共通経費の按分処理
就労支援事業会計について
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型は、利用者を雇って事業所内で生産活動を行い、賃金や工賃を支払う必要があります。
生産活動の収支を見誤り、事業開始後に赤字、利用者に賃金や工賃を支払えない状況になると、利用者を解雇しなければなくなり、障害福祉サービスとして機能しなくなります。
生産活動を行う障害福祉サービスは指定申請時に収支計画を提出する必要があり、過剰な売上が発生しないか(障害福祉サービスは営利目的ではないため)、円滑な運営で赤字が発生しないかを審査されます。
ここでは、指定申請時に躓きやすい収支計画の会計処理について取り上げていきます。
共通経費の按分処理
複数の事業間(多機能型事業所として複数事業を行う場合を含む)、福祉事業活動と生産活動間、作業種別、製造原価と販管費において、共通経費が発生することがあります。
共通経費は、合理的な基準に基づき適正に按分処理をする必要があります。
その按分方法は、一律に定められるものではなく、各法人が事業の実態に応じて按分方法を決定し、明確かつ適正な賃金・工賃の算出をするための基準として活用します。
各経費項目については、下記のフローチャートにて確認しましょう。
按分する具体的な経費項目
具体的にどのような経費項目が、共通経費に該当するかを確認していきましょう。
一般的に想定されるのは下記の項目です。
・車両関係経費
ガソリン・車検・車両保険など
・携帯電話等の通信経費
・損害保険料
・パソコンやタブレットのリース経費
例えば1つの車両を、下記のように使用する場合、
利用者送迎(福祉事業活動):2,500㎞/年
商品配達(生産活動) :7,500㎞/年
→福祉事業活動費用:25%、生産活動費用:75%で按分します。
このプロセスは本当に利用者に賃金が払えるのか、過剰な余剰金が出ないかを確認するために、欠かせないプロセスです。
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