倉庫業登録

「倉庫業を営まない倉庫」「完了検査済証が無い場合」でも倉庫業登録はできる?

倉庫業登録を受けるにあたっては、最も重要な添付資料になるのが、営業倉庫の建物に関する「建築確認済証」「完了検査済証」になります。

 

建築確認済証は、建築確認申請書の第1面から第5面がワンセットになりますので、こちらをご準備いただくことになります。

 

営業倉庫とは、第三者からの寄託を受けて荷物を預かり、物流業務を行うために営業目的で所有される倉庫を指します。
荷物の所有者の利益を保護するため、国土交通省が定める「倉庫業法」に基づいて運営されます。
営業倉庫を運営するには、国土交通省への倉庫業登録申請が必要で、未登録での営業は法律違反となります。

営業倉庫と自家用倉庫の違いは、主に使用目的と規制の厳しさにあります。
営業倉庫は第三者の荷物を安全に保管するのに十分とされる条件を満たす必要があります。
また、「管理責任者の設置」や「倉庫寄託約款の制定」など、建築物そのものの要件以外にも具体的な基準が設けらています。
一方、自家用倉庫は所有者自身の荷物を保管するための倉庫であり、営業倉庫ほどの規制はありません。
 
なお、営業倉庫には9つの種類(トランクルームを含む場合)があります。

建築確認済証(建築基準法第6条の2第1項の規定による確認済証)とは、建築物の工事に着手する前にその計画が建築基準法に適合するかどうかを審査し、内容が確認された場合に発行される証明書のことです。
建築確認済証には、建築場所(設置場所又は築造場所)や建築物の名称、主要用途などが記されています。
建築物の計画内容を確認したものであり、実際の工事がされた内容について判断したものではありません。

一方、完了検査済証(建築基準法第7条の2第5項の規定による検査済証)とは、工事途中の中間検査や工事完了時の完了検査の時点において、その工事が建築基準法に適合しているかどうかを検査し、合格した場合に発行される証明書になります。

営業倉庫にて、倉庫業登録を申請するには、この建築確認済証と完了検査済証をセットにして運輸局に提出する必要があります。

建築物の主要用途は、建設された建物の使用方法を記載したものです。
建築する際は、この「建築物の主要用途」が適用される建築基準を満たした構造にすることが求められます。

建築物の主要用途一覧はこちらのページ(外部リンク)から確認できます。

倉庫業登録を申請する場合、建築確認済証の「建築物の主要用途」の欄が、「倉庫業を営む倉庫」(コード番号08510)のとなっていることが原則として必要です。

建築確認済証を確認してみて、「倉庫業を営む倉庫」となっていれば、建築物の主要用途の要件はクリアしています。

一方、「倉庫業を営まない倉庫」(コード番号08520)や「工場」(コード番号08340)など、異なる分類だった場合は、営業倉庫を想定せずに倉庫が建設されていますので(自社倉庫としての使用など)、倉庫業登録の申請は原則として認められません。
 
ただし、「倉庫業を営む倉庫」以外として建設された倉庫であっても、倉庫業法が求める施設基準をクリアしているケースがあります。
この場合は、用途変更や自治体の見解確認を行うことで、倉庫業登録が可能となる場合があります。

弊社で倉庫業登録のご相談をいただく場合によくあるケースとして、昭和や平成初期に建設された倉庫で建築確認済証はあるものの完了検査済証がないということがよくあります。
 
完了検査は受けているが、証明書が紛失してしまっているケースであれば、自治体に記録が残っていれば完了検査済証に代わる証明書が発行されるケースがありますので、この場合は、倉庫業登録が可能となります。

しかし、同時期の倉庫では完了検査をそもそも受けていないケースもよく見受けられます。この場合厳格に適用すると違法建築物という扱いになるため、運輸局も倉庫業登録を受付けません。
 
完了検査は、建築完了後一定期間内でしか申請することができませんので、倉庫業登録を申請する段階で後付けで完了検査を受けることもできず、建築物の違法状態を治癒することができません。

完了検査を受けていない倉庫ですと、自治体や運輸局に事前相談にいくことが、違法建築物であることを認めてしまうことにもつながるため、簡単に行政側に相談することも難しいといえます。

弊社の実績

弊社では、上記に記載した「完了検査済証」を紛失したケース、「完了検査」をそもそも受けていないケースのいずれでも最終的に倉庫業登録に至ったケースがあります。

特に後者の「完了検査を受けていない倉庫」の場合は、自治体の建築確認を担当する部署との協議、建築士との協議が必要となり、対応が長期間に及びます。

このようなケースでお困りでしたら、ぜひ一度弊社へご相談ください。

サポート行政書士法人では、新規で倉庫業の登録をされる方から、すでに倉庫業登録を受けておられる皆さまに対して、倉庫業法に関する申請サポートやコンサルティングを行っております。

弊社の担当者は、全国の都道府県で申請実績がございます。ぜひご相談ください。