倉庫管理主任者の業務③:労働災害の防止
倉庫ごとに選任される倉庫管理主任者は、法令上、次に以下の業務を行うことが求められています。
①倉庫における火災の防止その他倉庫の施設の管理をすること
②倉庫管理業務の適正な運営の確保すること
③労働災害を防止すること
④現場従業員の研修を実施すること
この記事では「③労働災害を防止すること」について詳しく解説します。
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③労働災害の防止に関すること
倉庫の荷役業務等に従事する労働者の労働災害防止のために行われる業務の一般を指します。
1 作業員の健康状態のチェック | ・身体の調子を整えるため、準備体操、柔軟体操を行う。 ・バランスのとれた食事 ・十分な睡眠 |
2 服装の点検 | ・清潔で手入れの行き届いた作業衣の着用 ・安全帽の正しい着用(常にあご紐をかける) ・安全靴は靴ひもをしっかり結ぶ。 ・手袋、安全めがね等の着用 ・庫内が暗い場合は蛍光チョッキの着用 ・物を置くときは作業を行いやすいように配慮する。 ・使った物は必ず元の位置に戻す。 |
3 はい付け、はい崩し作業 | ①はい付け ・はい付け場所は平らな地面や床面を選び作業開始前に小石や木片などを取り除き、水や油などによる汚染部分を清掃する。 ・荷の種類や数量に応じてはい付け方法、底長、重ね数、高さなどを決定する。 ・荷の種類や数量、はい付け方法、使用器具などに応じて、通路を確保する。 ・はいの崩れや落下などの恐れがある場合には作業者以外の立ち入りを禁止する。 ・荷崩れが起こる可能性がある場合は、ロープなどで固定する。 ・荷姿が丸い場合は転がり止めを使う。 ②はい崩し ・中抜きをせず、上から順にとっていく。 ・下で荷を受け取る作業者とは声を掛け合って、受け取りミスのないようにする。 ・はい崩し終了後は周囲を整理整頓する。 |
4 フォークリフト作業 | ・作業場では、歩行通路を定め、線を引いておく。 ・作業時には、関係者以外の立ち入りを禁止する。 ・フォークリフトの爪やカウンターウエイトの上には絶対に人を乗せない(乗らない)。 ・フォークリフトは前方の見通しが悪いので、前後左右に十分注意すると同時に、積荷が多い場合には次のことを実行する。 ・バック走行すること(バックブザーの装備、フォグランプの使用) ・必要に応じ誘導者による誘導を行うこと。 ・制限速度を定め、表示し、守ること。 ・パレットに乗せる貨物は安全確実に積み付けし、荷崩れの恐れがある場合には、貨物に鉢巻きをする等、安全な処置をする。 ・道路上を走行するときは、パレット又はスキッド等を差すか、フォークの先端に表示を付けて走行する。 ・フォークリフトの停止4原則を守る。 ①平地に止めること。 ②フォーク(爪の先端)を床面までおろすこと。 ③エンジンを止め、キーを抜くこと。 ④サイドブレーキを引き、タイヤに歯止めをすること。 ・フォークリフトは資格者証の所持人(技能講習修了者)に運転させる。(道路交通法が適用されない場所における運転であっても、安全衛生法上の運転資格を取得し携帯することが義務付けられています。) |
5 コンベヤー作業 | ・服装をきちんとし、袖口、裾などしっかり止める。 ・作業前にスイッチ、キャブテーションコードの損傷の有無を点検する。 ・貨物は、コンベヤーの中心に正しく乗せる。 ・人は運転中のコンベヤーに乗ってはならない。 ・コンベヤーの安全を十分に確保する。 ・運転開始するときは、周囲の人に呼びかけて、コンベヤーに注目させる。 ・緊急停止の必要が生じても、すぐ対応できるよう、前もって「非常停止装置」の場所、捜査方法を確認しておく。 ・床面がぬれているとキャブタイヤコードから漏電する場合があるので、枕木などで手当てし、湿気や水分を避ける。 |
6 クレーン作業 | ・合図は、定められた方法で、あらかじめ決められた一人が行う。(複数人による合図は絶対禁止。) ・地盤が強固な場所で、アウトリガーの十分な張り出しをする等クレーンの倒壊を防止する。 ・作業場周辺に関係作業員以外の立ち入りを禁止する。 ・試し吊りを必ず行う。 ・巻き上げは、玉掛者や補助者が荷から十分離れてから、合図により行う。 ・横引きは、貨物が揺れて危険であるため、絶対にやってはならない。 |
7 堕落、転落 | ・正しい服装、特に保護帽は作業に適したもので、あご紐に耳を挟んで掛ける方式のものを採用する。 ・積荷やはいの上では、足下や身体の重心に留意して作業する。 ・積荷上でロープ締め、シート掛け等の作業をするときは、安全な位置と姿勢を保ちながら行う。 ・2m以上の高所作業では、足場や手摺り、開口部の覆い、命綱、防護ネット等作業状況に適した防護具、防護装置を確保して作業する。 ・トラックのシート掛け、ロープ掛け等の作業で、あおりに上がらなければならないときは、補助のステップ等を使用する。 ・作業に必要な照度を保つ。 ・屋根に上がる場合は、踏み抜き防止の措置をする。 |
8 飛来、落下 | ・無理なはい付けや積荷をしない。 ・はい付けや積荷は、定められた方法で行う。 ・荷崩れ、飛来、落下の恐れのある作業場では、貨物に鉢巻きをしたり、防護網を張るなどの措置をするとともに、危険等を発見したら直ちに作業を中止し、手直しをする。 ・荷を吊るとき、玉掛けは正しく行う。 ・吊り荷の下には絶対に入らない。 ・コンベヤー作業ではコンベヤーの安定を十分に確保する。 ・共同作業の場合には、“よいか?”“よし!”とお互いに大きな声を掛け合い、呼吸を合わせて作業する。 ・保護帽、安全靴等作業にあった服装をする。 |
9 転倒 | ・作業場所は整理整頓し、作業環境を整備する。 ・凹凸や軟弱な作業床で作業する場合は、状況に応じた作業方法を工夫する。 ・車両や荷役機械から降りるときは、手摺りやステップを利用し、足元を確認してから降りるようにする。 ・階段を上り下りするときは、つまずいたり、踏み外したりしないよう、足下を確認してゆっくり行動する。 ・二人以上で貨物を持ち運ぶときは、作業開始前に作業方法、作業位置等を十分打ち合わせした上、声を掛け合って確実な作業をする。 |
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