不動産特定共同事業法改正
不動産特定共同事業法とは
不動産特定共同事業法施行以前は投資したデベロッパーが経営破綻し、投資した不動産が債権者の手に渡り、投資家被害が発生していました。
そこで、投資家(事業参加者)保護の観点から1995年4月に不動産特定共同事業の活性化を目的に施行されました。
不動産特定共同事業法改正の背景
欧米では倒産隔離SPC(特別目的会社)の考え方が常識でした。
しかし、日本では不動産特定共同事業法によって、たとえ「器」に過ぎない会社であっても投資家から資金を集め、不動産を保有する以上、許可が必要となっていました。
許可をとるのにコストがかかることから、不動産特定共同事業法の規制を回避する方法として不動産の信託受益権化が進んでいました。
しかし、この方法を用いると日本に多く存在する老朽化、遊休化した不動産へ投資することができませんでした。
今回の不動産特定共同事業法改正に伴い、今まで投資対象になかった不動産を再生させ、地域経済の活性化や資産デフレからの脱却を図ることが期待されています。
不動産特定共同事業法改正の目的
不動産特定共同事業法改正によって、今まで信託受益権化が出来なかった不動産を投資対象にすることが出来ます。
さらに倒産隔離SPC(特別目的会社)が認められ、資金が集めやすくなります。
少しでも多くの民間資金を日本全国の不動産のバリューアップや再生・開発に振り向けたいという狙いがあります。
ポイント
・倒産隔離SPC(特別目的会社)が認められるようになりました。
・現物不動産への投資スキームが組めるようになりました。
・3号業者、4号業者が新設されました。
不動産特定共同事業法改正の1番のポイントは、倒産隔離された特別目的会社(SPC)が認められ、現物不動産への投資スキームを組めるようになったことです。
これによって地方の物件や老朽化した物件など、今まで投資対象になりえなかった物件にも投資ができるようになったので、今後の日本の不動産業界の活性化につながるということです。
さらに、3号業者、4号業者が新設されたことによって、これまで不動産特定共同事業取扱業者として認められていなかった地方のデベロッパーなどが新たに認められることになります。