金融ADR制度
■ 金融ADR制度とは
ADR(Alternative Dispute Resolution)とは、金融商品取引業者と顧客の間のトラブルについて、
裁判ではなく、話し合い等で解決を目指す制度です。
金融商品取引業者は、登録する業務の種別等に応じて、苦情処理・紛争解決措置を講じることが必要です。
例えば、第一種金融商品取引業と第二種金融商品取引業の2つの業種を登録する場合、
それぞれの業種に応じた苦情処理・紛争解決措置が必要です。
例:第一種はFINMACと手続実施基本契約を締結、第二種は(一社)第二種金融商品取引業協会へ加入
具体的に講じるべき措置は、指定紛争解決機関が存在するか否かによって、以下の通り、対応が変わります。
・指定紛争解決機関が存在する場合
→当該指定紛争解決機関を利用すること
・指定紛争解決機関が存在しない場合
→法令で定める苦情処理・紛争解決措置(代替措置)を講じること
金融商品取引業に特化すると、「第一種金融商品取引業」のみ、紛争解決機関として、
「特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」が指定を受けています。
第一種金融商品取引業以外の業種では、指定紛争解決機関が存在しない為、
法令で定める苦情処理・紛争解決措置(代替措置)を別途講じる形になります。
なお、指定紛争解決機関が存在しない場合の代替措置の一選択肢として、
苦情処理・紛争解決ともに「金融商品取引業協会、認定投資者保護団体を利用すること」が
挙げられています。
他にも選択肢はありますが、金融商品取引業者は、協会に加入し、
協会が委託するFINMACにて紛争等解決のためのあっせんを行う選択肢を選ぶケースが多いです。
■ 第一種金融商品取引業者の金融ADR対応
第一種金融商品取引業の場合、指定紛争解決機関であるFINMACとの間で、
手続実施基本契約を締結する措置を講じる必要があります(金商法第37条の7第1項第1号イ)。
具体的には、第一種金融商品取引業登録後、FINMACに手続実施基本契約申込書を提出し、
手続実施基本契約書を締結します。(当局宛の変更届も忘れずに)
手続実施基本契約締結後は、FINMACの「加入第一種金融商品取引業者」として、
FINMACが定める規則に従った対応が必要です。
例えば、商号等に変更が生じた場合は、当局や協会への変更手続きだけでなく、
FINMACに対しても変更届出が必要になるので注意しましょう。
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