電子取引業務
電子取引業務(クラウドファンディング)とは、インターネット上で事業のアイディアやプロジェクトを紹介し、それに共感し賛同する人から広く資金を集める行為のことを言い、不動産特定共同事業における電子取引業務とは、クラウドファンディングにより、不動産特定共同事業契約の締結の申し込みをさせる業務のことをいいます。
クラウドファンディングを活用して、古民家をゲストハウスに改修や、火災により全焼した温泉旅館を再建するなどさまざまな不動産事業が行われています。
不動産特定共同事業に該当するクラウドファンディングは以下のような場合です。
1.1号事業者が自らインターネット上で投資家を勧誘する場合
2.1号事業者が2号事業者(クラウドファンディング業者)に投資家の勧誘を委託する場合
3.特例事業において、4号事業者(クラウドファンディング業者)に投資家の勧誘を委託する場合
電子取引業務にかかる監督にあたっては、「不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドライン」記載の措置を明確に実施する必要があります。
電子取引業務ガイドラインとは、平成31年4月国土交通省が出した、不動産特定共同事業法に基づいて電子取引業務を行う際の各種業務手続きや業務管理体制を明確化することにより、電子取引業務の適正な運営の確保と投資家の利益の保護を図ることを目的に作られました。適用対象は、電子取引業務を行う、又は行おうとする不動産特定共同事業者又は小規模不動産特定共同事業者です。 電子取引業務を行う不動産特定共同事業事業者は、業務管理体制を整備しなくてはいけません。管理を行う措置が十分に取られていないと、顧客財産への被害や、顧客情報の流出被害が発生します。
整備すべき体制
整備すべき管理体制とは、
・電子取引業務において用いる電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置
・電子取引業務にかかる不動産特定共同事業契約を締結した事業参加者が当該契約について契約成立時交付書面を受領した日から起算して8日を経過するまでの間クーリングオフ制度を設置する
・電子取引業務を行う、不動産特定共同事業者は、業務管理者名簿やそのほか電子取引業務に重大な影響を与える法定事項を、ウェブサイトを通じて投資家に対して正確に閲覧できるように整備する
などがあります。 電子取引を行うには、このような体制を整備し、整備されていることについて監査官庁の審査を受け、認可を取得する必要があります。
電子取引業務のメリットとデメリット
電子取引を行うメリットとしては、最初にランニングコストはかかりますが、商品数や投資家数が多くなった時に、運営システムで一括管理ができるため効率的に事業運営ができるようになります。
投資する側にとっても、商品の確認から契約、決済までネット上で完結できるため迅速・手軽に不動産出資ができます。また、ほとんどがネット上でのやり取りになるため、ペーパレス化され管理しやすくなります。
もちろんデメリットもあるのも事実であり、ネット上ですべて完結してしまうため、投資家がどの商品に投資しているか管理ができていないと、万が一亡くなってしまった場合は相続人が把握するのに困難になるリスクがあります。