倉庫業登録

倉庫業登録の施設設備基準

更新日:2024年3月20日


このページでは、倉庫業登録を行う倉庫建物に求められる設備の基準について解説します。
また、特にお問い合わせの多い「一類倉庫」「危険品倉庫」「冷蔵倉庫」に関しては個別に詳しく解説しています。

倉庫業登録全般の施設設備基準

倉庫業登録の種類は、一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、

野積倉庫、水面倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫の8種類に分類されていますが、それぞれ求められる倉庫の施設設備基準が異なってきます。

それぞれの施設設備基準を種類に応じてまとめると以下のような表となります。

  

 施設設備基準第一類第二類第三類野積水面貯蔵槽危険品冷蔵
1倉庫及び敷地について所有権その他使用権原を有すること
2倉庫の種類ごとに国土交通大臣の定める建築基準法その他の法令の規定に適合してい ること
3土地に定着し、かつ、屋根及び周囲に壁を有する工作物であること    
4軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度が、国土交通大臣の定める基準に適合していること    
5構造及び設備が、倉庫内への水の浸透を防止するに足るものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること    
6土地からの水分の浸透及び床面の結露を防ぐため、床に国土交通大臣の定める防湿措置が講じられていること      
7国土交通大臣の定める遮熱措置が講じられていること      
8倉庫の設けられている建物が、耐火性能又は防火性能を有するものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること      
9危険物等を取り扱う施設その他の国土交通大臣の定める施設に近接する倉庫にあっては、国土交通大臣の定める災害防止上有効な構造又は設備を有すること   
10倉庫の設けられている建物内に事務所、住宅、商店等の火気を使用する施設又は危険 物等を取り扱う施設が設けられている場合にあっては、当該施設が、国土交通大臣の定めるところにより区画されていること    
11消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条に定めるところにより消火器等の消火器具が設けられていること(この場合において、倉庫の延べ面積が150平方メートル未満であるときは、これを延べ面積が150平方メートルの倉庫とみなして、同規則第6条の規定を適用する) 
12国土交通大臣の定める防犯上有効な構造及び設備を有していること  
13国土交通大臣の定めるそ害の防止上有効な設備を有していること      
14工作物又は土地であって、その周囲が塀、柵等の国土交通大臣の定める防護施設を持って防護されていること      
15国土交通大臣の定めるところにより照明装置が設けられていること     
16建物の屋上を野積倉庫として用いる場合にあっては、当該屋上の床の強度が国土交通大臣の定める基準に適合しているとともに、保管する物品が屋上から落下することを防ぐ措置が講じられていること      
17水面であってその周囲が築堤その他の国土交通大臣の定める工作物をもって防護されていること       
18高潮等による保管する物品の流出を防止するため、周囲の防護施設に保管する物品を係留する等の措置が講じられていること       
19土地に定着し、かつ周壁により密閉された貯蔵槽であること       
20周壁の側面及び底面の強度が国土交通大臣の定める基準に適合していること       
21倉庫内の要所に、倉庫内と外部との連絡のための通報機その他の設備を有すること       
22冷蔵室の保管温度が常時摂氏10度以下に保たれるものとして国土交通大臣の定める基準を満たしていること       
23見やすい場所に冷蔵室の温度を表示する温度計が設けられていること       

一類倉庫の施設設備基準

1 関係法令への適合性

一類倉庫は、以下の法令に適合していることを要します。

建築基準法(告第2条第1号)特殊建築物に該当する倉庫として使用される部分の面積が100㎡以上の建築物その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫については、建築基準法の規定(建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定(後述)を含む。)に適合していることを要する。
建築基準関係規定(告第2条第2号)建築基準法第6条第1項各号に該当しない倉庫については、建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定のうち以下に掲げるものに適合していることを要する。
(1) 消防法第17条第1項
倉庫は、消防法上防火対象物とされているため、消防法第17条第1項に定める技術上の基準に従って、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持することを要する。
(2) 港湾法第40条第1項
港湾法第39条第1項の規定に基づき港湾管理者が分区を設定している地域に設けられる倉庫にあっては、同条第40条第1項の規定により当該分区の用途に適合していることを要する。
(3) 都市計画法第29条第1項又は第2項
都市計画区域等に設けられる倉庫にあっては、都市計画法第29条第1項又は第2項に規定するところによりその建築に際し開発許可を取得していることを要する。

2 土地への定着性等

「土地」とは、陸地のみならず、建築可能な水面、海底等を含み、「土地に定着」とは、「土地」に定常的に定着されている状態を指す。 従って、陸地に建てられた倉庫のみならず、桟橋等に繋留された水面タンク等動力を有さず、移動にタグボート等を要する等容易に移動できない工作物にあっては土地に定着していると認められるが、土地に置かれたコンテナ(ボルト等で地盤に固定されている場合を除く。)等容易に撤去可能な工作物又は船舶、車両等動力を有しており、容易に移動できる工作物は、土地に定着しているとは認められない。

3 軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度

軸組み、外壁又は荷ずりの強度(1)軸組み、外壁又は荷ずりは、2500N/㎡以上の荷重に耐えられる強度を有していなければならない(告第3条第1項)。
軸組み、外壁又は荷ずりが2500N/㎡以上の荷重に耐えられる強度を有している倉庫とは、以下のものをいう。 なお、外壁に窓その他の開口部が設けられている場合であって、当該開口部の幅及び高さがいずれも内法寸法で1m以上である場合にあっては、当該開口部の設けられている部分は十分な強度を有している外壁とは認められない。 ただし、当該開口部が下地板、角材等により補強されている場合、鉄格子により防御されている場合、開口部にJIS規格S-6グレード以上の建具が設けられている場合等十分な強度を有すると認められる場合にあっては、この限りではない。
a 建築基準法の基準に適合する鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、補強コンクリートブロック造又は煉瓦造、石造、コンクリートブロック造りその他の組積造の倉庫
b 鉄骨造又は木造の軸組みを有する倉庫であって、以下のいずれかに該当するもの
・76cm以下の間隔で設けられた荷ずり及び90cm以下の間隔で設けられた胴縁を有するもの
・下地板又は内壁(木板、木毛セメント板又は石膏ボードの類にあっては厚さ1. 2cm以上、硬質木片セメント板、合板の類にあっては厚さ0.9cm以上のものに限る。)を有するとともに、90cm以下の間隔で設けられた胴縁を有するもの
c プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板若しくはセメント成型板の外壁を有すること又はこれら以外のパネル製の外壁を有している倉庫であり、かつ、当該パネルの許容荷重が2500N/㎡以上となるように、当該パネルの長さ(1枚のパネルであっても、間柱・胴縁等により支持されている場合にあっては、当該間柱・胴縁の間隔分の幅を有する複数枚のパネルであるものとして取り扱うこととする。)が設定されているもの。
※パネルの基準適合性を審査する場合にあっては、パネルを製造したメーカー等の作成した、パネルの長さと許容荷重との相関関係を表にした資料等を適宜参考にすること。
d a~cの基準に該当しない構造であってメーカー、民間の建築士事務所その他の者の行った検査により、当該軸組み、外壁又は荷擦りが2500N/㎡以上の荷重に耐えられる強度を有することが証明できるもの  

(2) 「荷崩れのおそれのない措置」として以下の措置が講じられている場合にあっては、軸組み、外壁又は荷擦りが(1)の基準を満たしていることを要しない(告第3条第1項ただし書き)。
a ラックを使用して貨物を保管している場合又は貨物を平積みにしている場合等、保管の態様又は貨物の性状からみて、荷崩れが発生する危険のない場合。
※この場合にあっては、倉庫の図面中においてラックの配置状況及び構造の概要を示すこととする。
b 外壁から離れた場所(外壁から貨物の高さと同じ距離(高さが6m以上の場合にあっては、6mの距離)をとることとする。)に貨物を配置している場合等荷崩れが発生した場合でも貨物の配置上外壁に損傷を与えるおそれがない場合。
※この場合にあっては、倉庫の図面中において貨物の配置箇所を明示しておくとともに、倉庫内においても白線を引く等により当該箇所を明示の上、指定箇所外に貨物を置かないように当該倉庫業者において従業員に周知徹底を図るものとする。
なお、庫内の貨物が、貨物の性状から見て一定の高さ以上に積まれることのない場合にあっては、外壁のうちその高さより上の部分については、bに該当するものとして取り扱うこととするが、この場合についても、同様に貨物を置く高さの上限を壁に白線を引く等により明示した上で、その高さ以上に貨物を積まないように当該倉庫業者において従業員に周知徹底を図るものとする。
床の強度(1) 床は、3900N/㎡以上の積載荷重に耐える強度を有していなければならない(告第3条第2項)。
(2) 建築確認を要する倉庫にあっては、建築基準法施行令第85条第3項の規定により、営業倉庫の床は3900N/㎡以上の積載荷重に耐える強度を要するとされていることから、告第1条第1項第1号に定める書類の提出をもって、当該基準を満たしているものとして取り扱うこととする。
(3) 建築確認を要しない倉庫にあっては、民間の建築士事務所その他の検査機関の行った検査により、当該床が3900N/㎡以上の積載荷重に耐えられる強度を有していることを証明することとする。

4 水の浸透を防止する構造及び設備

水の浸透を防止する構造(1) 屋根の構造(告第4条第1項第1号)
屋根は、倉庫内への屋根からの水の浸透を防止するため、以下の構造のうちのいずれかであることを要する。
a 波型鉄板葺、瓦棒葺、折板構造、ルーフデッキ構造(瓦棒型ルーフデッキを含む。)等の金属板葺のもの(告第4条第1項第1号イ)
b 鉄筋コンクリート、プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板等で造られているもので、表面に防水塗装が塗布されている等有効な防水措置が講じられていると認められるもの(告第4条第1項第1号ロ)
c a又はbに掲げるもののほか、スレート葺の屋根で裏地に下地板を張ったもの等これらと同等以上に倉庫内への水の浸透の防止上有効な構造であると認められるもの(告第4条第1号ハ)
(2) 外壁の構造(告第4条第1項第2号)
外壁は、倉庫内への外壁からの水の浸透を防止するため、以下の構造のうちのいずれかであることを要する。
a 波形鉄板その他の金属板張のもの(告第4条第1項第2号イ)
b モルタル塗のもので、下地にラスシートその他の鉄板を全面的に使用したもの又は鉄網モルタル塗のもので、裏面に下地板及びアスファルトフェルト、アスファルトルーフィングその他の防水紙を張ったもの(告第4条第1項第2号ロ)
c 鉄筋コンクリート造のもので表面への防水塗装の塗布等有効な防水措置が施されているもの又は金属系複合板張、プレキャストコンクリート板張又は軽量気泡コンクリート板張(防水塗装の塗布等表面に有効な防水措置を施してあるものに 限る。)のもので、各接合部分に目地コーキング処理等の有効な防水措置が講じられていると認められるもの(告第4条第1項第2号ハ)
d a~cに掲げるもののほか、スレート張の外壁で裏地に下地板を張ったもの等これらと同等以上に倉庫内への水の浸透の防止上有効な構造であると認められるもの(告第4条第2項第2号ニ)
水の浸透を防止する設備(告第4条第2項)倉庫内への水の浸透を防止するため、以下の設備基準に適合していることを要する。
(1)雨水を有効に排出できる雨樋を有すること(告第4条第2項第1号)。
(2)倉庫又は倉庫と隣接して設けられた設備(倉庫と区画されていないものに限る。)の内部(以下「倉庫内等」という。)に樋及びこれに伴う排水路並びに水を使用する設備が設けられていないこと(告第4条第2項第2号)。
「倉庫と隣接して設けられた設備(倉庫と区画されていないものに限る。)」
とは、倉庫に隣接する作業場、プラットホーム等の設備であって、壁等により倉庫と区画されておらず、当該設備内に浸透した水が直接倉庫内にも流入する可能性のある構造となっているものを指す。
「水を使用する設備」とは、ウォータークーラー、手洗所、浴室その他の設備又は保管物品を洗浄するための洗浄槽等の設備を指す。
倉庫内等においては、樋及びこれに伴う排水路や水を使用する設備を設けることは原則として許されないが、以下に該当する場合にあっては、この限りではない(告第4条第2項第2号ただし書き)。
a 谷樋にあっては、十分な水勾配がとられており、かつ、溢水を防ぐため十分な防水措置が講じられていること(告第4条第2項第2号イ)。
b 水を使用する設備の周囲に堰が設けられている等当該設備から倉庫内等へ水が浸透しないよう適切な措置が講じられていること(告第4条第2項第2号ロ)。
「適切な措置」とは、水を使用する設備から水が流出した際に、倉庫内への水の浸透を防ぐため、当該施設を壁又は防水シートにより区画すること(当該施設で氷等を使用する場合にあっては、施設から漏出した冷気による貨物への結露防止のため、必ずビニールシート等により区画することとする。)、周囲に堰を設けること等の措置をいう。
c 樋又は水を使用する設備に付随する排水路(倉庫内等に設けられているものに限る。)にあっては、十分な水勾配がとられているとともに、耐重型の蓋の備付け、地下埋設等溢水防止のための措置が講じられていること(告第4条第2項第 2号ハ)。

5 床の防湿措置

一類倉庫の床については、土地からの水分の浸透及び床面の結露を防ぐため、以下のうちいずれかの措置が講じられていなければなりません(告第5条)。

床面にアスファルト舗装が施されていること(告第5条第1号)。
床がコンクリート造のものにあっては、コンクリートの下にポリエチレンフィルム等の防水シートが敷き詰められていること、又はコンクリートの表面に金ごて押え等により有効な防湿措置が講じられていること(告第5条第2号)。
床がコンクリート板敷又は煉瓦敷のものにあっては、有効な防湿措置が講じられて いること(告第5条第3号)。
床が板敷のものにあっては、床組部分の通風のため、床下換気孔が設けられていること(告第5条第4号)。
前各号に掲げるもののほか、これらと同等以上に土地からの水分の浸透及び床面の 結露の防止上有効な構造であると認められる措置が講じられていること(告第5条第5号)。

6 遮熱措置

「熱貫流率」とは、熱エネルギーが、ある壁を通して屋外から屋内へ伝わるときの 「熱の伝わりやすさ」を表す数値であり、屋外と屋内の温度差1℃ごとに、1㎡の面積を1秒間に通過する熱量(単位:W)を表す数値である。
この数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能の高い壁ということになる。
一類倉庫においては、遮熱のため屋根、外壁及び開口部の熱貫流率の平均値(以下 「平均熱貫流率」という。)が4.65W/㎡・K以下となるように措置されていなければならない(告第6条)。ただし、以下の場合にあっては、上の基準に適合しているものとして取り扱うことができる。
(1) 当該倉庫が天井を有する場合
(2) 当該倉庫が建築基準法第2条第7号に規定する耐火構造又は同条第7号の2に規定する準耐火構造の屋根及び外壁(同条第9号の3ロの規定により、準耐火構造 として認められる金属板一枚張りの屋根及び外壁にあっては、下地板を有するも のに限る。)を有している場合
(3) 当該倉庫が建築基準法第2条第8号に規定する防火構造の屋根及び外壁を有している場合。ただし、以下に該当する倉庫にあっては、この限りではない。
a 屋根又は外壁が単一の材料をもって作られている倉庫
b 屋根又は外壁が複数の材料をもって作られている倉庫であって、構造材の一部に金属板が使用されているもの
c 屋根又は外壁が複数の材料をもって作られている倉庫であって、その全てがセメント板系又は珪酸カルシウム板系であるもの
ハ ニ平均熱貫流率は、数式により算出することとする。なお、民間の検査機関等 の検査により、平均熱貫流率の数値を提出できる場合にあっては、当該数式によることを要しない。
以下の場合に該当する倉庫にあっては、有効な遮熱措置がとられているものとして取り扱うことができる。
(1) メーカー、民間の建築士事務所その他の者の行った検査により当該倉庫の平均熱貫流率が4.65W/㎡・K以下であるものと認められる場合
(2) 換気扇、空調装置その他の排熱上一定の効果を有する設備の設置により、当該倉庫の平均熱貫流率を4.65W/㎡・K以下に抑えることができると認められる場合

7 耐火性能又は防火性能

「耐火性能又は防火性能」を有する構造とは、以下のものを指す(告第7条)。

建築基準法第2条第8号に定める防火構造であり、かつ、その外壁のうち同法第2 条第6号に定める延焼の恐れのある部分に設けられた開口部に同法第2条第9号の2ロに定める防火設備(防火戸に限る。)を有するもの
建築基準法第2条第9号の2に定める耐火建築物であるもの
建築基準法第2条第9号の3に定める準耐火建築物であるもの

8 災害防止上有効な構造又は設備

国土交通大臣の定める施設(告第8条第1項)(1) 「国土交通大臣の定める施設」とは、以下のものを指す。
a 建築基準法第2条第4号の居室を有する施設であって倉庫の外壁から3m未満の範囲に存在するもの(告第8条第1項第1号)。
「居室を有する施設」とは、事務所、労務員詰所、商店、住宅等居住、執務等の用に継続的に使用される施設を指す。
b 業務上火気を使用する施設であって倉庫の外壁から5m未満の範囲に存在するもの(告第8条第1項第2号)。
「業務上火気を使用する施設」とは、工場、ごみ焼却場、浴場等何らかの事業を営んでおり、その用に供するため火気を継続的に使用する施設を指す。
c 消防法第2条第7項に定める危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所、高圧ガス保安法第2条に定める高圧ガスの製造所(冷凍のためのものを除く。)、販売所及び 貯蔵所又は火薬類取締法(昭和25年法律第 149号)第2条に定める火薬類の製造 所及び貯蔵所であって倉庫の外壁から10m未満の範囲に存在するもの(告第8条第1項第3号)
(2) 倉庫に近接する施設が(1)に挙げたものに該当する場合であっても、以下に該当する場合にあっては、本号の適用対象から除かれる(告第8条第1項ただし書き)。
a 倉庫と倉庫に近接する施設との間に災害防止の目的を達することができる自立した工作物が設けられている場合
「災害防止の目的を達することができる自立した工作物」とは、倉庫と施設との間に設けられた防爆壁等の工作物で、当該施設で発生した火災等の事故の際に倉庫に被害が及ぶのを防ぐことができるように鉄筋コンクリート造等の堅固な構造を有しており、かつ、倉庫の外壁、軒裏及び屋根を全て防護することができるものでなければならない。 ただし、当該施設の高さが倉庫に比して著しく低い場合等にあっては、施設の高さから通常想定される程度の災害の防止上有効な高さを有する工作物をもって足りる。
b 倉庫に近接する施設の屋根及び外壁が耐火構造であり、かつ、倉庫に面する側の外壁に設けられた開口部に防火設備を有している場合
国土交通大臣の定める構造及び設備(告第8条第2項)(1) イa又はbに該当する施設に近接する倉庫にあっては、当該施設に面する倉庫の外壁のうち次図に示す部分を防火構造とし、かつ、当該部分に設けられた開口部に防火設備を有していなければならない(告第8条第2項第1号)。
(2) イcに該当する施設に近接する倉庫にあっては、当該施設に面する倉庫の外壁のうち次図に示す部分を耐火構造又は準耐火構造とし、かつ、当該部分に設けられた開口部に建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第112条第1項の特定防火設備 (防火戸に限る。)を有していなければならない(告第8条第2項第2号)。

9 防火区画

火気又は危険物等を取り扱う施設a「火気を使用する施設」とは、規則中に挙げられているもののほか、宿直室、労務員詰所、喫煙所等の施設又は焼却炉、ボイラー等の火気を取り扱う施設を指す。
b「危険物等を取り扱う施設」とは、消防法第2条第7号の危険物、高圧ガス保安法第2条の高圧ガスその他の爆発しやすい物品又は極めて燃焼しやすい物品を取り扱う施設を指す。
 上のa又はbに該当する施設が倉庫の設けられた建物内に存在する場合は、以下に定めるところにより区画されていなければならない(告第9条)。 a 倉庫の設けられている建物が耐火建築物又は準耐火建築物である場合にあっては、火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が建築基準法施行令第112条第10項、第11項、第15項及び第16項並びに同令第115条の2の2第1項第1号の基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備により区画されていること(告第9条第1号) b 倉庫の設けられている建物が耐火建築物又は準耐火建築物以外の建築物である場合にあっては、火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が建築基準法施行令第113条第1項の基準に適合する防火壁等により区画されていること(告第9条第2号)。

10 消火器具

消火器具の設置は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条の基準に適合していること。 なお、当該基準の適用されない床面積150㎡未満の倉庫にあっては、床面積150㎡の倉庫であるものとして当該基準を適用すること。

11 防犯上有効な構造及び設備

「防犯上有効な構造及び設備」とは、以下のものを指す。

出入口扉及び錠(告第10条第1号)倉庫の出入口に扉が備え付けられており、かつ、施錠できなければならない。
開口部からの侵入を防ぐ措置(告第10条第2号)侵入のおそれのある開口部には、鉄格子を備え付ける、網入り又は線入りガラスにより閉塞する等開口部からの侵入を防ぐ措置が講じられていなければならない。
照明装置(告第10条第3号)(1) 基本用語
照明装置の性能を測定する際の基本用語は、次の通りとする。
a 照度 ある面に対する、単位面積当たりの光の照射量を表す。単位:lx(ルクス)
b 光束 光源から出る可視光の総量を表す。単位:lm(ルーメン)
c 光度 光源から出る可視光の量で、ある一方向に発されている光の量を表す。単位:cd(カンデラ)
(2) 照明装置の基準
照明装置は、夜間、倉庫の出入口 の周辺部中灰色で示された部分において、地上高1.5mの部分で2lx(4m離れた場所から見て人間の顔が判別できる程度の明るさ)以上の直接照度が確保できるように設けられていなければならない。
なお、倉庫の出入口付近に街路灯等が設置されている場合であって、恒常的に上の照度が確保できると認められる場合にあっては、倉庫側において照明装置の設置を要しない。
(3) 直接照度の算出方法 ある測定点における直接照度の値は、数式により算出された値とする。なお、ある測定点が複数の光源により照らされている場合にあっては、それぞれの光源ごとに以下の数式により直接照度の値を算出し、その合計をもって当該測定点の直接照度の値とする。
警備体制(告第10条第4号)倉庫においては、盗難等の防止上警備業法(昭和40年法律第117号)第2条第5項に定める警備業務用機械装置の設置その他これと同等以上の警備体制を有していなければならない。 「警備業務用機械装置」とは、庫内における事故の発生を感知し、当該倉庫の警備を請負う警備業者その他の者に通報するセンサーを指す。
業務時間外に宿直を置く場合、24時間体制で荷役業務等を行っている場合等倉庫又はこれに付随する施設内に常に人が所在している場合にあっては、このような警備業 務用機械装置の設置と「同等以上の警備体制」を有しているものとして取り扱うこととする。
隣接部分からの遮断(告第10条第5号)「隣接部分」とは、倉庫が設けられている建物内に当該倉庫と隣接する形で設けられた事業所、商店、住宅等の施設であって、倉庫関係者(倉庫業者本人若しくはその使用する荷役労務員又は寄託者等を指す。)以外の者が管理するものを指す。 倉庫においては、倉庫と無関係の者が容易に出入りできることは防犯上望ましくないことから、倉庫全体を壁で区画し、倉庫と隣接部分とをつなぐ開口部を閉鎖しておく等このような隣接部分から倉庫を遮断することを要する。
なお、寄託者の流通加工施設、寄託者の手配した検査員の検品スペースを庫内に設ける場合等隣接部分を当該倉庫に係る寄託者又はその関係者の用に供する場合であっては、防犯上の配慮を要しないことから遮断措置は不要である。

12 そ害の防止設備

「そ害の防止設備」とは、以下のものを指す(告第11条)。

地窓及び下水管又は下水溝に通じる部分からの庫内への鼠の侵入を防止するために設けられた金網等の設備
出入口が、扉により密閉できない構造となっている場合にあっては、出入口の閉鎖時において当該出入口からの鼠の侵入を防ぐために設けられた鼠返し等の設備

危険品倉庫の施設設備基準

1 関係法令への適合性

危険品倉庫は以下の関係法令に適合していることを要します。

建築基準法(告第2条第3号イ)建屋又は貯蔵槽による保管を行うもので、床面積が100㎡以上のものにあっては、 建築基準法の基準への適合性を要する(特殊建築物に該当する倉庫として使用される部分の面積が100㎡以上の建築物その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫については、建築基準法の規定(建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定を含む。)に適合していることを要する。)。
建築基準関係規定(告第2条第3号ロ)建屋又は貯蔵槽による保管を行うもので、床面積が100㎡未満のもの又は野積による保管を行うものにあっては、以下の規定への適合性を要する。
(1) 消防法第17条第1項(2-1ロ(1)参照)
(2) 港湾法第40条第1項(2-1ロ(2)参照)
(3) 都市計画法第29条第1項又は第2項(2-1ロ(3)参照)
保管物品に係る関係法令保管物品の性質に応じ、以下の関係法令に適合していることを要する。
(1) 消防法第11条(告第3条第3号ハ)
消防法第2条第7項に規定する危険物を指定数量以上保管する倉庫にあっては、同法第11条の規定により危険物貯蔵所の設置の許可を取得していることを要する。
(2) 高圧ガス保安法第16条第1項(告第3条第3号ニ)
高圧ガス保安法第2条に規定する高圧ガスを保管する倉庫であって、第16条第1項に規定する第1種貯蔵所に該当するものについては同条の許可を取得していることを、同法第17条の2第1項の第2種貯蔵所に該当するものについては同条の届出 をしていることを要する。
(3) 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第36条第1項(告第3条第3号ホ)
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第2条第1項に規定する液化石油ガスを保管する倉庫にあっては、同法第36条第1項の貯蔵施設の設置の許可を取得していることを要する。
(4)石油コンビナート等災害防止法第5条第1項(告第3条第3号ヘ)
石油コンビナート等災害防止法第2条第4号に規定する第1種事業所(石油貯蔵所等を設置する事業所であり、かつ、高圧ガス保安法第5条第1項の許可を受ける必要のある事業所に限る。)である倉庫にあっては、同法第5条第1項の規定による届出を行っていることを要する。

2 建屋又は貯蔵槽による保管を行う危険品倉庫の施設設備基準

建屋又は貯蔵槽による保管を行う危険品倉庫は、以下の基準を満たす必要がある。

(1) 消火器具

消火器具の設置は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条の基準に適合していること。 なお、当該基準の適用されない床面積150㎡未満の倉庫にあっては、床面積150㎡の倉庫であるものとして当該基準を適用すること。

(2) 防犯上有効な構造及び設備

「防犯上有効な構造及び設備」とは、以下のものを指す。

出入口扉及び錠(告第10条第1号)倉庫の出入口に扉が備え付けられており、かつ、施錠できなければならない。
開口部からの侵入を防ぐ措置(告第10条第2号)侵入のおそれのある開口部には、鉄格子を備え付ける、網入り又は線入りガラスにより閉塞する等開口部からの侵入を防ぐ措置が講じられていなければならない。
照明装置(告第10条第3号) (1)基本用語
照明装置の性能を測定する際の基本用語は、次の通りとする。
a 照度 ある面に対する、単位面積当たりの光の照射量を表す。単位:lx(ルクス)
b 光束 光源から出る可視光の総量を表す。単位:lm(ルーメン)
c 光度 光源から出る可視光の量で、ある一方向に発されている光の量を表す。単位:cd(カンデラ)
(2) 照明装置の基準
照明装置は、夜間、倉庫の出入口 の周辺部中灰色で示された部分において、地上高1.5mの部分で2lx(4m離れた場所から見て人間の顔が判別できる程度の明るさ)以上の直接照度が確保できるように設けられていなければならない。
なお、倉庫の出入口付近に街路灯等が設置されている場合であって、恒常的に上の照度が確保できると認められる場合にあっては、倉庫側において照明装置の設置を要しない。
(3) 直接照度の算出方法
ある測定点における直接照度の値は、数式により算出された値とする。なお、ある測定点が複数の光源により照らされている場合にあっては、それぞれの光源ごとの数式により直接照度の値を算出し、その合計をもって当該測定点の直接照度の値とする。
警備体制(告第10条第4号)倉庫においては、盗難等の防止上警備業法(昭和40年法律第117号)第2条第5項に定める警備業務用機械装置の設置その他これと同等以上の警備体制を有していなければならない。
「警備業務用機械装置」とは、庫内における事故の発生を感知し、当該倉庫の警備を請負う警備業者その他の者に通報するセンサーを指す。
業務時間外に宿直を置く場合、24時間体制で荷役業務等を行っている場合等倉庫又はこれに付随する施設内に常に人が所在している場合にあっては、このような警備業務用機械装置の設置と「同等以上の警備体制」を有しているものとして取り扱うこととする。
隣接部分からの遮断(告第10条第5号)「隣接部分」とは、倉庫が設けられている建物内に当該倉庫と隣接する形で設けられた事業所、商店、住宅等の施設であって、倉庫関係者(倉庫業者本人若しくはその使用する荷役労務員又は寄託者等を指す。)以外の者が管理するものを指す。 倉庫においては、倉庫と無関係の者が容易に出入りできることは防犯上望ましくないことから、倉庫全体を壁で区画し、倉庫と隣接部分とをつなぐ開口部を閉鎖しておく等このような隣接部分から倉庫を遮断することを要する。
なお、寄託者の流通加工施設、寄託者の手配した検査員の検品スペースを庫内に設ける場合等隣接部分を当該倉庫に係る寄託者又はその関係者の用に供する場合であっては、防犯上の配慮を要しないことから遮断措置は不要である。

3 野積による保管を行う危険品倉庫の施設設備基準

野積による保管を行う危険品倉庫は、以下の基準を満たす必要がある。

(1)消火器具消火器具の設置は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条の基準に適合していること。 なお、当該基準の適用されない床面積150㎡未満の倉庫にあっては、床面積150㎡の倉庫であるものとして当該基準を適用すること。
(2)防護施設等野積倉庫の「防護施設」とは、倉庫の周囲に設けられた塀、柵、格子、鉄条網等の遮蔽物であって、1.5m以上の高さを有しており、かつ、容易に破壊できない強度を有するものを指す。野積倉庫が水面に面している場合にあっては、岸壁(最高水面から1.5 m以上の高さを有するものに限る。)をもって防護施設とすることができる(告第13条)。
なお、他の建物の敷地内に野積倉庫を設ける場合であって、当該建物の周囲に上と同等以上の防護施設が設けられている場合にあっては、これをもって野積倉庫の防護施設とすることができる。この場合、野積倉庫の周囲に白線を引く等野積倉庫の位置を明示するための措置を要する。
(3)照明装置イ 野積倉庫の照明装置は、倉庫の周囲(倉庫の周囲の防護施設を中心とする半径1mの領域を指す。)において、1.5mの高さの部分で2lx以上の水平面照度が確保できることを要する。
ロ 野積倉庫が他の種類の倉庫、関連会社の工場の敷地内等に設けられており、当該倉庫等において外灯が措置されている場合その他野積倉庫が設けられている施設内に外灯が設けられており、上の照度が恒常的に確保できると認められる場合にあっては、野積倉庫において照明装置の設置を要しない。

冷蔵倉庫の施設設備基準

1 関係法令への適合性

冷蔵倉庫は、以下の関係法令へ適合していることを要します。

建築基準法(告第2条第4号イ)特殊建築物に該当する倉庫として使用される部分の面積が100㎡以上の建築物その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫については、建築基準法の規定(建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定(後述)を含む。)に適合していることを要する。
建築基準関係規定(告第2条第4号ロ)建築基準法第6条第1項各号に該当しない倉庫については、建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定のうち以下に掲げるものに適合していることを要する。
(1)消防法第17条第1項
倉庫は、消防法上防火対象物とされているため、消防法第17条第1項に定める技術上の基準に従って、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持することを要する。
(2) 港湾法第40条第1項
港湾法第39条第1項の規定に基づき港湾管理者が分区を設定している地域に設けられる倉庫にあっては、同条第40条第1項の規定により当該分区の用途に適合していることを要する。
(3) 都市計画法第29条第1項又は第2項
都市計画区域等に設けられる倉庫にあっては、都市計画法第29条第1項又は第2項に規定するところによりその建築に際し開発許可を取得していることを要する。
高圧ガス保安法(告第2条第4号ハ)圧縮式冷凍機を使用している冷蔵倉庫にあっては、このような設備は高圧ガス保安法上の高圧ガスの製造施設に該当することから、その冷凍能力に応じ、同法第5条第1項の許可を取得していること又は同条第2項の届出をしていることを要する。
食品衛生法(告第2条第4号ニ)食品衛生法第4条第1号の食品を保管する冷蔵倉庫は、食品衛生法施行令第35条第17号の「食品の冷凍又は冷蔵業」に該当することから、当該営業に係る同法第52条第1項の許可を取得していることを要する。

2 一類倉庫の基準のうち、以下の基準を除いた全ての基準を満たしていなければならない

床の防湿措置一類倉庫の床については、土地からの水分の浸透及び床面の結露を防ぐため、以下のうちいずれかの措置が講じられていなければならない(告第5条)。
イ 床面にアスファルト舗装が施されていること(告第5条第1号)。
ロ 床がコンクリート造のものにあっては、コンクリートの下にポリエチレンフィルム 等の防水シートが敷き詰められていること、又はコンクリートの表面に金ごて押え等により有効な防湿措置が講じられていること(告第5条第2号)。
ハ 床がコンクリート板敷又は煉瓦敷のものにあっては、有効な防湿措置が講じられていること(告第5条第3号)。
ニ 床が板敷のものにあっては、床組部分の通風のため、床下換気孔が設けられていること(告第5条第4号)。
ホ 前各号に掲げるもののほか、これらと同等以上に土地からの水分の浸透及び床面の結露の防止上有効な構造であると認められる措置が講じられていること(告第5条第5号)。  
遮熱措置イ 「熱貫流率」とは、熱エネルギーが、ある壁を通して屋外から屋内へ伝わるときの「熱の伝わりやすさ」を表す数値であり、屋外と屋内の温度差1℃ごとに、1㎡の面積を1秒間に通過する熱量(単位:W)を表す数値である。
この数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能の高い壁ということになる。
ロ 一類倉庫においては、遮熱のため屋根、外壁及び開口部の熱貫流率の平均値(以下「平均熱貫流率」という。)が4.65W/㎡・K以下となるように措置されていなければならない(告第6条)。ただし、以下の場合にあっては、上の基準に適合しているものとして取り扱うことができる。
(1) 当該倉庫が天井を有する場合
(2) 当該倉庫が建築基準法第2条第7号に規定する耐火構造又は同条第7号の2に規 定する準耐火構造の屋根及び外壁(同条第9号の3ロの規定により、準耐火構造として認められる金属板一枚張りの屋根及び外壁にあっては、下地板を有するものに限る。)を有している場合。
(3) 当該倉庫が建築基準法第2条第8号に規定する防火構造の屋根及び外壁を有して いる場合。ただし、以下に該当する倉庫にあっては、この限りではない。
a 屋根又は外壁が単一の材料をもって作られている倉庫
b 屋根又は外壁が複数の材料をもって作られている倉庫であって、構造材の一部に金属板が使用されているもの
c 屋根又は外壁が複数の材料をもって作られている倉庫であって、その全てがセメント板系又は珪酸カルシウム板系であるもの
ハ 以下の場合に該当する倉庫にあっては、有効な遮熱措置がとられているものとして取り扱うことができる。
(1) メーカー、民間の建築士事務所その他の者の行った検査により当該倉庫の平均熱貫流率が4.65W/㎡・K以下であるものと認められる場合
(2) 換気扇、空調装置その他の排熱上一定の効果を有する設備の設置により、当該倉庫の平均熱貫流率を4.65W/㎡・K以下に抑えることができると認められる場合  
耐火性能又は防火性能「耐火性能又は防火性能」を有する構造とは、以下のものを指す(告第7条)。
イ 建築基準法第2条第8号に定める防火構造であり、かつ、その外壁のうち同法第2条第6号に定める延焼の恐れのある部分に設けられた開口部に同法第2条第9号の2
ロに定める防火設備(防火戸に限る。)を有するもの ロ 建築基準法第2条第9号の2に定める耐火建築物であるもの
ハ 建築基準法第2条第9号の3に定める準耐火建築物であるもの  
そ害の防止「そ害の防止設備」とは、以下のものを指す(告第11条)。
イ 地窓及び下水管又は下水溝に通じる部分からの庫内への鼠の侵入を防止するために設けられた金網等の設備
ロ 出入口が、扉により密閉できない構造となっている場合にあっては、出入口の閉鎖時において当該出入口からの鼠の侵入を防ぐために設けられた鼠返し等の設備  

3 通報機の設置

冷蔵室内の要所には、冷蔵室内と外部との連絡のため通報機その他の設備が設けられていることを要する。
「通報機」とは、冷蔵室内に閉じ込められた者が外部に通報し、救助を求めるために冷蔵室内に備え付けられた非常ベル、電話機その他の設備を指し、当該冷蔵室の保管温度下においても作動する能力を有していること及び冷蔵室内が消灯されている場合において、閉じ込められた者が通報機の位置を認識できるように灯火が備え付けられていることを要する。

4 保管温度の確保

冷蔵室の保管温度は、常時摂氏10℃以下に保たれているものとして以下の基準を満た していることを要する。

冷凍能力の基準(告第19条第1項第1号)冷凍機の冷凍能力は、当該冷凍機によって冷却される冷蔵室及びこれと併用冷却される凍結装置その他の設備(以下「冷蔵室等」という。)に係る熱損失の合計以上であることを要する。
(1) 冷凍機の冷凍能力冷凍機の冷凍能力は、メーカーの仕様書の数値等を参考にして適切な方法により算出することとする。
(2) 熱損失(告第19条第2項) 当該冷蔵倉庫が保管温度の異なる複数の冷蔵室から構成されている場合にあっては、それぞれの冷蔵室ごとに熱損失を算出し、その合計をもって当該冷蔵倉庫全体の熱損失量とする。
a 天井、床、外壁及び間仕切壁(以下「天井等」という。)の熱損失(告第19条 第2項第1号)
b 受寄物を冷却するための熱損失(告第19条第2項第2号)
c 諸熱損失(告第19条第2項第3号)
d 凍結装置、製氷装置、準備室等のために必要な冷凍能力(告第19条第2項第4号)
a~dに掲げるものの他、当該冷蔵室と併用冷却される以下の設備(冷蔵室と同時に運転されるものに限る。)を有する場合にあっては、これらの設備の運転に要する冷凍能力を熱損失として計上することとする。なお、冷蔵室とこれらの設備を同時に運転することがない場合にあっては、これらの設備の運転に要する冷凍能力は、適宜減量して差し支えない。
① 凍結装置 日産冷凍能力1tにつき5790W
② 製氷装置 日産製氷能力1tにつき6760W
冷却管の冷却面積の基準(告第19条第1項第2号)冷蔵室の冷却管の冷却面積は、当該冷蔵室に係る冷却面積以上であることを要する。
加えて、間接膨張式の冷凍機の場合にあっては、ブライン冷却器に係る冷却管の冷却面積が、当該ブライン冷却器に係る所要冷却面積以上であることを要する。
(1) 冷却管の冷却面積(告第19条第1項第2号) 「冷却面積」とは、冷蔵室又はブライン冷却器内に設けられた冷却管の全表面積を指し、メーカーの仕様書の数値等を参考として、適切な方法により算出することとする。
(2) 所要冷却面積
a 冷蔵室に係る冷却面積(告第19条第3項)
b ブライン冷却器に係る冷却面積(告第19条第4項)
その他(告第19条第5項)・当該冷蔵倉庫に設けられた冷凍機を実際に稼動させ、冷却試験を行う
・自家用倉庫を営業倉庫に転用する場合において、現に使用している冷凍機の過去の温度記録を提出する
・メーカーの仕様書又は民間の検査機関による検査結果を提出する 等の手段により、当該冷蔵室において盛夏時に所要の保管温度を維持する能力があることを証明できる場合にあっては、イ及びロの基準にかかわらず、則第3条の11第2項第3号の基準を満たすものとして取り扱うこととする。
なお、圧縮式冷凍機を使用しない冷蔵倉庫の基準適合性を審査する際は、原則として上によることとする。

5 温度計の設置

倉庫内においては、その室に応じて適当な数の温度計が見やすい場所に設けられていることを要する。「温度計」とは、液体温度計、気体温度計等の温度を容易に計測する計器を指す。なお、事務所等において庫内の温度を集中管理している場合であって、庫内の温度が電光掲示板等により容易に確知できる場合にあっては、本基準を満たしているものとして取り扱うこととする。

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