信書便事業許可
更新日:2024年5月2日
信書便事業を行うためには許可を取得する必要があります。
許可申請にあたっては膨大な会社資料や証明書を集め、事業計画を作成しなければなりません。
また、管轄通信局への事前相談をし、場合によっては何度も足を運び調整が必要なこともあります。
弊社では、申請書の作成だけではなく、手間のかかる通信局をはじめとする行政機関との折衝に関してもサポートいたします。
もちろん許可申請だけではなく、各種変更届出や事業報告のサポートもいたします。
も く じ
◆もくじ◆
特定信書便事業許可の概要
1.事業開始までの流れ
事前相談
(管轄となる総合通信局が窓口となります)
許可・認可申請
①審査/②審議会への諮問・答申
審議会は年3回(7月・11月・2月)に行われます。
申請は審議会開催の少なくともひと月まで迄に受理されるように準備しましょう。
予定の審議会までの書類の準備が整わなかったり、審議会の諮問・答申にて修正が必要となった場合には次回審議会まで待たなければなりません。
許可・認可
(申請書受理から1~2か月程度要します)
事業開始の届出
2.開業に必要な許可・認可
⑴「特定信書便事業の許可申請」
⑵「信書便約款の認可申請」
⑶「信書便管理規定の認可申請」が必要となります。
※⑵⑶は、⑴取得後に行うことも可能ですが、その場合さらに審査機関に1~2か月程度要します。
⑴特定信書便事業の許可申請
許可基準
- 事業計画が信書郵便の秘密を保護するため適切なものであること
- その他事業の遂行上適切な計画を有するものであること
(交通法令の遵守、適正かつ明確な収支見積もりの算出) - 事業を的確に遂行するに足る能力を有するものであること
(財産的基礎、貨物自動車運送事業法の許可など関係行政庁の必要な許可)
信書郵物の集配は、自動車やオートバイなどの自動車を利用することになります。
自動車を利用して運送事業を行うには、貨物自動車運送業や貨物軽自動車運送業の許可が必要となります。
必要書類
■申請書
記載事項は以下の通りです。
- 代表者指名
- 事業計画
- ほかに事業を行っているときは、その事業の種類
■添付書類
- 事業収支見積書
- 信書便管理規定の概要を記載した書類
- 信書便の業務の一部を委託する場合は、受託者との契約書の写し又はその計画を記載した書類
- 他の一般信書便事業者もしくは特定信書便事業者又は外国信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定又は契約を締結する場合は、その者との協定書もしくは契約書の写し又はその計画を記載した書類
- 特定信書便役務の内容を記載した書類
- 信書郵物の送達に自動車その他の輸送手段を使用する場合であって行政庁の許可その他の処分を要するときは、その許可証等の写し(許可等の申請をしている場合はその申請書の写し)又はその手続きの状況を記載した書類
- 事業開始予定の日を記載した書類
- 事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類
- 国際信書便の役務を提供する場合は、当該役務にかかる外国の法令に準拠して信書の送達の事業を行うことができることを証する書類
- 当該許可を受けようとする申請者の次にあげる区分に応じ、次に揚げる書類
1)既存の法人‐定款の謄本及び登記事項証明書、最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書並びに役員または社員の名簿及び履歴書
2)株式会社を設立しようとする者‐定款の謄本、発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書並びに株式の引き受けまたは出資の状況及び見込みを記載した書類
3)2)以外の法人の設立しようとする者‐定款の謄本並びに発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書
4)個人‐資産目録、氏名、住所及び生年月日を証する書類並びに履歴書
5)外国人‐国内における住所又は居所を証する書類
6)外国法人‐国内における代表者の氏名並びに主たる営業所の名称及び所在地を証する書類 - 民間事業者による信書の送達に関する法律第8条各号に該当しないことを示す書類
■費用
事業許可を取得した際に登録免許税として3万円の納付が必要です。
申請手数料や審査手数料は必要ありません。
⑵信書便約款の認可申請
信書便約款は、信書便の役務に関する提供条件を定めています。
許可を受けるには、
- 信書の大きさ及び重量の制限
- 信書便の引き受け、配達、転送及び還付、また送達日数にかかわる事項
- 料金の収受に関する事項、
- その他信書便事業者の責任に関する事項
以上が適正かつ明確に定められていることが必要です。
⑶信書便管理規定の認可申請
信書便管理規定は、取り扱い中にかかる信書郵便の秘密を保護するため、信書便の業務の管理に関する事項について定めています。
許可を受けるには、
- 事業所ごとに信書便管理者を選任すること
- 信書郵便の秘密の保護に配慮した作業方法であること
- 業務に従事する者への教育・訓練
これらの基準に適う必要があります。
3.事業開始後の報告・検査
事業報告書と事業実績報告書の提出
事業報告書
経営形態等を毎事業年度の経過後100日以内に報告する必要があります。
事業実績報告書
前年4月1日から当年3月31日までの期間の取り扱い実績等を7月10日までに報告します。
立入検査
初めて信書郵物の引受のあった年度の翌年度に事業場へ立入検査が入ります。
この検査で業務運営が適正と認められれば、以後重大な事故・法令違反のない限り、立入検査は行われません。
翌年度以降は必要に応じて自主点検報告を行います。
4.信書便事業に関連する許認可
貨物を有償で運送する事業を行う場合、運送事業の許可が必要となります。
信書便事業を始める場合にも必要な許可です。
貨物自動車運送事業の許可
他人の需要に応じて有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業を始める場合は「貨物自動車運送事業の許可」、軽貨物車両やオートバイを使用して運送する場合は「貨物軽自動車運送業の許可」が必要となります。
貨物自動車運送事業の手続き
不特定多数の相手方の需要に応じ運送事業を行う場合は一般貨物自動車運送、
特定の相手方の需要に応じ運送事業を行う場合は特定貨物自動車運送事業といいます。
ここでは一般貨物軽自動車運送事業の許可について説明します。
一般貨物軽自動車運送事業の許可手続きの流れ
許可に必要な要件等を確認できる書類の準備
・許可には営業所、車両数などの許可基準に合致していることが必要です。
・社会保険や労働保険への加入も確認されます。
申請書、必要書類の作成及び申請
一般貨物軽自動車運送事業の許可等の申請にかかる法令試験の受験
・申請後、法令試験の実施通知が届きます。
・合格後、許可申請書類の審査が行われます。
許可通知
・申請書受理から3か月程度要します
許可証交付式
運輸開始の届出
運送業の開始
貨物軽自動車運送事業
管轄の陸運局へ貨物軽自動車運送届出書を提出し、軽自動車検査協会にてナンバープレート取得手続きをすれば、自動車運送業を始めることができます。
なお、地域により条件や提出書類が異なるため、管轄の陸運局への確認が必要です。
法律に定める「信書」「信書便事業」について
信書とは?郵便法・信書便法に基づく定義
☑「信書」とは、「特定の受取人」に対し、差出人の「意思を表示」し、または「事実を通知」する文書をいいます。
☑「特定の受取人」とは、差出人がその意思の表示または事実の通知を受ける者として特に定めた者のことです。
☑「意思を表示し、または事実を通知する」とは差出人の考えや思いを表し、又は現実に起こりもしくは存在する事柄等の事実を伝えることです。
☑「文書」とは、文字、記号、符号等、人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことです。
※CD‐R等電磁的記録物は、目で見てその内容を認識することができないため、信書には該当しません
信書に該当するもの・しないものの違い
信書に該当する文書 | 信書に該当しない文書 |
---|---|
書状 | 書籍の類 (新聞、雑誌、会報、会誌、手帳、カレンダー、ポスター) |
請求書の類 (納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、照会書、回答書、承諾書) | カタログ |
会議招集通知の類 (招待状、業務報告書) | 許可書の類 (免許証、認定書、表彰状) |
許可書の類 (免許証、認定書、表彰状) | プリペイドカードの類 (商品券、図書券、プリントアウトした電子チケット) |
証明書の類 (印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し) | 乗車券の類 (航空券、定期券、入場券) |
ダイレクトメール (文書自体に受取人が記載されている文書や、商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書) | クレジットカードの類 (キャッシュカード、ローンカード) |
会員カードの類 (入会証、ポイントカード、マイレージカード) | |
ダイレクトメール (もっぱら該当における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなものや、もっぱら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの) | |
その他 (個々の相談事例において総務省総合通信局にて確認、判断されます) |
事業の種類:一般信書便事業と特定信書便事業
信書便事業には「特定信書便事業」と「一般信書便事業」とのふたつがあり、事業を起こすには、いずれも総務大臣の許可が必要です。
一般信書便事業とは
長さ・幅・厚さがそれぞれ40㎝、30㎝、3㎝以下であり、重量が250g以下の信書便物を国内において差し出された日から原則3日以内に送達(送り届ける)する役務をいいます。
全国一律料金、原則毎日1通から引き受け・配達するなど厳しい参入条件が課されており、一般信書便事業を行う民間企業は現時点でありません。
特定信書便事業とは
日本郵便株式会社以外の者が他人の信書の送達を業とすることは郵便法により禁止されていますが、以下3つの「特定信書便役務」いずれかに該当する信書郵便について、総務大臣の許可を受けることにより送達サービスを提供することができます。
①長さ・幅・厚さの合計が73㎝を超える信書便物または重量が4㎏を超える信書便物を送達する役務
②信書便物が差し出された時から3時間以内に当該信書便物を送達する役務
③その料金の額が、消費税含め801円以上で設定されている信書便物を送達する役務
特定信書便事業のビジネスモデル
1号)定期集配サービス・巡回集配サービス
例えば、決まった日時、決まった場所で定期的に信書郵物を集配します。
2号)ビジネス書の直送注文集配サービス(いわゆるバイク便など)
電話、インターネットなどで注文を受け、引き受けから配達までを行います。
3号)メッセージカードの配送サービス
付加価値のあるものを 配送対象とするサービス を行います
信書便事業に関するQ&A
信書便とは何ですか?
信書便とは、個人間でのプライベートなメッセージを含む書面を送るための郵便サービスです。郵便法によりその扱いが定義されており、内容の秘密が保持されます。
信書便と普通郵便の違いは何ですか?
信書便は個人的な書面のみを対象とし、法律によってそのプライバシーが保護されています。対照的に、普通郵便は個人的な内容に限定されず、公的文書や広告物なども送ることができます。
信書便にはどのような種類がありますか?
信書便にはいくつかの種類があり、主に普通の手紙、書留、簡易書留が含まれます。書留は追跡機能が付いており、簡易書留では配達証明が付加されます。
信書便事業を行う際のメリットは何ですか?
信書便事業を行うメリットには、顧客のプライバシー保護が確実であること、追跡や配達証明などの付加価値サービスを提供できることがあります。これにより、顧客からの信頼を得やすく、長期的な顧客関係を築くことが可能です。
信書便事業を始める際の注意点は何ですか?
信書便事業を始める際には、郵便法の遵守が必要です。また、顧客の信頼を得るために、迅速かつ正確な配送システムの構築とセキュリティ対策の充実が求められます。事業展開においては、郵便局との連携や独自の配送網の構築も重要です。
信書便事業の申請のことならサポート行政書士法人へ
サポート行政書士法人では、新規で運送事業の登録・許可取得される方から、すでに運送事業を運営されている皆さまに対して、運送事業に関する申請サポートやコンサルティングを行っております。
信書便事業をお考えの際には、ぜひ弊社にご連絡をください。
許可申請はもちろん、変更届や事業報告作成など煩わしい業務をまとめてサポートします。