倉庫管理主任者の業務④:現場従業員の研修
更新日:2024年3月20日
倉庫ごとに選任される倉庫管理主任者は、法令上、次に以下の業務を行うことが求められています。
①倉庫における火災の防止その他倉庫の施設の管理をすること
②倉庫管理業務の適正な運営の確保すること
③労働災害を防止すること
④現場従業員の研修を実施すること
この記事では「④現場従業員の研修を実施すること」について詳しく解説します。
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④現場従業員の研修に関すること(則第9条の第2号)
業務の円滑な実施に資するため、現場従業員に対する研修を企画し、実施する業務を指します。倉庫管理主任者は、常勤する作業員はもちろん、臨時作業員等に対しても、安全でかつ効率のよい倉庫作業について教育、訓練することが必要です。
具体的な指導内容
倉庫会社では、入庫時の荷姿、形のまま保管することを約束して貨物を預かることが務めであり、責任でもあるので、このことを十分承知して日々の作業を行う。この倉庫に貨物が満庫になると、その金額は何億円になり、その取扱いを誤ると膨大な損害を受ける事になるので、取扱いは丁寧に、寄託者の気持ちになって保管管理すること。
出勤したらまず行うこと | ・受け持ちの倉庫を見回り、屋根・壁・庫前、錠鍵、電線等の異常の有無を確認すること。 ・庫内については、荷崩れの有無、鼠、虫害、変質、腐敗、漏失・発散など保管貨物の異常の有無を確認すること。 |
入出庫作業は入出庫伝票に従って行うこと | ・伝票のないものは絶対入出庫しない。 ・伝票と貨物があうかどうか確認すること(品名・銘柄・記号・等級・寸法・個数等を伝票と照合) ・出庫の場合、現場で引取者から伝票記載の貨物と違うものを引き取りたいとの申し出があったときは、必ず窓口担当者に連絡すること。(引取者と倉庫現場担当者との直接交渉は間違いのもととなるので、絶対に行わない) ・破れ、濡れ、汚れ又は減量品等が混ざっていないか確認をして、異常があった場合は窓口担当者等に連絡し、入出庫には必ず立ち会うこと。 ・寄託者が直接引き取る場合はもちろんのこと、運送業者の場合でもなおざりにしないで必ず立ち会い、貨物の受け渡しに間違いがないよう双方で確認すること。 ・倉荷証券発行貨物については、窓口担当者からの連絡で、「倉荷証券発行貨物」である旨の表示札を必ずつけること。 ・入出庫の都度、荷票に日付、入出庫数量を記入して常に残高数量を明確にし、その数量は定期的に確認すること。 ・貨物のはい付け票は、紛失しないように十分注意する。 |
一日の入出庫作業を終了したら | 業務日誌等は必ず所定の場所に備え置き、また窓口担当者に一日の作業内容を必ず報告すること。 |
保管管理面では次のことを遵守すること | ・貨物の荷姿・性質・数量、倉庫の構造・通風状態等をよく考えて、最適な場所で保管すること。 ・はい付けする場合、よく乾燥した台木、パレット、スキットを使用すること。 ・貨物に表示してある「天地無用」「下積無用」「転倒無用」などのマークに注意して、積みつけること。 ・荷摺のない倉庫では、はい崩れで壁や建物を傷める恐れがあるので、貨物を壁にもたせぬように注意すること。 ・熱気を嫌う貨物は、南側又は西側の壁から少し離してはい付けすること。 |
倉庫内外の整理整頓、清掃に心がけること | ・庫内の整理、整頓、及び清掃は入念に行うこと。 ・単に通路を清掃するだけでなく、長期保管貨物に積もっている塵等も払い落とすこと。 ・破損したパレットや荷役機器が倉庫の周辺に放置されていないか調べて、放置されている場合は片づけること。 ・清掃用具は定められた場所に置くこと。 |
倉庫内外の巡視の励行 | ・定期的に倉庫内外をくまなく見回り、次の事項に注意すること。 ・庫内の換気、温度に異常はないか。 ・庫内外の整理整頓、清掃が行われているか。 ・建物の傷んだところがないか。 ・貨物の変質、損傷したものがないかどうか。 ・鼠害、虫害の有無。 ・貨物に適した保管、はい付けがなされているかどうか。 ・災害防止の方法に問題がないかどうか。 戸口の錠前は完全であるか、消火器、防火用具が所定の場所にあるか、ガラスが破損していないか。 ・火気取締りは完全か 通路や出入口付近にタバコの吸い殻やマッチ棒が落ちていないか等 ・荷粉の管理は適切に行われているか。 掃き集められた荷粉は、種類別、汚損の程度によって区分けされて保管されていか。 ・荷崩れの恐れがないかどうか。 ・他の貨物との混蔵保管を嫌う貨物がないかどうか (注)発熱しやすいもの・・・・・・・・大豆粕、魚粉 病虫害の発生を助けるもの・・・・米糠、澱粉 |
火災予防に十分注意すること | ・消火器の有効期限が過ぎていないかを確認すること。 ・消火器のノズルやホースに薬剤等が詰まっていないか点検すること。 ・ストーブの残り火は確実に始末すること。 ・倉庫内は禁煙。休息時間の喫煙は、所定の喫煙所で備え付けの吸い殻入れを使用すること。 ・灰皿や吸い殻入れの後始末は確実にすること。 ・詰所を留守にするときは、電熱器のコードやガスの元栓を必ず確認すること。 ・無用の者の倉庫への立ち入りは厳禁する。やむを得ず部外者を倉庫内に出入りさせるときは、必ず担当者が同行し、喫煙、マッチまたはライターの使用を断ること。 ・荷役機械を使用する際、電気コードの故障からスパークすることがあるので、十分注意すること。 |
その他の遵守事項 | ・盗難、火災、扉の破損等、その他異常を発見したらすぐ現場担当者に連絡すること。 ・倉庫の備品(台木、パレット消火器具、温湿度計など)は何時でも使用できるように点検、整備し、数量を把握しておくこと。 |
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