PTS認可
更新日:2025年3月5日
■ PTS認可
PTS/Proprietary Trading System(私設取引システム)とは、
投資家が証券取引所を介さずに株式等の売買ができる電子取引システムのことです。
日本でPTS業務を行うには、非上場有価証券等で取引規模が限定的な場合を除き(※)、
第一種金融商品取引業の登録に加えて、PTS認可が必要です。(金商法第30条)
(※)PTS認可が不要となるのは、以下の場合です。
該当する場合、第一種金融商品取引業登録のみでPTS業務が可能です。
① 一定の非上場有価証券等が対象(施行令第15条の10の10)
② 売買高が四半期あたり600億円以下(政令第15条の10の9)
■ PTS認可要件
PTS認可を受けるには、主に以下の認可基準をクリアする必要があります。
【主な認可基準】
✓ 損失の危険の管理に関する適切な体制及び規則の整備(法第30条の4第1号/監督指針)
― PTS業務の管理責任者の設置(原則、有価証券関連業務経験5年以上を有する者)、
PTS業務に関する社内規則の策定 等
✓ 資本金:3億円以上(法第30条の4第2号/施行令第15条の11)
✓ 純財産額:3億円以上(法第30条の4第3号)
✓ 自己資本規制比率:120%を下回らないこと(法第30条の4第4号/法第46条の6第2項)
✓ 取引の公正性の確保等(法第30条の4第5号)
― 顧客への事前の説明義務、システムの容量などの安全性・確実性の確保 等
✓ その他の認可条件(法第30条の4第6号)
― 価格情報等の外部公表、取引量に係る数量基準、取引量に係る報告 等
実務上は、経験ある責任者の確保/担当部門の設置などの体制面の他、
売買管理・審査、情報システム管理、システムセキュリティ等の内部管理態勢を構築したり、
具体的な業務フロー等を定めた社内規程(業務方法書を含む)を策定したり、
システムについて第三者(外部機関)評価を取得する等の対応が必要です。
なお、PTS対象となる売買価格の決定方法は、競売買・市場価格売買・顧客間交渉方式等(類似含む)、
幅広く設定されている為、そもそも提供するサービスがPTSに該当するか否かの判断が重要です。

【ポイント】
現在、全国の第一種金融商品取引業の登録者数294に対して、
PTS認可を受けている業者は12と、かなり限定的です(2025年1月末時点)。
令和以降は、セキュリティ・トークン(ST)の売買取引を行うPTS業務等、
新たな事例も登場し、注目されるところです。
非上場有価証券のPTS業務については、参入要件を緩和する法改正もあったので
今後、”認可不要のPTS業務”を行う第一種金商業者の増加が期待されます。
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