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Bluetoothの搭載された電気機器を販売するには?

更新日:2024年3月20日


Bluetoothとは、2.4GHz帯(2400~2483.5MHz)の周波数を利用する無線規格で、数mから10m程度の近距離を低電力で無線接続することを想定しています。
 
Bluetooth搭載のスピーカー、イヤホン、キーボード、マウス、スマートウオッチなど多くの電気機器が販売されていますので、Bluetoothという名前はよく耳にされるかと思います。初期設定が必要にはなりますが、無線通信ですのでケーブル接続のわずらわしさが無く、市場が拡大している分野でしょう。

技適マークをご存じですか?

技適は、技術基準適合証明の略語として、日本で電波通信機器を合法的に使用するためには、この証明を通じ「技適マーク」を表示する必要があります。ですので、海外で販売されている電波通信機器であれば、技適マークがなければ法律違反になる可能性があります。
 
一般に「技適」と呼ばれる制度には以下の二つのものがあります。

  • 電気通信事業法に基づく「技術基準適合認定」
  • 電波法に基づく「技術基準適合証明」

総務省が両者を管轄し、同じ「技適」マークを使用しているため、混乱することがありますが、それぞれに独自の目的があり、適用される法律も異なります。
 
ここで、電波法に基づく「技術基準適合証明」について説明します。

まず、総務省のページの記載は、以下のとおりになっております。
 

無線通信の混信や妨害を防ぎ、また、有効希少な資源である電波の効率的な利用を確保するため、無線局の開設は原則として免許制としており、当該無線局で使用する無線設備が技術基準に適合していることを免許申請の手続きの際に検査を行うこととしております。
ただし、携帯電話等の小規模な無線局に使用するための無線局であって総務省令で定めるもの(特定無線設備)については、使用者の利便性の観点から、事前に電波法に基づく基準認証を受け、総務省令で定める表示(技適マーク)が付されている場合には、免許手続時の検査の省略等の無線局開設のための手続について特例措置が受けられます。

出典:総務省Webサイト

 
簡単にいうと、電波通信機器を使用するためには、「無線局として免許取得するか、技適マークを取得するかしなければいけない」ということになります。

「技適」ってどのような位置づけなの?

スマートフォンやWi-Fiルータ、Bluetoothヘッドホンなど、通信に電波を使用する機器はすべて「無線機」と呼ばれます。無線機が発する電波はアンテナを中心に広がり、他の無線機や電子機器に影響を与えることがあるため、各国政府によって管理・調整されています。
 
日本においては、電波の管理は総務省が担当しており、原則として免許を受けなければ電波は利用できません。
 
もっとも、多数の人々が利用するスマートフォンやWi-Fiルータ、Bluetoothヘッドホンなどの機器については、それぞれに個別に免許を発行することは非現実的であり、手間がかかりすぎるため、特例措置が設けられています。つまり、特定の用途については、個別の免許なしに機器(無線機)を利用することが認められています
 
そこで「技適」は、上記の特例に対応する制度として設けられました。
すなわち、原則として免許を取得する必要がありますが、一部の機器については免許なしで使用が許可されているのです。この場合、技適制度に沿った手続きを行い、機器に技適マークを表示する必要があります。

もっとも、海外向けのスマートフォンや機器の多くは、技適制度に沿った手続きを踏んでいないため、日本市場で使用することはできません。そのため、日本国内でこれらの機器を使用する場合は、個別の免許を取得する必要があります。技適制度に準拠していない無線機器を使用することは、電波法違反となります。

登録証明機関とは?

技術基準適合証明の事業を行う者として、総務大臣の登録を受けた国内の者をいいます。(電波法第38条の2の2)

 
登録を受けるためには、証明の業務を行う者の知識・経験、証明に使用する設備及び中立性に関する基準を満たす必要があり、登録後は総務省令で定めるところにより審査を行う等の義務を負うことになります。
令和5年2月1日現在、約17法人が登録証明機関として登録を受け、業務を実施しています。
 
なお、無線認証としては、以下の2つの認証があります。

①技術基準適合証明(通称「技適」)
 検査機関に個々の機器を持ち込み、電波法の技術基準に適合しているかどうかを審査して証明する。

②工事設計認証
 任意の1台を審査、および試験を行う。主に大量生産製品用の型式認証を行う。
 一般的には先に技適を取得し、量産時に工事設計認証を取得する場合が多い。
 そのため、量産工場について資料の提出が必要になるところが少し違います。

申請に必要な資料等

①対象の無線機器

②無線機器に関する情報

③操作手順書

 ・ブロック図(無線設備系統図)

 ・工事設計書

 ・部品配置図

 ・外観図

 ・容易に開けられない構造であることの説明資料

 ・アンテナのデータシート

 ・ラベル配置図

 ・シリアルナンバーリスト

 ・主要なICのデータシート

④ISO9001認証書(工事設計認証)


実際の申請によって、必要となる内容はそれぞれ異なります。
ここでは、通信ICを使った通信ボードに例えてみましょう。
 
それに必要な試験は概ね以下のとおりです。
 

1.送信スプリアス: 通常の通信以外に、偶発的に発生する雑音や不要な信号のことを指します。送信機の性能によって異なりますが、送信スプリアスが大きすぎると、周辺の通信に影響を与えたり、自身の通信品質を低下させたりする可能性があります。
 

2.占有帯域幅: 通信に必要な帯域幅のことで、ある周波数を占有している帯域の幅を指します。例えば、ラジオ放送で使われるFM放送の場合、占有帯域幅は約20kHzです。
 

3.拡散帯域幅: 拡散スペクトル通信において、元の信号を一定のルールに従って幅広い周波数帯域に分散させることで、通信を行う技術です。拡散帯域幅は、その分散の仕方によって決まります。拡散帯域幅が大きいほど、通信速度は速くなりますが、通信品質に影響する可能性があります。
 

4.副次発射: 通信以外の周波数で偶発的に発生する信号のことを指します。例えば、携帯電話で通信中に副次発射が発生すると、近くのラジオやテレビの受信に影響を与えることがあります。
 

上記の全ての項目が規格を満たすかを判断した上で合否判定を行います。
認証機関の試験の前に事前評価を行い、問題点がないことを確認しておきます。


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