不動産特定共同事業許可

適格特例投資家限定事業

更新日:2024年9月20日


適格特例投資家限定事業とは

適格特例投資家限定事業は、平成29年の不動産特定共同事業法の改正により新たに創設されました。

この事業は不動産特定共同事業の第1号事業のうち、適格特例投資家のみを相手方又は事業参加者とするものをいい、届出を行えば、不動産特定共同事業法の許可を受けずして、実物不動産に投資する不動産ファンドを組成することができます。

しかし、投資家がスーパープロに限定されること、不動産特定共同事業法に基づく一定の厳しい行為規制を課されることから、民泊物件のような小規模物件を対象とするには、あまり向いていないものといえます。


適格特例投資家には、宅建業の免許保有や不動産特定共同事業の許可に係る欠格事由に該当しない者が主な要件であり、銀行、保険会社、一定の条件を満たす宅建業者など、不動産を専門とするスーパープロの投資家がこれに該当します。

ほかにも投資運用業を行う金融商品取引業者、信託会社、投資法人、届出を行った特定資産10億円以上の法人などがあります。

届出は主務大臣に提出します。

事業内容に変更があった場合は30日以内に届出を行わなくてはいけません。

適格特例投資家限定事業の許可を受けた者は、名義貸しの禁止や知りえた情報を外部に漏らしてはいけない等、不動産特定共同事業法によって行動が規制されています。


主な規制は以下の表のとおりです。

 内容
信義誠実義務 (第14条第1項)信義を第一に、誠実にその業務を行う必要があります
投機的取引の抑制 (第14条第2項)業務を行うに当たって、不動産の適正かつ合理的な利用の確保に努めるとともに、投機的取引の抑制が図られるよう配慮しなくてはいけません
名義貸しの禁止 (第15条)自己の名義をもって、他人に不動産特定共同事業を営ませてはいけません
失補填の禁止 (第21条の2、準用 金商法第39条)相手方が当該不動産特定共同事業契約を締結しないといったにもかかわらず、勧誘の継続をしてはいけません
財産の分別管理 (第27条)不動産特定共同事業契約に係る財産を、自己の固有財産及び他の不動産特定共同事業契約に係る財産と分別して管理しなければいけません
財産管理状況の説明 (第28条第1項)事業参加者の求めに応じ、不動産特定共同事業契約に係る財産の管理の状況について説明する義務があります
書類の閲覧 (第29条)事業業務及び財産の状況を記載した書類を事務所ごとに備え置き、事業参加者の求めに応じ、これを閲覧させる義務があります
事業参加者名簿の作成・保存 (第30条)事業参加者名簿の作成と名簿の保存をしなくてはいけません
秘密を守る義務 (第31条第1項)正当な理由がない場合は、その業務で取り扱う内容を他人に漏らしてはいけません