局へ申請は、上記の保健所の診療所開設許可の後に提出が可能となります。 |
医療法に基づく医療法人の手続き
分院を行うにあたって、都道府県への定款変更や寄付行為変更が必要となりますが、この際に医療法に基づく申請が適正になされているかの確認が行われます。
医療法人において日常的な手続きとして求められるものに、以下のような手続きがあります。
申請が漏れなくなされているかを改めて確認する必要があります。
・理事、監事等の就任・辞任・退任・重任の役員変更届
・事業報告等提出書
・定款等変更届
医療法人の経営状況
定款変更や寄付行為の変更があるタイミングというのは、 医療法人にとって経営上においても大きな変更があるタイミングといえます。
医療法人を指導管轄する都道府県においても、この変更認可申請の際に、医療法人の経営状況・運営状況について審査を行うタイミングとなります。
審査のポイントとしては様々な観点がありますが、
・理事や評議員への利益供与に該当する会計処理がないか
・債務超過に落ちいっていないか
・医療法人の公益性に問題がないか
事前に対応を準備しておく必要があります。
医療法人の分院申請のフロー
1:診療所開設場所の検討 |
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2:社員総会等の開催 |
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3:開設場所の賃貸契約の締結 |
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4:都道府県・保健所・厚生局等の事前相談 |
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5:定款・寄付行為変更認可申請 |
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6:保健所への診療所開設許可 |
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7:診療所開設 |
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8:保健所への診療所開設届 |
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9:厚生局への保険指定医療機関申請 |
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10:保険指定医療機関の指定 |
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11:保険診療の開始 |
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