事業協同組合の設立

【コラム】事業協同組合のM&A

更新日:2024年11月23日


(更新:2021年1月)

許認可の視点から事業協同組合のM&Aについてお話しします。


事業協同組合の「認可取得」については、弊社専門ページをご参考いただければと思いますが、

ここでは、事業協同組合のM&Aについてお話しをしたいと思います。

事業協同組合のM&A動向

近年、「事業協同組合を運営したい」というご相談を多く頂きます。

相談理由として最も多いのは「技能実習生の受け入れ事業をしたい」ということです。技能実習生は特定技能ビザを取得するための申請人要件にもなっています。今後外国人労働力の需要がより一層高まることを見越して、ビジネスチャンスと捉えている方が多いのではないでしょうか?

しかし事業協同組合を設立し「監理団体許可」を新たに取得しようとすると7~10ヶ月程度必要です。その問題を手っ取り早く解決する方法として、M&Aをぜひご検討ください。

許認可がかかわるM&Aはいろいろな問題が起こりがちです。「売り手側」と「買い手側」のそれぞれの視点から、メリット、デメリット、注意点などをまとめてみました。

「売り手側」視点のM&A

●メリット

・組合員が共同事業を継続して利用できるため、迷惑が掛からない。

・技能実習生の監理リスクが無くなる。

●デメリット

・組合員の同意を得ることができない場合、譲渡は難しい。

・技能実習制度は複雑で事務的な部分を含め対応事項が多いので、引き継ぎが難航する可能性がある。

●注意点

・譲渡する前に、許認可関係を整えておかないと、大きなトラブルになる可能性がある。

・手続き面を含め、これまで運用を適正にしてきたか確認する。

「買い手側」視点のM&A

●メリット

・短期間で事業開始できる。

・事業開始時から技能実習生の受け入れ実績ができる。

●デメリット

・組合員の合意が取れずに、組合員が脱退する可能性がある。

・事業報告や役員変更届出等が提出されておらず、違法運営状態になっている可能性がある。(監理団体許可についても同様)

・過去に技能実習生受け入れ事業において、事業協同組合が原因の不祥事を起こしている可能性がある。

   

●注意点

・今までに認可庁や技能実習機構に提出した書類を全て受領して確認する。

・組合員と信頼関係を築く。

・譲渡後は、役員変更等の手続きを遅滞なく行う。

以上、いかがでしょうか。

これからも、事業協同組合に関するM&Aの様々な情報を共有してまいります。