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アクワイアラーとは？登録の必要性は？

アクワイアラーは、英語で「Acquirer」と書き、「獲得する者」という意味で、割賦販売法では、立替払取次業者と定義されます。（割賦販売法第35条の十六第1項第3号）

アクワイアラーは、小売店やECサイト等を加盟店として契約を結び、加盟店がカード決済等を行えるようにカード会社（イシュアー）との取次を行います。

加盟店とは、クレジットカード等の決済システムを導入した店舗のことです。

決済システムには、QRコード決済も含まれることがあります。

よって、契約の締結権限を有しているアクワイアラーは登録の必要性があると言えます。

決済代行業者も登録の対象となり得る

決済代行業者（PSP: Payment Service Provider）は、法令上、クレジットカード決済やQRコード決済等の決済システムを導入したい事業者とアクワイアラーを仲介し、決済システムを提供している業者です。（割賦販売法第35条の十六第1項第4号）

アクワイアラーと決済代行業者は行うことは同じですが、アクワイアラーと加盟店との間に立つ業者のことを決済代行業者と呼びます。

決済代行業者が、加盟店との契約締結権についてアクワイアラーから包括的に授権されている場合には、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録をしなければなりません。

国際ブランド・イシュアーも登録が必要

国際ブランドは、世界中の国や地域で利用できるクレジットカードのブランドです。

それぞれの国際ブランドは、独自の決済システムネットワークを持ち、そのネットワークの使用権を各カード会社に与えています。（例：Visa、JCB、Mastercard）

イシュアーは、英語で「issuer」と書き、「発行者・発行人」などの意味があります。

業界内では「クレジットカード発行会社」の意味として、とらえられています。

クレジットカードを利用したい消費者は、イシュアーとの契約を結ぶことで、その国際ブランドが利用できるクレジットカードが発行されます。

イシュアーは包括信用購入あっせん業者としての登録が必要になります。

この国際ブランドやイシュアー自身が、アクワイアラー等を介さずに、加盟店の獲得を行う場合はクレジットカード番号等取扱契約締結事業者登録が必要になります。

余談ですが、日本の多くのカード会社は、包括信用購入あっせん業者としても、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者としても登録を受けています。

登録が求められる背景：割賦販売法改正

このような規制が必要とされる背景には、クレジットカード番号等の漏えいや不正使用被害の増加、また、カード発行会社と加盟店契約会社が別々の場合（いわゆるオフアス取引）に起きる問題があります。

経済産業省は、2018年6月1日の割賦販売法改正により、以下の内容を新たに定めました。

①加盟店管理の強化

• 加盟店に対しクレジットカード番号等を取り扱うことを認める契約を締結する事業者（アクワイアラー(加盟店契約会社)等）について、登録制度を創設するとともに、加盟店への調査等を義務付ける。

②クレジットカード情報の適切な管理等

• 加盟店に対し、クレジットカード番号等の情報管理や⾃らの委託先に情報管理に係る指導等を⾏うことを義務付ける。
• 加盟店に対し、クレジットカード端末のＩＣ対応化などによる不正使⽤対策を義務付ける。

③フィンテックの更なる参⼊を⾒据えた環境整備

• アクワイアラーと同等の位置付けにある決済代⾏業者(フィンテック企業等)も、アクワイアラーと同⼀の登録を受けられる制度を導⼊する。
• 加盟店のカード利⽤時の書⾯交付義務を緩和する。

ビジネスモデル（例）

一般的なビジネスモデルは上図のようになります。

アクワイアラーは、加盟店から手数料をもらいます。

決済代行業者が入る場合もあります。（例えば、アクワイアラーと加盟店との間）

その場合、加盟店との契約締結において、最終決定権限を有している事業者が、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者としての登録が必要となります。

ちなみに、イシュアーは、包括信用購入あっせん業者としての登録が必要です。

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