経営事項審査

経営事項審査 評点アップのポイント

技術職員について

実務経験の活用

技術職員名簿に記載するには、原則10年以上の実務経験が必要です。

①実務経験の集計

従業者の実務経験を集計しておくことで、技術職員としてより多くカウントできます。

②卒業学科・学歴の把握

大学・専門学校等の指定学科を卒業している方や、
技術検定(〇〇施行管理技士になるための検定)の第1字試験に合格した方(=技術補)は、
実務経験の要件が緩和されます。(資格等の内容によって、3年以上または5年以上に緩和されます。

③建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用

自社内で、独自に実務経験を集計しておくのは、多くの労力がかかります。
建設キャリアアップシステムを活用することで、現場の従業者(技能者)の実務経験等の情報を蓄積できます。

また、建設キャリアアップシステムの導入自体が、経審の加点対象となります。
※公共工事全てでCCUS導入済である場合や、民間工事も含め全ての工事でCCUS導入済である場合など、
 導入状況によって加点の幅は変わります。

④技能者の能力評価(レベル判定)の向上

建設キャリアアップシステムに登録した技能者は、「レベル判定」を受けることができます。
実務経験等の情報を蓄積していくことで、レベル判定が向上しますが、
レベル判定の向上者数も、加点項目の1つとなっています。

資格取得・CPD単位取得の奨励

①資格の取得

もちろん、各種資格の取得者を増やすことでも、技術職員名簿の記載を増やすことが出来ます。

資格取得者が増えることで、工事現場の配置技術者(主任技術者・監理技術者等)に就任可能な人も増えるため、
資格取得者の確保は、経審だけではなく建設業者の工事売上高にも直結します。
(また、工事売上高の増加も、経審の評点増加につながります)

②CPD単位の取得

一度資格を取得した技術者に対しても、継続的に能力向上が出来るような講習受講を制度化した「CPD制度」を活用することも一つの手段です。

CPD講習を受講することによる「CPD単位の取得数」もまた、経審の評価項目の1つとなっています。

労働福祉

労働福祉に関する項目は、経審の際の「客観的審査」の時だけでなく、
入札参加先の自治体によっては「主観的審査」の際も加点項目としているケースがあります。
特に狙っていきたい自治体の主観的審査も見据えた上で、自社で取り組むべき項目を決めるのも、1つの手段です。

建設業退職金共済制度への加入

建設業退職金共済制度は、各建設事業者が、建設現場で働く人たちの退職金を「掛金」の形で負担し合う(共済する)制度です。
雇用される事業主が変わっても、それぞれの期間全部を通算して、退職金が支払われる仕組みとなっています。

従来は共済証紙等の現物管理が必要でしたが、令和2年10月1日の法改正により、電子的納付も可能となりました。
(電子的納付の場合、現物管理が不要となります)

ワーク・ライフ・バランスに関する取り組み(くるみん認定・えるぼし認定など)

ワーク・ライフ・バランスに関する下記の認定を受けると、経審の評点が加点されます。

  • くるみん認定(子育てサポート企業としての認定)
  • えるぼし認定(女性の活躍推進に関する認定)
  • ユースエール認定(若者の雇用管理の状況等に関する認定)

建設業界全体での人材確保・育成に向け、こうした認定への取組状況も重要視されています。
また、実際に若手技術者の雇用が増えるなどによっても、加点されます。
(「若年技術者の組織的な育成及び確保」や、「新規若年技術者の育成及び確保」など)

ISO9001・ISO14001の登録、エコアクション21の認証

ISO9001の登録

この規格では、建設業者が、建設工事等のサービスのパフォーマンス全体を、組織として改善していけるような、
「品質マネジメントシステム」の構築が求められています。

公共工事では、多くの工程を経て完成される工事もあるため、
各工程を明確にして計画し、計画通りに実行・管理し、各工程を的確に実施したかどうかが、
工事の品質に大きく影響を与えるため、
ISO9001の登録が加点項目となっています。

ISO14001の登録、エコアクション21の認証

ISO14001では「環境マネジメントシステム」の構築、
エコアクション21では「環境経営システム」の構築が求められています。

組織として活動することで、自分たちを取り巻く人々・物・自然等々の環境に対して、 悪い影響を及ぼしていないかを確認して、及ぼしているなら改善していく仕組みとなっており、
建設業界全体での「持続可能な開発」に向けて、これらの登録・認証も加点項目となっています。