キャリアパス要件
更新日:2024年3月17日
キャリアパス要件の概要
キャリアパスとは、「事業所における各職位・職務に就任するために必要な業務経験とその順序、配置移動のルート」などのことを指します。
簡潔に述べるのであれば、事業所で働く職員が、
・その事業所においてどのような職位や職務があるのか
・どのようなことをすればその職位や職務につけるのか
を明確に知ることができるような制度を設けるという事です。
また、キャリアパス要件は、どれを満たしているかによって処遇改善加算Ⅰ~Ⅲの区分が判断されるので、要件理解は非常に重要です。
キャリアパス要件と処遇改善加算の要件
キャリアパス要件は、令和4年4月時点でⅠ~Ⅲまで区分されています。
キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲと、処遇改善加算の要件の関連性は、以下のようになっています。
①処遇改善加算Ⅰを取得したい場合 → キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲを全て満たす
➁処遇改善加算Ⅱを取得したい場合 → キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱを満たす
③処遇改善加算Ⅲを取得したい場合 → キャリアパス要件Ⅰかキャリアパス要件Ⅱのいずれかを満たす
キャリアパス要件Ⅰ
キャリアパス要件Ⅰの概要としては、「福祉・介護職員の任用の際における職位、職責または職務内容等に応じた任用等の要件及び賃金体系を定めていること」
となります。
つまり、管理者、サービス管理責任者、主任職業指導員といった事業所の「職位」ごとの担当する職務内容、その職務に必要となる能力等を定めて、尚且つそれぞれの職位ごとの賃金体系を定める必要があるということです。
キャリアパス要件Ⅱ
キャリアパス要件Ⅱの概要としては、「福祉・介護職員の資質向上のための目標及び計画を策定し、当該計画に係る研修の実施または研修の機会を確保すること」
となります。
概要の中の「目標及び計画」とは、研修の機会の提供のための計画や、福祉・介護職員の資質向上のための事業所としての何らかの措置のことを指します。
(措置例:資格取得率の向上を目標とした場合、受験料や受講料の免除をする等)
福祉・介護職員のキャリアパスのため、事業所が積極的にこうした研修
あるいは資質向上のための目標・計画をきちんと定めて実施することが要件となっています。
キャリアパス要件Ⅲ
キャリアパス要件Ⅲの概要としては、「経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」となります。
キャリアパス要件Ⅰでは、福祉・介護職員の職位や職責と、それに応じた賃金体系を定めることとされていましたが、この要件のみでは「昇進等の道筋」が明確になるのみであり、福祉・介護職員が「どうすれば昇給するのか」という昇給要件については
必ずしも明示すべきという内容ではありませんでした。
そこで加わったのが、キャリアパス要件Ⅲの「昇給要件」です。
キャリアパス要件Ⅲの具体的イメージは以下の通りです。
昇給のためのcareerパス要件は大きく以下の3つに分かれており、そのうち一部ないし全部を満たせばキャリアパス要件Ⅲを充足することになります。
①経験による昇給
→経験(勤続年数等)によって昇給を行う仕組みを設ける
➁資格による昇給
→事業所で定める一定の資格(社会福祉士、介護福祉士等)を取得することによって
昇給をする仕組みを設ける
③評価による昇給
→人事考課規定を作成して、それに基づいた評価によって昇給を行う仕組みを設ける