適格機関投資家等特例業務の届出

よくあるご質問

更新日:2024年3月18日



Q. 当局から概要書の提出を求められました。ポイントや注意点を教えてください。

Q. 登録後、コンプライアンス責任者が退職してしまった場合、どうしたらいいですか。

Q. 投資助言業者です。新たに第二種金融商品取引業を行いたいです。どうしたらいいですか。

Q. 自分で手続きするのと行政書士に任せるのとでは、何がちがいますか。

Q. 新規登録手続きは、弁護士と行政書士のどちらに依頼すべきですか。


Q. 当局から概要書の提出を求められました。ポイントや注意点を教えてください。


A.

「概要書」は、登録する業種別(第一種・第二種・運用・助言)に様式が異なりますが、

基本的に、以下の要素を文章で説明をする書面です。

◦どんな会社が(沿革・役員情報・資本金・株主等)

◦どんな業務を(業務の内容や方法・スキーム・顧客層等)

◦どうやって行うのか(勧誘や説明方法・契約方法・業務フロー等)

◦できる体制・態勢にあるのか(人的構成・業務執行体制・意思決定プロセス等)

概要書は、登録申請手続きの早い段階で作成するものですが、

概要書の内容をベースに、その後の当局面談・折衝・規程作成等が行われる為、

登録申請手続きにおける“最重要書面”の1つといえます。


概要書の内容が不十分(説明不足等)・不適切(整合性等)だと、

その後の当局とのやり取りが難航し、事前審査も長期化してしまう為、

“最初にどれだけ精度高く・分かりやすい概要書を提出できるか”がポイントです。

また、概要書で問われている事項の多くは、

「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」がベースになっています。


「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」では、

金融商品取引業者が業務を行う上での遵守事項・留意事項が様々記載されているので、

当該監督指針もしっかり理解した上で、概要書を作成する必要があります。


Q. 登録後、コンプライアンス責任者が退職してしまった場合、どうしたらいいですか。


A.

まず、「手続き面」についてです。

金融商品取引業者のコンプライアンス責任者が退職した場合、

適切な後任者を配置した上で、退職日(退職日と変更日が異なる場合「変更日」)から

2週間以内に「金融商品取引業者の役員又は政令で定める使用人の変更届出」の提出が必要です。

また、所属協会等へも、各協会等の運用に従って変更手続きが必要です。

特に、コンプライアンス責任者の場合、協会等の連絡窓口や苦情窓口等としても届け出ている

可能性が高いので、当該退職者に関連する事項を漏れなく変更しましょう。

次に、より重要な「実態面」についてです。

金融商品取引業者のコンプライアンス責任者は、「重要な使用人」として、

金融商品取引業者の法令遵守・指導・監督等の重要な役割を担っています。

コンプライアンスの要となる重要ポジションとして「常勤性」が求められ、

金融商品取引業者として満たすべき「人的構成要件」の当局審査上も、

特に重点的に知識・経験の確認が行われます。

その為、新たに配置する後任者は、以下の要素に注意して人選する必要があります。

・金融商品取引業者のコンプライアンス責任者として必要な知識・経験があること

(=履歴書や人的構成書面上、必要な知識・経験の説明がつかないとNG)

・原則、兼務・兼職がなく、常勤であること

(=業務遂行に支障がでるような兼務・兼職はNG)

上記要素に不安が残る場合、当局に変更届を提出しても、追加の説明等を求められ、

届出が受理されず人員配置の再検討を促される可能性もあります。

また、就退任に伴う“空白期間”が生じないようにすることはもちろん、

コンプライアンス責任者が担う重要な業務・役割をふまえると、

通常少なくとも1~3ヶ月程度の引継ぎ期間は必要と思われます。

コンプライアンス責任者の急な退職を機に、

社内の管理態勢が一気に手薄になってしまう事例はとても多いです。

そうならない為にも、日頃から以下のような点を意識しておくことが有効です。

・業務・書類整理を徹底し、属人的な業務・管理を極力減らす

・他の役職員のコンプライアンス関与機会を増やし、全社的なコンプライアンス意識を醸成する

・コンプライアンス部に、責任者以外の担当者を配置し、後進育成を意識する

・重要ポジションの引継ぎには、十分な期間を確保する


Q. 投資助言業者です。新たに第二種金融商品取引業を行いたいです。どうしたらいいですか。


A.

投資助言業者が新たに第二種金融商品取引業を行う場合、

第二種金融商品取引業の要件を整備し、「変更登録申請」という手続きが必要です。


特に人的構成(組織体制など)の要件については注意が必要です。

第二種金融商品取引業を行うために、投資助言業との「弊害防止措置」を講じた上で、

人的構成を整備する必要があります。


弊害防止措置とは、自社の業務を公正に行い、投資家を保護するために求められる措置のことです。


例えば、第二種金融商品取引業でファンドの募集を行う場合、

投資助言業の顧客に対して、第二種金融商品取引業の利益のために、

自社で行っているファンドに投資するよう助言する行為は、

公正性を損ね、投資家を保護することが出来ません。


こうした事態を防ぐための措置が、弊害防止措置です。


弊害防止措置の例としては、

投資助言業を行う営業部門とは別に第二種金融商品取引業を行う営業部門を新しく設置し、

両方の営業部門間で不当な顧客情報の行き来がないように顧客情報管理を行うことが挙げられます。


投資助言業者が新たに第二種金融商品取引業を行う場合は、

弊害防止措置を講じた上で、第二種金融商品取引業に関する知識及び経験を有する

責任者を配置するなど、人的構成を整備する必要があります。


Q. 自分で手続きするのと行政書士に任せるのとでは、何がちがいますか。


A.

行政書士に任せることで、金融商品取引業の登録後の業務を見据えた

長期的・戦略的な書類作成・ライセンス取得ができます。

自分で手続きすることももちろん可能ですが、

業務方法書や社内規程が実際に行いたい業務とズレてしまい、後々苦労する場合もあります。

また、申請までに、申請書や社内規程合わせて30種類以上の書類を作成する必要があります。

中には、30~40ページとボリュームのある書類もあり、

自分で手続きする場合、まずは書類作成に苦労します。


書類の精度によっては中々審査が進まず、

当局担当官から専門家の意見を聞くようにと暗に進められたケースもあり、

ライセンス取得までに余計に時間が掛かるおそれもあります。


Q. 新規登録手続きは、弁護士と行政書士のどちらに依頼すべきですか。


A.

「弁護士か行政書士か」ではなく、貴社が取得を目指す金商業について、

登録実績・知識・ノウハウ等がある委託先を厳選することをお勧めします。


日本には、多数の士業・コンサル会社が存在しますが、

特に、「金融商品取引業」のような専門性の高い分野では、

本当に経験を積んでいる専門家は、ほんの一握りと思ってください。


「“実績がある”と聞いて依頼したが、新規登録は未経験だった」

「投資助言の経験はあっても、第二種は初めてだった」


等、行いたい業務内容と委託先のミスマッチにより、

手続きが長期化・複雑化・難航し、弊社にご相談に来られる方も多いです。


また、「弁護士=オールマイティ」と勘違いしている方も多いです。


弁護士は、法律の専門家で、金商業登録過程の法的解釈等で活躍しますが、

必ずしも、行政手続きに慣れているとは限りません。


実際ライセンスを取得する際は、管轄財務局・担当官別のルール・運用に従い、

金商業実務や行政側の勘所を押さえた申請手続きを行うことで、

早期かつスムーズなライセンス取得が実現します。


貴社が行いたい金融商品取引業務の内容(実務・事例等)に通じ、

かつ、その行政手続きの実績・知識・ノウハウがある委託先を選ぶべきです。


また、比較的時間のかかる手続きになりますので、

テンポ(スピード感)や担当者同士の相性もしっかり見極めておきましょう。

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