HEMSの補助金申請

HEMSとは?補助金の専門家がHEMS(ヘムス)の仕組みからメリットまで解説

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住宅購入やリフォームを考えていたり、節電や環境対策に関心のある方のなかには、「HEMS」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
 
「HEMS」は、近年注目を集めている新しい技術です。
この記事では、HEMSの概要や仕組み、そしてHEMSを導入することで皆さんの生活がどのように変わるのかについて、解説していきます。
 
また、HEMSの導入には一定の初期投資が必要ですが、その際に活用できる補助金についても、購入者だけでなく、住宅販売会社や工事事業者の視点からもご紹介します!

そもそもHEMSとは?

HEMS(ヘムス/Home Energy Management System)は、家庭内のエネルギーを効率よく管理し、無駄を削減するためのシステムです。
このシステムを導入することで、消費電力を見える化し、家庭のエネルギー消費をリアルタイムで把握できます。

その結果、無駄な電力を抑え、光熱費の削減が期待できます。エネルギー管理に関心のある方にとって、HEMSの理解は非常に重要です。

本コンテンツでは、HEMSの具体的な導入メリットや活用方法、注意点についてわかりやすく解説します。
また、補助金の利用方法についても詳細に触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

eco省エネ 設備・住宅系補助金

HEMSの基本的な役割は、家庭内の電力使用状況をリアルタイムでモニタリングし、それを見える化することです。
具体的には、以下のような仕組みで動作します。
 
まず、家電製品や電力計にセンサーやスマートメーターを設置し、各機器の消費電力を計測します。
計測されたデータは、通信ネットワークを通じてHEMSのコントローラーに送信されます。
これにより、家庭内のエネルギー使用状況が一元管理されます。
 
次に、収集されたデータはHEMSのデバイスやアプリでリアルタイムに表示され、家全体の電力使用状況を視覚的に確認できます。
これにより、どの家電製品がどのくらいの電力を消費しているのかを詳細に把握できます。
 
さらに、HEMSは過去のデータを解析し、無駄なエネルギー使用を特定して、省エネのアドバイスを提供します。
例えば、特定の時期による電力消費の傾向を示し、どの家電をいつ使えば効果的に節電できるかが分かります。
一層進んだHEMSでは、エネルギー管理を自動で行う機能も備えており、通信プロトコルを使用して電力消費のピークを避けるために自動で家電の使用を調整します。
  
このようなHEMSの仕組みと機能により、家庭内のエネルギー管理が大幅に効率化され、結果的に電気代の削減やエコ生活の実現に大いに貢献します。
また、エネルギー消費の最適化を図ることにより、環境保護にも寄与することも期待できます。

こうした特徴から、HEMSは住宅業界において重要なテーマとなっています。
ここからは、HEMSを導入するメリットについてより詳しく解説していきます。

➀節電に向けたアクションを起こしやすくなる

HEMSを導入すると、「エネルギーの見える化」を実現できます。
つまり、家庭内でどれだけエネルギーを消費しているかというグラフや数値を、スマートフォンやタブレットのアプリを通じてリアルタイムで把握できるようになります。
 
これにより、どの時間帯にどの電気機器がどれだけエネルギーを使っているのかが一目で分かるため、例えば消費電力の高い時間帯を避けて電気機器を使用するなど、効率的な節電対策が可能となります。

あくまでも、節電はHEMSに任せきりにするのではなく、見える化によって得られたデータを基に自らが主体的に行動することが重要ですが、節電のサポートツールとしては強力な味方となります。

②発電・蓄電・節電を一元管理できる

HEMSができることは、単なるエネルギー消費の監視に留まりません。
太陽光発電や蓄電池と連携することで、自宅で発電した電力の効率的な利用も可能にします。
 
具体的には、昼間に太陽光で発電した電力を蓄電池に貯め、夜間に使用することが可能です。
これにより、ピーク時の電力消費を抑制し、電気料金を節約することができます。
一元管理することで、発電から消費までの全体像が把握しやすくなり、無駄のないエネルギー使用が可能です。

③自動制御や遠隔操作ができる

スマートホームと連携して自動制御や遠隔操作も可能です。
家の各部屋にセンサーを設置することで、部屋から人がいなくなると照明やエアコンを自動的にオフにする機能があります。

例えば、リビングルームで誰もいないと判断された場合、手動操作なしで電気消費を抑えることができます。
さらに、タイマー機能を活用すれば、特定の時間に電気機器を自動でオン・オフするスケジュール制御が可能です。
これにより、エネルギー消費を効率よく最適化できます。
省エネ効果が高まり、結果として家庭の電気料金の削減につながります。

④デマンドレスポンスができる

デマンドレスポンスとは、電力需要が高まった際に自発的に電力消費を減少させ、全体の電力供給を安定させる仕組みです。
HEMSを導入することで、この仕組みも実現可能となります。

具体的には、HEMSは電力消費のピーク時間帯に自動的に高エネルギー機器の使用を制限したり、エアコンの設定温度を調整することで、家庭内の電力使用を最適化します。
例として、電気料金が高い時間帯に洗濯機や食器洗い機の使用を控え、必要最低限の電力消費に抑えることが挙げられます。
 
このようにして、家庭の電力使用を効率的に管理することで、電力の安定供給に寄与し、さらに電気料金の削減を図ることができます。

⑤災害対策になる

日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。
そのため、災害対策としてHEMSを導入することは非常に有益です。

まず、HEMSを導入することで、停電時に太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせて利用できます。
停電時にも蓄電池に蓄えられた電力を使用することで、冷蔵庫や照明、通信機器などの必要な機器を確保できます。

さらに、HEMSはエネルギー供給の状態をリアルタイムで監視し、異常を迅速に察知して適切な対策を講じることができます。
これにより、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるため、災害時の対策として非常に有効です。

このようなメリットを通じて、HEMSは皆さんの生活を一変させる可能性を秘めています。
しかし、その導入から効果的な活用に至るまでのステップを理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで、ここからはHEMSの導入から活用までの流れについて詳しく解説します。

➀HEMSに対応した家電や住宅設備を設置する

HEMSを活用するためには、まずHEMSに対応した家電や住宅設備を設置する必要があります。
これには、エネルギー効率の高いLED照明や、インターネットに接続できるスマート家電が含まれます。
これらの設備は、HEMSコントローラーと連携し、リアルタイムでエネルギー消費を監視・管理できます。

特に、太陽光発電システムやエコキュートの導入は、再生可能エネルギーの利用を促進します。
また、HEMS導入時の注意点として、対応機器の互換性を確認することが重要です。
異なるメーカーの機器間での連携がスムーズに行えない場合があるため、事前に確認することが必要です。

②HEMSコントローラーを設置・設定する

次に、HEMSの中枢であるHEMSコントローラーを設置し、設定を行います。
このコントローラーは家の各種設備と連携し、エネルギー消費データを収集・管理します。
設置場所は家の中央で、インターネット接続が容易な場所が望ましいです。

インターネット接続は全てのデータをリアルタイムで管理するために必須です。
設定時には各機器のペアリングやネットワーク設定を詳細に行い、適切にデータが収集されることを確認する必要があります。
特にWi-Fiの接続状態が良好であることを確認し、障害物のない場所にコントローラーを設置することが推奨されます。
また、HEMSコントローラーの取扱説明書に従い、初期設定を正確に行うことが重要です。

設定完了後はデータ収集状況を定期的にチェックし、異常があればすぐに対処しましょう。

③消費電力を把握する

HEMSコントローラーが正しく設定されると、家全体の消費電力量がリアルタイムで表示されます。
専用のモニターやスマホアプリを通じて、各機器がどれだけ電力を消費しているか一目で確認できます。
このデータをもとに、無駄な電力消費を特定し、効率的なエネルギー使用が可能になります。
また、過去のデータと比較することで、節電効果を実感できます。
さらに、エネルギー管理を行う上での具体的な注意点として、機器の設定ミスやデータの取り忘れが挙げられます。
これらを防ぐために、定期的なチェックと設定の見直しが重要です。

④具体的な節約アクションを始める

消費電力を把握した後は、具体的な節約アクションを実施していきましょう。

例えば、電力消費の多い時間帯を避けて家電を使用することが有効です。
これにより、ピークタイムにおける電力使用量を抑えることができます。

加えて、スタンバイ電力を減らすためにスマートプラグを利用することも推奨されます。
スマートプラグの機能を活用することで、未使用時の電力消費を最小限に抑えることが可能です。

さらに、太陽光発電システムを導入している場合は、天候に応じた最適な運用方法を取り入れることが重要です。
例えば、晴天の日には太陽光発電による電力供給を最大限に活用し、曇りの日には蓄電池を効率的に使用する方法が考えられます。

家族全員で節電意識を共有することも非常に重要です。
各自が節電に関する知識を持ち、日常的な行動に工夫を加えることで、家庭全体での節電効果を向上させることができます。

HEMSの導入は家庭にとって大きなメリットをもたらしますが、それを最大限に発揮するためには事前の準備が大切です。
ここでは、HEMS導入時にあらかじめ確認しておくべき注意点を解説します。

➀導入コストの見積り

HEMSを導入する際の初期費用はシステムの規模や機能により異なります。
一般的に、HEMSの導入には、システム本体の購入費用、設置工事費用、スマートメーターなどのセンサーや関連デバイスの費用などがかかります。

事前に具体的な見積もりを取得し、総費用を明確に把握することが大切です。
見積もり段階で疑問点があれば必ず確認し、納得の上で導入を進めることをお勧めします。

さらに、補助金の利用が可能な場合もあり、この点を見逃せません。
自治体に補助金制度がある場合は、これを活用することで、導入コストを大幅に削減できます。

②設定や定期的なメンテナンスが必要

HEMSを導入した後も、初期設定や定期的なメンテナンスが欠かせません。

まず、各デバイス間の連携設定が必要です。
これにより、家庭内のすべてのエネルギー関連機器が一体となって効率的に稼働することが可能になります。

次に、ソフトウェアのアップデートが求められます。
ソフトウェアの最新バージョンを維持することで、システムのセキュリティやパフォーマンスの向上を図ることができます。

また、パフォーマンスの確認と調整も定期的に行うべきです。
家庭内のエネルギー消費状況や設定の最適化を行うことで、HEMSの効果を最大限に引き出すことが可能です。

これらの定期的なチェックと更新を行うことで、HEMS機器の性能を最大限に活かすことができます。
もしメンテナンスが不十分であれば、システムの劣化や故障のリスクも増加するため、慎重に対応することが重要です。

③セキュリティー対策も必要

HEMSはインターネットに接続するため、セキュリティリスクも存在します。
家庭内のネットワークに対するサイバー攻撃の可能性を考慮し、以下のセキュリティ対策を実施することが重要です。

まず、強力なパスワードの設定は基本です。
簡単なパスワードは避け、英数字や記号を組み合わせた長いパスワードを使用してください。

次に、ファイアウォールの使用も有効です。
これにより、不正アクセスを防ぎ、ネットワークの安全を確保できます。

さらに、定期的なセキュリティアップデートを忘れずに行いましょう。
常に最新の状態を保つことで、新たな脅威に対処できます。

また、自分でできるセキュリティ対策に加えて、HEMSメーカーの提供するサポートやリソースも活用することをお勧めします。
メーカーからのセキュリティパッチや更新情報を定期的に確認し、適切に適用することが大切です。

④HEMSに任せきりで良いわけではない

HEMSはエネルギー管理を効率化する強力なツールです。
しかし、単に導入するだけでは最大限の効果を発揮できません。
住人自身が積極的にエネルギー消費の見直しや節約意識を高めることが重要です。

まず、HEMSが提供する消費データを分析し、高効率な使用パターンを導入することが求められます。
例えば、エネルギー消費が多い時間帯の家電の使用を避ける工夫などです。

次に、エネルギー消費の少ない最新の省エネ家電に切り替えることも一つの手段です。
長期的に大きなコスト削減となります。

また、日常的な節電習慣も欠かせません。
当たり前のことではありますが、使用していない部屋の照明を消す、待機電力を減らすためにコンセントを抜くなどの具体的な行動の積み重ねが、後の大きな節電効果につながります。

省エネやエコに関心のある方にとって、HEMSは非常に魅力的です。
しかし、その初期導入コストが障壁となることもあります。

そこで、補助金の活用が重要になってきます。
補助金を利用することで、高額な導入コストを抑え、HEMSのメリットを最大限に享受することが可能です。
一部の自治体では、HEMS導入に対する補助金が提供されていますので、要件を満たしているかどうか事前に確認することをおススメします。

住宅販売会社や工事事業者側にもHEMS補助金活用のチャンスあり!

補助金は、HEMSを導入する側だけでなく、導入してもらう側、すなわち住宅販売会社や工事事業者側にとっても有効活用すべきものです。
 
なぜなら、補助金は実質的な販売価格をカットする手段として有効だからです。
購入客側がシステムを導入する際に必要な経費の一部を補助金で賄うことで、顧客に競争力のある価格を提示でき、販売促進につながります。

弊社では、HEMSのほか、太陽光発電システムや蓄電池、エネファーム等の申請サポートも行っています。
補助金を活用したいと考えている申請者が工事事業者へ工事を依頼し、その工事事業者から弊社へお申込みいただきます。
そのため、お客様が補助金を営業ツールとして、申請者(発注者)への提案ができます。

補助金申請代行サービスのスキーム

補助金による販売促進や申請負担の軽減をお手伝いします。

この記事では、HEMSの導入メリットや具体的な活用方法、導入時の注意点、補助金の利用方法について詳しく解説しました。

HEMSを導入することでエネルギー消費の見える化ができ、無駄なエネルギー使用を削減することが可能です。
また、家計の負担を軽減するだけでなく、地球環境への負荷を減らすことにも繋がります。

ぜひ家庭エネルギーマネジメントを始めて、地球にも優しいライフスタイルを実現してください!