製造原価と販管費
就労支援事業会計について
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型は、利用者を雇って事業所内で生産活動を行い、賃金や工賃を支払う必要があります。
生産活動の収支を見誤り、事業開始後に赤字、利用者に賃金や工賃を支払えない状況になると、利用者を解雇しなければなくなり、障害福祉サービスとして機能しなくなります。
生産活動を行う障害福祉サービスは指定申請時に収支計画を提出する必要があり、過剰な売上が発生しないか(障害福祉サービスは営利目的ではないため)、円滑な運営で赤字が発生しないかを審査されます。
ここでは、指定申請時に躓きやすい収支計画の会計処理について取り上げていきます。
留意すべき会計処理 〜製造原価と販管費〜
原則として、製造業務に係る費用と販売業務に係る費用とを、それぞれ「製造原価」「販管費」として区分して処理します。
①製品を製造販売する生産活動の場合製造業務と販売業務とを明確に区分して、それぞれの業務に係る経費に区分します。
例えば、製造業務に携わる利用者の賃金・工賃は製造原価に、販売業務に携わる利用者の賃金・工賃は販管費に区分します。
(共通経費がある場合は、按分処理しましょう。)
②製品の製造を伴わない生産活動の場合
製造業務がないため、利用者の賃金・工賃も含めて、全て販売業務に係る経費として販管費のみに計上します。
ただし、下記の場合は例外です。
各指定事業所ごと(多機能型事業所は各就労支援事業ごと)の生産活動に係る年間売上高が5,000 万円以下で、多種少額の生産活動を行う等の理由により、製造業務と販売業務に係る費用を区分することが困難な場合は、「製造原価」「販管費」の区分は不要です。
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