倉庫業登録

倉庫管理主任者の業務①:火災の防止その他倉庫の施設の管理

更新日:2024年3月20日


倉庫ごとに選任される倉庫管理主任者は、法令上、次に以下の業務を行うことが求められています。
 

①倉庫における火災の防止その他倉庫の施設の管理をすること

②倉庫管理業務の適正な運営の確保すること

③労働災害を防止すること

④現場従業員の研修を実施すること

この記事では「①倉庫における火災の防止その他倉庫の施設の管理に関すること」について詳しく解説します。

①倉庫における火災の防止その他倉庫の施設の管理に関すること

「倉庫の施設の管理」とは、倉庫の建物に係る日々のメンテナンス業務、火災等の事故予防業務等、倉庫のハード面から行われる管理業務一般を指します。

建物

屋根
1 勾配屋根① 屋根の棟や軒先などが波打っていないか。(小屋組にたわみがないか)
② 屋根瓦材がひび割れ、破損、ズレ、飛散したりしていないか。また、塗料の落ちや金属板の膨れや変形、錆などの発生がないか。
③ 屋根の上に異物がないか。
④ 庫内の野地板などに雨漏りによるシミや腐食がないか。
2 陸屋根① 庫内天井面のコンクリートに亀裂や雨漏りのシミがないか。
② 屋上の手すり壁や塔屋の基部などに亀裂がないか。
③ 屋上の排水口にゴミなどが詰まっていないか。
④ 屋上に雑草や異物がないか。 ⑤ 伸縮目地部分の充填材に劣化や破損がないか。
3 雨樋① たて樋、軒樋などにズレ、脱落、破損、塗装おち、錆の発生がないか。
② 樋や溜マスに落ち葉やゴミが詰まっていないか。
③ 壁などに雨水のあふれによるぬれた跡がないか。
④ 樋の庫内露出部分に防露被覆がしてあるか。
1 鉄筋コンクリート、補強コンクリートブロック、レンガ、石等の壁① 壁面に亀裂がないか(特に窓、出入り口の四隅)
② 壁面の仕上げ材に、はく離、はく落がないか。
③ 壁面のコンクリートに脱落、鉄筋の露出がないか。
④ 庫内壁面や基部付近の床面にシミなど雨漏りの跡がないか。
2 鉄網モルタル塗りの壁① 壁面が貨物の横圧で湾曲していないか。
② 壁面に亀裂、破損がないか。
③ 壁面の仕上げ材にはく離、はく落がないか。
④ 内壁に雨漏りの跡がないか。
⑤ 庫内下地板や基部付近の床面に、シミなど雨漏りの跡がないか。
3 PC板、ALC板、セメント成型板の壁① 壁面に亀裂がないか。
② パネル接合目地のシーリング材(充てん材)に劣化による亀裂・はく離がないか。
③ パネル接合目地のズレ,隙間などがないか。
④ 庫内壁面や基部付近の床面にシミなど雨漏りの跡がないか。
4 金属複合板、石綿複合板の壁① 壁面に塗装落ちや錆または亀裂がないか。
② 壁面が貨物の横圧で湾曲していないか。
③ パネル接合目地のシーリング材(充てん材)に劣化による亀裂・はく離がないか。
④ パネル接合目地のズレ,隙間などがないか。
⑤ 取り付け金具や取り付けビスに錆による腐食がないか。
⑥ 庫内壁面や基部付近の床面にシミなど雨漏りの跡がないか。
5 スレート板、金属板の壁① 壁面に亀裂、割れ、脱落がないか。
② 壁面に塗装落ちや錆がないか。
③ フックボルトに錆による腐食がないか。
④ パッキングの劣化によるやせ縮みがないか。
⑤ 庫内下地板や基部付近の床面にシミなど雨漏りの跡がないか。
 ① 床に沈下、波打ち、傾斜がないか。(はいに異常な傾きがないか。)
② 床や梁がたわんでいないか。
③ 床や梁に亀裂がないか。
④ フォークリフト荷役などによる床の振動が大きくないか。
⑤ 床の仕上げ材に浮き上がり、はく離、鉄筋の露出、発錆がないか。
⑥ 床に落下物の衝撃などによる損傷がないか。
⑦ 床が摩耗していないか。
⑧ 荷重制限が見やすい位置に表示されているか。
基礎
 ① 一見して建物が傾斜したり沈下していないか。
② 屋根の棟や軒先が波打っていないか。
③ 倉庫建物周辺の地盤面に亀裂や段差が生じたり、陥没がないか。
④ 壁や腰壁の内外に亀裂が生じていないか。
⑤ 床に亀裂や波打ちが生じていたり陥没(1階床)していないか。
⑥ はいに異常な傾きがないか。
⑦ 建物の骨組みや筋かいなどに、異常変形やはずれがないか。
⑧ 出入り口扉、シャッター及び窓の建て付けや開閉が不良となっていないか。
出入り口、窓、防潮板
1 出入り口① シャッターや戸の開閉が円滑にできるか。
② シャッターの押しボタン、スイッチのふたの破損はないか。
③ シャッターや戸を閉めたとき異常な隙間やがたつきがないか。
④ 施錠が円滑にできるか。
⑤ シャッター、戸、枠などにフォークリフトなどによる損傷や変形がないか。
⑥ シャッターの降下位置に障害となる物品が置いてないか。
2 窓① 開閉が円滑にできるか。
② 閉めたとき窓枠との間に異常な隙間がないか。
③ 施錠が円滑にできるか。
④ ガラスに破損がないか。
⑤ 盗難防止用の鉄格子などに異常がないか
⑥ 隣接の建物に面した窓の防火戸などに異常がないか。
⑦ 地窓の防鼠用金網に異常がないか。
⑧ 防潮板の高さにより低い地窓などの防潮設備に異常がないか。
⑨ 窓の付近にシミなどの雨漏りの跡がないか。
3 防潮板① 防潮板に指定設置場所は明記されているか、また適切な場所に保管されているか。
② 防潮板にゆがみが生じないよう保管されているか。
③ 付属の金物などが紛失していないか。 ④ 防潮板及びその枠に歪みや亀裂などの異常がないか。
⑤ ゴムのパッキングが劣化、損傷、脱落などしていないか。
⑥ 砂袋等が使用できる状態で保管されているか。

設備

1 換気設備(強制換気)① 換気の障害となるものはないか。
② 貨物は通風を考えて積みつけられている。
③ 燻蒸用の目張りは除去してあるか。
④ 換気扇は円滑に回転し異常音や振動がないか。
⑤ ルーバー、ダンパーに異常がないか。
⑥ 換気扇に発錆やほこりの付着はないか。
⑦ 換気装置が雨漏りの原因になっていないか。
2 排水設備① 排水設備から雨水があふれていることがないか。
② 点検蓋の上に物を置いていないか。
③ 排水溝の清掃は充分できているか。
④ 溜ますの底はきれいにさらえてあるか。
⑤ 排水溝,溜ますの蓋や格子の損傷はないか。
⑥ 庫内に通じる排水口の防鼠金網などに異常がないか。
3 消火器① 規定の本数が置かれているか。
② 歩行距離20m以下ごとに設置されているか。
③ 用途に適した消火器が置かれているか。
④ 容器の損傷、ホースの劣化等がないか。
⑤ 消火剤の有効期限は切れていないか。
⑥ 転倒のおそれがないか。
⑦ 消火器の前に物を置いていないか。
⑧ 正しい位置に設置されているか。 ⑨ 標識がついているか。
4 消火栓① ホースに損傷や劣化等がないか。
② ノズルはきちんとホースに接続されているか。
③ バルブに水漏れはないか。
④ 周囲に障害となる物を置いていないか。
⑤ 扉は容易に開閉できるか。
⑥ ホースは整頓されているか。
⑦ 表示灯は点灯しているか。
⑧ ポンプ室が物置になっていないか。
⑨ 貯水槽の水は適量か。
⑩ 凍結のおそれがないか。
5 連結送水管① 送水口周囲に使用上障害となる物及び消防自動車の接近に障害となる物はないか。
② 放水口の周囲に障害となる物を置いていないか。
③ 収納箱に変形、損傷がなく、扉が容易に開閉できるか。
6 スプリンクラー① 制御弁の前に物を置いていないか。
② ヘッドの周囲に60cm以上の空間が保たれているか。
③ 間仕切りや棚などの設置変更で、散水障害となっていないか。
④ 凍結のおそれがないか。
7 不活性ガス消火設備① 使用上の注意事項が表示されているか。
② 避難誘導及び防護区画への立ち入り禁止の表示が見やすい位置に掲示されているか。
③ 選択弁及び復帰ボタンが定位置にあるか。
④ 操作箱表示灯が点灯しているか。 ⑤ 避難口が確保されているか。
8 火災報知設備① 電源スイッチは「ON」になっているか。
② 発信器の前に物を置いていないか。
③ 定期点検はきちんと行われているか。
9 誘導灯① ランプは切れていないか。
② 誘導灯のカバーが破損していないか。
③ 誘導灯の見通しはよいか。
④ 非常用電源の機能は正常か。
10 避難通路① 防火戸の機能は正常か。
② 避難通路に貨物を置いていないか。
③ 非常灯の機能は正常か。
④ 防火戸の閉鎖を妨げる物がないか。
11 受変電室の施錠① 屋内受変電室は施錠されているか。
② 屋外開放型受変電設備出入り口扉は施錠されているか。
③ 屋外キュービクル受変電設備の扉は施錠されているか。
④ 小動物(鼠、猫、蛇など)や雑草、つる等が盤内に入り込まないよう適切な閉鎖措置がとられているか。
12 電線① 電柱(本柱、支柱、支線)に異常がないか。また、電線は大きなたるみを生じていないか。
② 電線管に損傷がないか。また、取り付け部に、はずれがないか。
③ 電線の接続部付近の被覆に焼けこげを生じている箇所がないか。
13 分電盤① 外部に損傷、腐食及び汚損を生じていないか。また、扉は閉じているか。
② 計器類の指示は正常か。
③ パイロットランプは正常か。
④ 異音を発していないか。
14 照明設備① 不点やちらつきがないか。
② 器具に損傷がないか。
③ 器具やランプは汚れていないか。
④ 器具から異常な高温や異音を発していないか。
⑤ 適切な照度が保たれているか。
15 通報、警報、表示設備① 非常ベル、通報器等の設備に異常がないか。
16 その他の設備① 避雷装置に損傷や取り付けのゆるみがないか。
② タコ足配線をしていないか。

定温倉庫

1 出入り口① 扉は通常閉めてあるか。
② 扉の開閉は円滑にできるか。
③ 扉を閉めた時に異常な隙間やがたつきがないか。
④ 扉を開けた時にエアカーテンが効果的に働いているか。
2 床、壁、天井① 壁面や床面、天井面にシミはないか。
② 壁面や天井面の断熱材に損傷やはく離がないか。
③ 断熱材を覆う耐火コートや金属板等に損傷やはく離がないか。
3 空調・給排水等設備① 空調機のフィルターに目詰まりがないか。
② 温湿度記録計に誤差はないか。
③ 設定温湿度を保っているか。
④ ドレンパンに水が溜まっていないか。
⑤ ドレン管から水が漏れていないか。
⑥ 異常な音や振動はないか。
⑦ 空調機の電気使用量に著しい変化がないか。
⑧ 庫内消火栓配管に結露対策が施されているか。
4 電気設備① 壁貫通ケーブル回り及び配電盤等に結露がないか。
5 貨物のはい付け① 貨物が空調機、ダクト、給排水管と接触していないか。
② 空調機をふさぐような高さまで貨物を積み上げていないか。
③ 貨物と壁面の間には適当な空間が確保されているか。

構内

1 野積み倉庫① 野積み倉庫は1.5m以上の高さの強固な塀などで囲われているか。また、構内野積み倉庫の位置は白線などで明示されているか。
② 照明装置に異常がないか。
③ 非常ベル、通報器等の設備に異常はないか。
2 擁壁① 亀裂がないか。
② ふくらみがないか。
③ 石組などにゆるみがないか。
④ 擁壁上部付近の地表面に亀裂がないか。
3 コンクリート塀など① 亀裂や破損がないか。
② 傾斜していないか。
4 鉄柵など① 曲がったり折れたりしていないか。
② 塗装が落ちたり、錆を生じていないか。
5 舗装① 部分的に沈下して水はけが悪くなっていないか。
② 亀裂や割れがないか。
6 その他① 構内は整理整頓、清掃されているか。

倉庫火災の特色

倉庫は①庫内に大量の可燃物を収容している、②一般の建物に比較して出入口や窓などの開口部が非常に少ない、③大きな建物の割に従業員が少ない、という特色を持っているため、火災が発生した場合、次のような事態となり、時には大きな損害を被る事があります。

●発見が遅れがちである。

●火災で停電になると庫内が真っ暗になる。

●初期消火活動や通報が遅れがちである。

●十分な排煙設備がないと庫内に煙が充満する。

●熱がこもり庫内が高温化し、フラッシュオーバーやバックドラフトが起こりやすい。

●火災がある適度進むと、スプリンクラーや屋内消火栓では太刀打ちできない程度の激

しい燃焼、発熱になることがある。

火災防止に関する事項

工事中の火災予防対策改装工事をするときの注意事項
(1)倉庫内では、溶接、溶断、グラインダー切断等の工事は原則として行わない。
(2)やむを得ず行うときには次のことを実行する。
①施工者から作業予定表を提出させる。
②施工者と防火管理者が作業工程等について十分な連絡を行い、喫煙の管理など適切な措置をとる。
③保管貨物の近くで溶接等の作業は行わない。特に可燃物には注意する。
④火気使用の場合、周囲の保管貨物は移動する。
⑤移動できない保管貨物は、不燃材料でカバーし散水等の措置をする。
⑥消火準備を万全にしておく。
⑦工事は必ず倉庫側の立会人を配置する。
⑧工事終了後も定期的に巡回し、点検する。
(3)消防長または消防署長に届出する。
(4)保険会社へ忘れずに通知する、(修繕割増付保)
●工事が引き続き15日以上になるとき
●工事に火気を使用するとき
たばこによる火災予防対策  (1)倉庫及びその周辺では禁煙を徹底する。
(2)喫煙は指定場所でする。
●喫煙所は安全で見えやすいところに設置
●喫煙所の表示は見やすく、明確に
●喫煙所は整理・整頓・清潔に
●吸い殻の管理は完全に
灰皿には水をはる
一定時間に回収する
最期まで見届ける
近いところに消火用具を置く
(3)喫煙所以外での喫煙者には注意する。
●たとえ上司でも同僚でも
●お得意さんでも見学者でも
●外来の工事関係者でも
●外来の運転手さんでも
自然発火による火災予防対策(1)危険物(消防法第2条第7項)は危険品倉庫に保管する。
(2)商品知識を豊富にして商品に最適な保管管理をする。
●商品名だけでなく商品の物性等を確認する。
●商品の荷姿、性質、数量、倉庫の構造などをよく考えた保管を心がける。
●倉庫内の換気、温度、湿度などに注意する。
●「転倒無用」など積付け指定に注意する。
粉塵による爆発事故予防(1)粉塵の発生を抑制する ①建物及び機械設備の対策
●粉塵が堆積し難い構造、掃除しやすい構造の物を選定し、清掃をしやすいように設置
●ダクト等は屈曲部を作らず、粉塵の堆積を防止
●粉塵の飛散防止措置、飛散粉塵の捕集装置の設置
②発生した粉塵の清掃と発生源対策
(2)発火源対策として、火気使用を厳しく取り締まる
①溶接・溶断等裸火の禁止(作業時の火花に注意)
●設備稼働中における火気使用の禁止
●構内禁煙
②機械設備の保守管理(始業点検、定期点検の励行)(摩擦熱の発生防止)
●軸受けの潤滑油管理
●機械設備の変形及び異常接触の防止
●異常摩擦の防止
●金属片の除去
③電気設備の保守管理(電気器具の熱、スイッチ操作時の火花等に注意)
●設備の保守点検
●適正負荷の維持
●防爆型又は防塵機器の使用
④静電気除去(機器内部に発生した静電気を完全に機器外部に逃すこと)
⑤自然発火防止
●原材料の長期保管の回避
●高温環境の回避
(3)人的対策
①トップが安全ポリシーを明確にし、粉塵爆発についての知識と関心を持ち、責任体制を確立する。
②火気取締規則・手続、作業手順を定め守らせる。
③粉塵爆発の恐ろしさを教育する。
④規則、作業手順、機械設備の保守管理等について、教育・訓練をする。
⑤下請業者の教育も実施する。
(4)爆発が起こった場合の被害の軽減対策も重要である。
①建物の防火・耐火構造、防火間仕切りの設置
②作業場の粉塵の除去
③木綿製の作業着の着用(化学繊維は熱溶融して皮膚に付着する)
漏電による火災事故電気系統設備を定期的にチェックし、必要応じて計器測定を行い、常に安全状態を保つ。
・分電盤のヒューズは必ず適正なものを使う
・照明コードには簡易なビニールコードなど使用しない
・コードとソケットつり付け付近がショートしないよう、これらの熱による劣化に注意する
・ソケットの取り付けは大丈夫か、ソケットの端子やハンダ付はゆるんでいないか注意する。
・埋め込み式白熱電灯で、器具内の熱が直接電線に伝わる可能性があるものは、耐熱電線を使用する。
・器具内が鼠や油虫の巣にならないように注意する。
指定可燃物の爆発による火災事故対策化学製品、薬品などで取り扱い方法や性質がわからないものについては、荷主に問い合わせる、特に危険物、指定可燃物については、性質を熟知した上で、その取扱いに最前の方法をとります。
自動倉庫の火災防止対策・倉庫外から火種が持ち込まれないよう、入庫口やラック内に監視カメラや赤外線センサー等で温度や炎をチェックする。
・スプリンクラーヘッドの配置及び数の再検討並びに新しい消火システムの導入。
・内部で確実に消火するためのスプリンクラーの機能強化をする。
放火による火災事故対策・日頃整理整頓を励行し、倉庫の回りに廃材等燃えやすいものを置かない。
・倉庫軒下へのパレット保管等、やむを得ない場合は防災シート等で覆う。
・倉庫が無人になるときの警備体制を万全にする。
・ゴミは必ず収集日の朝に出す。(前日出しは絶対行わない)
・夜間、倉庫の周囲を照明で明るくする。
・塀や門扉等に破損等補修を必要とする箇所がある場合は、早急に修理を行う。
・夜間敷地内駐車中の車や荷役機械等からガソリンや軽油を抜き取られないよう、車両の管理を徹底する。
その他・化学製品、薬品等の性質、取扱い方法等について、不明事項は荷主に問い合わせておく。
・防火戸の開閉に支障を来す場所及び防火戸の近くに保管貨物その他の物を置かない。
・通路、避難路、階段に保管貨物等は置かない。
・貨物を入庫する際には、投げ捨てタバコの火種の紛れ込みに注意する。
・電気器具や配線に接近してはい付けをしない。
・自然発火の恐れのある保管貨物については温湿度を測り換気を十分にする。
・粉塵による爆燃の恐れある保管貨物については、換気に注意しまた清掃は十分にする。
・危険物、高圧ガスは、数量の多少に関わらず、危険品倉庫に保管しなければならない。
・指定可燃物、毒物
・劇物の保管は、それぞれの法令に適合する方法で保管する。
・定期的に絶縁点検(壁を貫く部分の配線の絶縁状態等)、ブレーカーの点検等を実施する。
・裸電球は、火災保険倉庫特約で禁止されています。やむを得ず使用するときは、適当な防御設備をつける。
・建物に電線が接触していないか注意する。
・倉庫建物内の事務所、詰所等火気を使用する施設が関係法令に適合しているか点検する。
・防火戸や防火シャッターが確実に作動するか点検する。
・フォークリフトには、排気筒からの火花を防止する装置をつける。
・消火用水は常に清潔に、かつ満タンにしておく。
・日常業務終了後、倉庫扉が完全に閉まっているか確認する。

地震防災に関すること

防災(復旧)組織の結成・各社の実情に応じて、予め防災対策本部を設置しておきましょう。
・復旧対策本部の自動設置 就寝時間外に震災が発生した場合、連絡を取りつつ対策本部を設置しようとしても、困難なケースが少なくない。そこで、例えば震度6以上の場合は自動的に対策本部を設置し、予め集まるべき人員、役割、場所を決めておく。
防災教育と訓練1 防災教育
緊迫した状況に加えて連絡手段もたたれたなかでは、通常の権限範囲を終えて判断し、行動することが求められます。緊急時には、現場に権限が委譲されることを明示し、素早く適切な判断がとられるよう、危機管理教育を行う必要があります。
チェックポイント
・地震防災の知識、心得等の習慣
・安全対策・防災機材の格納場所、各自の任務及び責任等の周知徹底。
・危機管理の社員教育
2 防災訓練
チェックポイント
① 防火訓練
・火気使用設備
・器具の使用停止
・ガス器具
・電気器具
・機械のスイッチを切る。
・各種消火器具の使用方法の習熟
② 緊急避難訓練
・その時、その場所にあった機敏な行動と一時退避
③ 救出教護訓練
・建物の倒壊、貨物のはい崩れ等による負傷者がいる場合を想定した救助、救出活動。
・負傷者に対する応急手当
・医療機関への搬送
④ 情報連絡訓練
・火災発生時における消防機関への通報
・社内の被害状況の把握と報告
・周辺の被害状況と把握と報告
・従業員及び家族の状況把握
⑤ 施設の点検と設備
3 設備の点検整備
① 点検整備を要する設備は以下のとおりです。危険・不良箇所を調べ、整備補強しておく必要があります。
区 分 内 訳
電気設備 構内電柱、建物引留(建物への引込み)、受変電設備、配管、
分電盤、照明器具、放送装置
給配水設備 受水槽、高架水槽、ポンプ、配管、消火栓、湯沸器等
空調定温設備 ボイラー、空調パッケージ、オイルタンク、クーリングタワー、
送風機、ポンプ、配管、プロパンガスボンベの固定
荷役設備 エレベーター、その他輸送設備類
② 設備に関する注意事項
・各種機械の非常停止装置の作動確認点検及び建築物に直接取り付けた工作物の落下防止
・火気を使用する設備器具が不燃材で区画した場所に設備されているか、また、自動消火(停止)装置は正しく作動するか。
・エレベーターはガイドレールの破損に備えて、受け金物を増設または補強
・消火用の配水管が庫内にあるところは、パイプの破損で貨物が水濡れを起こす。配水管等は戸外に設置することが望ましい。
・停電に対処するため、発電機を常備するとよい。
保管貨物の保全対策(1)はい付け
① 個々の包装貨物がお互いに絡み合うように積み付けることが望ましい。棒積み、ブロック積みは地震に弱いため、出来れば交互ブロック積み、レンガ積み、ピンホイール積みを採用します。ただし、これだけでは地震時の荷崩れ防止とはなりません。
② パレタライズ貨物の荷崩れ防止として貨物を緊締する方法があり、比較的優位です。
緊締する方法としては次のような方法があります。
・水平(垂直)バンド掛け ・角当て水平バンド掛け
・周縁アップ       ・スリップ止めシート挿入
・糊付け接着       ・水平バンド掛け糊付け接着
・シュリンク包装     ・ストレッチ包装
・ボックス枠
③ 木材や鋼管、樹脂管、ヒューム管などのはい付け
・長尺物(サッシ、ビニールパイプ等)は二カ所止めを励行し、かつ、立て保管の場合には、固定物等に緊縛し転倒を防止します。
・俵積みした積荷の両端の歯止めは十分な高の物を用い、枕木に固定します。
・はいの両端には積荷の高さの丈夫なポールを立て、ラック方式としておきます。
④ その他のはい付け
・重量貨物は下段に保管します。
・床荷重の制限を遵守し、オーバーロードを避けます
・貨物は戸前近くまではい付けしない。(はい崩れで扉が開かなくなる恐れがあります。) ・貨物に適合したパレットを使用します。
・パレタイズ貨物の左右間隔を荷役に支障を来さない程度に狭くします。
・庫内に余裕のある時は高積を避けます。
(2)混蔵
はい崩れした場合、容器等の破損により内容物が漏出し、他の貨物に二次的な被害を与える恐れのある貨物は極力混蔵を避けます。
① ビン入り液状貨物(ビール、飲料水等)とその他の貨物
② 化学薬品と食料品
③ 粉末状貨物(紙袋入り等)と機械類
(3)保管棚
①棚上保管にあっては、貨物の落下防止柵、または滑り止めを取り付けます。
②立体倉庫のパレット受け台には滑り出し防止のためのストッパーを取り付けます。
③棚と中二階の耐震性を強化します。(ブレースの適正配置、柱の上下固定と接続部分の強化、各棚相互間の緊結による一本化)
荷役作業の安全対策(1)作業時の安全確保
・ヘルメット、安全靴の着用を義務付けましょう。
・避難場所、避難通路を確保できるように積み付けましょう。
・倉庫の出入り口を明示しておきましょう。
・懐中電灯を常備しておきましょう。
・庫内で地震に遭遇した場合の避難行動を前もって周知、訓練し、平素から習慣付けておきましょう。
・取扱い貨物毎の作業手順書を作成し、貨物の特性、取扱い上の注意事項等を周知しておきましょう。
(2)はい崩し
・出庫の際は貨物を雛壇上にとります。
・パレット貨物のピッキングは平らにとります。
事務所内の安全対策①重要書類は耐火構造のケースに収納し、かつ、指定場所に保管します。また、重要書類は複数部数配置します。
②ロッカー、書棚等の転倒防止策を施します。
・多段重ねは原則的に行わない。やむを得ない場合は相互に連結。
・扉の引き出しの急激な開放、飛び出しを防ぐための処置の励行
③コンピュータ等事務機器の転倒防止の措置を施します。
・機器と台に滑り止め措置の実施。
・キャスターに移動防止措置の実施
④パッケージ型空調機、金庫等は転倒・移動の防止策を施します。
⑤間仕切り(特にガラス入り)についても転倒防止策を施します。
⑥避難経路と照明の確保をしておきます。
・避難経路の障害物を除去
・非常灯、誘導灯の常時点検補修
⑦天井灯の落下防止対策を施します。
・比較的破損が少ない固定方式の天井灯を採用。
・つり下げ方式の場合は三方か四方に鎖や紐を付けて天井に固定、揺れを防止。
⑧窓ガラスに破損防止対策または破損しても人体に危険が及ばないような措置をします。
・強化ガラス、網入りガラスの使用
・飛散防止フィルム(透明の粘着フィルム、ポリフィルム)の貼付。
被災後の安全対策(1)建物や設備の損壊状況の的確な把握
① 庫内への立ち入りは構造上の専門家のチェックを経た後にします。
② はい崩れを起こしていることが考えられるため、庫内にはチームを組んで入ります。
(2)被災貨物を整理する上での注意事項
①余震に注意しましょう。
②二次災害の防止と人身事故に細心の注意を払いましょう。
・荷崩れによる被災
・火災(油漏れによる発火、ガスに引火等)
・貨物の種類によっては、手袋していても触れると危険
・アルコール飲料の破損では、爆発が懸念される。要換気
③ヘルメット、安全靴は必ず着用しましょう。
④狭い庫内での作業となるので、作業方法、順位等を十分検討した後に行いましょう。
⑤被災貨物を速やかに整理するなどして、まず作業スペースを確保しましょう。
⑥避難場所、避難通路を確保、確認しておきましょう。
⑦高所作業には安全帯を用いましょう。
⑧上の貨物から片づける、無理しない、焦らないことが肝心です。(二次的損傷を防ぐことにより、貨物の損傷を最小限に止めます。)
⑨重機類による被災貨物の撤去作業に際しては、衝撃によるスパークに留意する。
⑩作業は通電後に行いましょう。
⑪その他
・ロットミックスに注意
・被災貨物の写真撮影は必要

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