登録要件
■ 第一種金融商品取引業の登録要件
第一種金融商品取引業登録を行う場合の主な要件は、以下の通りです。
各要件は、新規登録時点だけでなく、登録後も継続してクリアする必要があります。
[会社の要件]
①「株式会社」であること
②「取締役会設置会社」であること
③定款の目的欄に「第一種金融商品取引業」等必要な記載があること
【ポイント】
・取締役会設置会社は、原則、取締役3名以上・監査役1名以上が必要。
・第一種金融商品取引業者の場合、定款による役員任期の伸長は不可。
[財産の要件]
①資本金が 5,000万円以上(※)であること
②純財産額が5,000万円以上(※)であること
③自己資本規制比率が120%を下回らないこと
④決算内容・収支見込みが良好であること
(※)第一種金融商品取引業者の資本金及び純財産額は、行う業務内容に応じて変わります
[事務所の要件]
①国内に適切な事務所を有すること
(適切な使用権原を有する独立した占有区画(事務所)の確保)
【ポイント】
・登録申請時に、役職員の名前入りの配席図等を提出。
情報管理を含む適切な業務遂行が可能な事務所を、常時確保できていることが必要。
・バーチャルオフィス・他社共有オフィス等はNG。
[組織・人的構成の要件]
①経営者要件
(金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行することができる資質)
②常務に従事する役員要件
(必要なコンプライアンス及びリスク管理に関する知識・経験等)
③常勤役職員の中で、行う第一種金融商品取引業に関する3年以上経験者の複数名確保
④業務の適確な遂行に必要な人員の確保
例:営業部門・コンプライアンス部門・管理部門・内部監査部門の設置
各部門に各部門が担当する業務に通じた知識・経験ある責任者の配置 等
[その他の要件等]
①主要株主規制への対応
②役員の兼職規制への対応
③兼業規制への対応(付随業務・届出業務・承認業務)
④協会や投資者保護基金への加入(行う業務内容による)
⑤FINMAC(※)との手続実施基本契約の締結
(※)特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
■ 会計監査人の設置
よく「第一種金融商品取引業として会計監査人の設置が必要か」質問があります。
結論、第一種金融商品取引業の登録要件として会計監査人設置義務がある訳ではなく、会社法上の「大会社」に該当することにより、会計監査人設置義務が発生します。
具体的には、最終事業年度にかかる貸借対照表上、資本金額が5億円以上の会社は、会社法で規定する「大会社」に該当します(会社法第2条第6号イ)。
大会社は、会社法に基づき、公開会社の場合は「監査役会及び会計監査人」を、公開会社でない場合は「会計監査人」を、設置する義務があります(会社法第328条)。
第一種金融商品取引業者の場合、元引受け行為を行う場合等に、最低資本金及び純財産額基準が5億円以上になり、結果的に大会社に該当し、会計監査人を設置する義務が発生することになります。
元引受け行為等を行わない一般的な第一種金融商品取引業者の場合は、最低資本金及び純財産額基準は5千万円なので、大会社に該当せず、会計監査人の設置も不要となる場合が多いです。
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