倉庫業登録

営業倉庫の用途地域

更新日:2024年3月20日


すでに建築されている建築物で倉庫業の登録を受ける際に、まずクリアしなければならないのが都市計画法により定められた用途地域の問題です。

 

地方自治体は、都市計画を定めるなかで「市街化区域」と「市街化調整区域」を定め、「市街化区域」にてさらに「用途地域」が定められています。

 

用途地域とは、様々な用途の建築物が無秩序に建築されることを防ぎ、地域ごとに合理的な立地規制、用途規制をしようとするものをいいます。

 

都市計画法では、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域の12種類の用途地域が定められています。

地域名定義営業倉庫の可否
第一種低層住居専用地域低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
床面積の合計が50m²までの住居を兼ねた一定条件の店舗や、小規模な公共施設、小中学校、診療所などを建てることが可能
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第二種低層住居専用地域主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
床面積の合計が150m²までの一定条件の店舗等を建てることが可能
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第一種中高層住居専用地域中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
床面積の合計が500m²までの一定条件の店舗等が建てられる。中規模な公共施設、病院・大学なども建てることが可能。
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第二種中高層住居専用地域主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
床面積の合計が1500m²までの一定条件の店舗や事務所等を建築することが可能。小規模のスーパー、その他やや広めの店舗・事務所が存在する。
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第一種住居地域住居の環境を保護するため定める地域
床面積の合計が3000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル等や、環境影響の小さいごく小規模な工場が建てられる。
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第二種住居地域主として住居の環境を保護するため定める地域
床面積の合計が10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、環境影響の小さいごく小規模な工場が建てられる。郊外の駅前や幹線道路沿いなど。アパートやマンションがあり、大きめのスーパーや商業店舗・事務所などがあるもの。
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準住居地域道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域
10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、小規模の映画館、車庫・倉庫、環境影響の小さいごく小規模な工場も建てられる。
近隣商業地域近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
ほとんどの商業施設・事務所のほか、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等のほか、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場も建てられる。延べ床面積規制が無いため、場合によっては中規模以上の建築物が建つ。
商業地域主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
ほとんどの商業施設・事務所、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場のほか、広義の風俗営業および性風俗関連特殊営業関係の施設も建てられる。延べ床面積規制が無く、容積率限度も相当高いため、高層ビル群も建てられる。
準工業地域主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
住宅や商店も建てることができる。ただし、危険性・環境悪化のおそれが大きい花火工場や石油コンビナートなどは建設できない。
工業地域主として工業の利便を増進するため定める地域
どんな工場でも建てられる。住宅・店舗は建てられる。学校・病院・ホテル等は建てられない。
工業専用地域工業の利便を増進するため定める地域
どんな工場でも建てられる。住宅・物品販売店舗・飲食店・学校・病院・ホテル等は建てられない。福祉施設(老人ホームなど)も不可。住宅が建設できない唯一の用途地域でもある。

 

上記の表にもあるように、営業倉庫の建築が可能となるのは、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域となり、倉庫業登録のためには、原則として倉庫が「営業倉庫」として建築されている必要がありますので、倉庫業登録が可能となるのもこの6種類の地域となります。

 

また、倉庫は、「市街化区域」ではなく「市街化調整区域」に建築されるケースも多くありますが、この場合は、「営業用倉庫」のようなかたちで開発許可を受けた倉庫でなければ、倉庫業登録の申請ができません。

 

すでに建設された倉庫で倉庫業登録を検討する場合は、建築確認済証を確認していただき、この建築確認済証の「用途地域」の欄を確認してください。

 

 

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