貨物運送業の内部監査
サポート行政書士法人では、貨物運送業許可を受けておられる企業に対して、監査対策として、業務内容と登録状況に差異が生じていないかなどをチェックする内部監査の支援をしています。
トラック協会が提供するチェックリストをベースに以下のような監査支援をしています。
1.事業計画等
確認事項 | チェックポイント |
1. 主たる事務所及び営業の位置、名称に変更はないか? | ①変更があった場合、所定の変更手続きをしているか? ○閲覧する関係帳票類:経営許可申請書、認可書、事業計画変更認可申請書等 |
2. 営業所に配置する事業用自動車の数に変更はないか? | ①営業所に配置している自動車の数について、経営許可申請書、事業計画変更事前届出書に記載されている内容と一致しているか? ②届出せず、自社の他営業所又は他社間に置いて配置車両を移動させているか? ○閲覧する関係帳票類:経営許可申請書、認可書、事業計画変更認可申請書等 |
3. 車庫の位置及び収容能力に変更はないか? | ①変更があった場合、所定の変更手続きをしているか? ②認可車庫以外である荷主先や関連会社等に常時駐車したり、運転者の自宅へ車両を持ち帰っていないか? ○閲覧する関係帳票類:経営許可申請書、認可書、事業計画変更認可申請書等 |
4. 乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力に変更はないか? | ①変更があった場合、所定の変更手続きをしているか? ○閲覧する関係帳票類:経営許可申請書、認可書、事業計画変更認可申請書等 |
5.乗務員の休憩・睡眠施設の保守管理は適正にされているか? | ①休憩や睡眠が取れるように整理整頓しているか? |
6.届出事項(役員等)に変更はないか? | ①届出ている役員と現在の役員に相違ないか? ○閲覧する関係帳票類:事業概要報告書、登記簿謄本、役員変更届 |
2.台帳・報告書等
確認事項 | チェックポイント |
1. 事故記録が適正に記録され、保存されているか? | ①法定項目が記載されている事故記録簿が備え付けてあるか? ②事故記録簿の様式に「再発防止対策」の項目が入っているか? ③事故記録簿が3年間保存されているか? ○閲覧する関係帳票類:事故記録簿、自動車事故報告書 |
2. 自動車事故報告書を提出しているか? | ①過去3年間に重大事故はあるか? ②自動車事故報告規則に定められた事故が発生した場合に、30日以内(事故速報は24時間以内に所轄運輸支局整備部門に電話等で速報)に自動車事故報告書を提出しているか? ○閲覧する関係帳票類:自動車事故報告書、事故記録簿等 |
3. 運転者台帳が適正に記入等し、保存しているか? | ①法定項目が記載されている運転者台帳を備え付けているか? ②運転者が転任、退職等した場合は、その日から運転者台帳を3年間保存しているか? ③履歴書等は運転者台帳の代りにはなりません。作成していない場合は作成しましょう ○閲覧する関係帳票類:運転者台帳 |
4. 車両台帳が整備され、適正に記入等しているか? | ①自動車検査証(車検証)の写し等車両台帳を作成しているか? ○閲覧する関係帳票類:車両台帳、自動車検査証(車検証)の写し |
5. 事業実績報告書・事業報告書を提出しているか? | ①事業実績報告書は前年4月1日から本年3月31日までの1年間の実績を、毎年7月10日までに所轄地方運輸局長に提出しているか? ②事業報告書は毎事業年度の経過後100日以内までに所轄地方運輸局長に提出しているか? ○閲覧する関係帳票類:事業報告書・事業実績報告書の控え |
3.運行管理等
確認事項 | チェックポイント |
1. 必要な員数の乗務員を確保しているか? | ①日々雇い入れられる者、2ヵ月以内の期間の者、14日以下の試用期間の者は乗務できないので適正な雇用契約を締結しているか確認しましょう ○閲覧する関係帳票類:運転者台帳 |
2. 運行管理者が選任され、選任(変更)届出書を届出しているか? | ①営業所の配置車両数に応じて必要な数の運行管理者を選任しているか? 例:30両~59両の場合運行管理者は2名必要です ②複数の運行管理者を選任している場合は統括運行管理者を選任しましょう ③選任している運行管理者を変更した場合は変更届出書を、解任した場合は解任届出書を忘れずに届出しましょう ④選任届出書を届出したら、控え(受付印押印のもの)も保存しましょう ○閲覧する関係帳票類:運行管理者選任(変更)届出書 |
3. 補助者の選任とその業務は適正か? | ①運行管理者の業務補助のために補助者を選任することができます ②選任要件は運行管理者の資格を取得している者又は基礎講習を受講した者です。選任した場合、福岡運輸支局に届出する必要はありません ③補助者は運行管理者の業務を補助する職務ですから運行管理者の全部の業務はできません 点呼実施の場合は点呼実施の2/3までしか点呼執行できません。残りの1/3は選任された運行管理者が執行しましょう ○閲覧する関係帳票類:運行管理者資格者証、基礎講習修了証 |
4. 運行管理者に研修を受けさせているか? | ①一般講習を受講しているか?(選任している運行管理者は2年に1回受講義務があります) ②当該事業者において初めて選任された運行管理者は、基礎講習(3日間)の受講歴があるか? (基礎講習を受講していない運行管理者は受講義務があります) ③重大事故等、行政処分のあった営業所の運行管理者に対し特別講習の受講通知があったときは受講しているか? ○閲覧する関係帳票類:運行管理者講習手帳 |
5. 運行管理規程が定められているか? | ①運行管理者や補助者の職務権限及び運行管理についての指示命令系統が定められているか? ○閲覧する関係帳票類:運行管理規程 |
6. 過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、休憩時間、休息時間を適正に管理しているか? | ①労働時間等改善基準告示を遵守しているか? ○閲覧する関係帳票類:運転日報、チャート紙、出勤簿 |
7. 点呼の実施及び記録保存は適正か? | ①乗務員に対して乗務の開始及び終了地点が営業所の場合は対面[運行上やむを得ない場合は、電話等]による点呼を実施し記録保存をしているか? ②2泊3日の運行の場合は中間点呼を実施し記録を保存しているか? ③アルコール検知器を使用しての点呼を実施しているか? ④アルコール検知器は正常に作動するか? ○閲覧する関係帳票類:点呼記録簿 |
8. 乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か? | ①法定項目のある様式を使用しているか? ②特に休憩又は睡眠をした場合はその地点及び日時を記載しているか? ③車両総重量8t以上又は最大積載量5t以上の事業用自動車に乗務した場合は、貨物の重量又は個数及び積載状況を記載しているか? ○閲覧する関係帳票類:乗務等の記録(運転日報) |
9. 運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か? | ①車両総重量7t以上又は最大積載量4t以上の車両及びこれに該当するトレーラーを牽引するトラクタに運行記録計を装着しているか? ※使用過程車にも平成29年4月1日から適用 ②運行管理者が乗務後のチャート紙を見て連続運転、速度超過等がないか確認しているか? ○閲覧する関係帳票類:チャート紙又はデジタコ |
10. 運行指示書の作成・携行及び記録保存は適正か? | ①2泊3日運行の場合は運行指示書を作成して乗務員に携行させているか?事務所にも同じように1部作成し運行後回収して1年間保存しているか? ②事務所にも控えを保存し運行後回収して(合わせて2部)1年間保存しているか? ○閲覧する関係帳票類:運行指示書 |
11. 乗務員に安全教育を実施して記録保存しているか? | ①輸送に関する安全教育を計画的に実施しているか? ②実施した安全教育を記録保存しているか?(3年間の記録保存が義務付けされました。) ○閲覧する関係帳票類:安全教育実施記録簿、安全教育実施計画表 |
12.特定の乗務員に対して義務付け適性診断を受けさせているか? | ①新入社員は初任診断を受診させているか? ②65歳以上の方は適齢診断を受診させているか? ③重大事故等を起こされた乗務員は特定診断を受診させているか? ○閲覧する関係帳票類:適性診断受診簿 |
13.特定の乗務員に対して特別な指導を実施しているか? | ①新たに採用された乗務員は運転記録証明書等により事故歴の把握が義務付けになりましたので、運転記録証明書等を取寄せて事故歴を把握しましょう。 ②新規採用乗務員の一般貨物運送事業用自動車の経験がない乗務員又は経験はあっても3年間のブランクがある乗務員には特別な指導を実施して記録保存しましょう ③65歳以上の乗務員 ○閲覧する関係帳票類:運転記録証明書、特定乗務員教育記録等 |
4.整備管理等
確認事項 | チェックポイント |
1.整備管理者が選任され届出されているか? | ①5両以上の車両を配置している営業所において、整備管理者選任届出書により、整備管理者の資格を有する者が選任されているか? ②選任している整備管理者が、実際に整備管理業務に従事しているか? ③整備管理者の外部委託は禁止です。自社従業員により選任しているか? ※一定の条件を満たす企業は、特例としてグループ会社内での外部委託が認められる場合があります。その場合は所轄運輸支局整備課に相談しましょう。 ○閲覧する関係帳票類:整備管理者選任(解任)届出書 |
2.整備管理者に所定の研修を受講させているか? | ①地方運輸局が行う研修(2年に1回)を受講させているか? ○閲覧する関係帳票類:整備管理者研修修了証、整備管理者研修手帳等 |
3.整備管理規程が定められているか? | ①整備管理者の職務権限が明確にされた整備管理規程を制定し、営業所に備え付けているか? ②法改正等の内容を整備管理規程に反映させているか? ○閲覧する関係帳票類:整備管理規程等規定類、日常点検表 |
4.日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか? | ①法令に基づく日常点検基準を作成し、1日1回その運行の開始前に点検を実施しているか? ②点検結果に基づき整備管理者が、運行可否の決定を行っているか? ③日常点検の実施について、運転者に対し、指導を徹底しているか? ○閲覧する関係帳票類:日常点検基準、日常点検表 |
5.定期的な点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか? | ①法令に基づく定期点検基準が作成されているか? ②定期点検整備実施計画表等により、3ヶ月ごとの点検・整備が認証工場で行われているか? ③点検整備記録簿を営業所と車両にそれぞれ備え付けているか? ④点検整備記録簿が、1年間保存されているか? ○閲覧する関係帳票類:定期点検基準、定期点検整備実施計画表、点検整備記録簿 |
5.労務関係等
確認事項 | チェックポイント |
1. 就業規則が制定され、届出されているか? | ①従業員が常時10名以上の事業所は、就業規則を作成し所轄の労働基準監督署へ届けているか? ②就業規則の内容に変更があった場合は、その都度、変更届を提出しているか? ○閲覧する関係帳票類:就業規則 |
2.36協定が締結され、届出されているか? | ①法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働者に労働させる場合、または、法定の休日(1週間に1日の休日)に労働させる場合には、労使で書面による協定を締結し、所轄の労働基準監督署に届出しているか? ※36協定の有効期間は、1年以内です。残業・休日出勤がある場合は毎年届出しましょう。 ○閲覧する関係帳票類:36協定 |
3.所要の健康診断を実施し、健康状態を把握しているか? | ①事業者は常時使用している乗務員に対して、健康診断を1年に1回定期的に受診させ、乗務員の健康状態を把握しているか? ②深夜に乗務される方は6ヵ月に1回受診させ、乗務員の健康状態を把握しているか? ※深夜業務に該当するかどうかの判断はおおむね22:00~5:00までとなっています。仕事内容によって判断が難しい場合がありますので所轄の労働基準監督署に相談しましょう。 ○閲覧する関係帳票類:健康診断受診一覧、運転者台帳(健康診断受診日記載済み)等 |
4.労災保険・雇用保険に加入しているか? | ①労働者を1人でも雇用している場合は、適用対象 ※労働者において、31日以上の雇用見込みがあり、かつ、1週間の所定労働時間が20時間以上の者は「強制加入」 ○閲覧する関係帳票類:労災保険加入台帳、雇用保険加入台帳、賃金台帳 |
5.健康保険・厚生年金保険に加入しているか? | ①法人の事業所は、1名でも労働者を使用する事業所 ②個人の事業所は、常時労働者5名以上使用する事業所 ※労働者において、1週の所定労働時間と1月の所定労働日数がどちらも一般社員の3/4以上である者は「強制加入」 ○閲覧する関係帳票類:健康保険加入台帳、厚生年金保険加入台帳、賃金台帳 |
6.運転安全マネジメント
確認事項 | チェックポイント |
1. 輸送の安全に関する基本的な方針を定めているか? | ①経営者のリーダーシップのもと輸送の安全に関する「安全方針」を策定しましょう。 例:「輸送の安全は我が社の根幹」、「輸送の安全は社会的責任」等 ②社内で「安全方針」を周知しましょう。 例:営業所、休憩施設、車庫等に「安全方針」を掲示又は、点呼時に唱和する等 |
2.輸送の安全に関する具体的な目標を定めているか? | ①「安全方針」に基づき従業員の意見も含めた「具体的目標」を定めているか? 例:「○○年度は飲酒運転、速度超過撲滅0件」、「商品事故、人身事故0件」等 |
3.輸送の安全に関する計画を策定し実施しているか? | ①上記で定めた「具体的目標」に基づいた定期的なミーティングや安全会議等を実施しているか? ②実施期間中に現場の声や現状の問題点を勘案しながら実施しましょう。 |
4.安全に係る情報を公表しているか? | ①上記の「具体的目標」の達成状況はどうだったか? ②上記の達成状況を毎事業年度公表しなければなりません。 ③公表は「具体的目標」に対する達成状況及び事故に関する統計です。 ※来客にもわかるように営業所内に掲示しましょう。 ※ホームページ上に掲載することでも可能です。 |
運送事業の申請のことならサポート行政書士法人へ
サポート行政書士法人では、新規で運送事業の登録・許可取得される方から、すでに運送事業を運営されている皆さまに対して、運送事業に関する申請サポートやコンサルティングを行ってます。
運送事業は、許可を受けるだけの段階から、コンプライアンス体制の構築が求められる段階になっています。
弊社の担当者は、全国の都道府県で申請実績がございます。ぜひご相談ください。
専任スタッフが全国の案件を対応してます。