小規模事業者持続化補助金の令和6年度のポイント解説
小規模事業者持続化補助金の概要
まずは以前より継続している通常枠について、改めてご説明します。通常枠では、小規模事業者による持続的な経営計画に基づき、経費の一部を補助します。
商工会・商工会議所による助言等のサポートを受けながら、販路開拓・業務効率化などの事業に取り組みます。
補助対象者は、業者によって以下の様に定義されます。
商業、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 常時使用する従業員が5人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員が20人以下 |
サービス業(宿泊業・娯楽業) |
通常枠の補助率、補助上限額
補助率:2/3
補助上限額:50万円
補助対象となる経費
下記の経費が対象となります。
内容によって対象とならない可能性もございますので、ご注意下さい。
補助対象経費科目 | 活用事例 |
①機械装置等費 | 製造装置の購入等 |
②広報費 | 新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等 |
③ウェブサイト関連費 | ウェブサイトやECサイト等を構築、更新、改修するために要する経費 |
④展示会等出展費 | 展示会・商談会の出展料等 |
⑤旅費 | 販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費 |
⑥開発費 | 新商品・システムの試作開発費等(販売商品の原材料費は対象外) |
⑦資料購入費 | 補助事業に関連する資料・図書等 |
⑧雑役務費 | 補助事業のために雇用したアルバイト・派遣社員費用 |
⑨借料 | 機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの) |
⑩設備処分費 | 新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等 |
⑪委託・外注費 | 店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に依頼(契約必須) |
※設備処分費は、補助金交付申請額の1/2を上限となっております。
令和6年度 特別枠のポイント
令和元年度より継続している先述の通常枠に加え、以下の特別枠が新設されています。
・賃金引上げ枠
・卒業枠
・後継者支援枠
・創業枠
なお、各枠に補助金上限が50万円プラスされるインボイス特例がございます。
次に、具体的な内容について解説していきます。
小規模事業者持続化補助金拡充のポイントとして、この特別枠は、その特徴から「賃金引上げ枠・卒業枠」と「後継者支援枠・創業枠」に分けることが出来ます。
賃金引上げ枠・卒業枠
対象者:賃金引上げ又は雇用増加により、事業規模拡大を推進する小規模事業者。
なお、引上げと認められるのは、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上となる場合。
この条件がすでに満たされている時は、現在支給している事業場内最低賃金より+50円以上が目安です。
補助上限:200万円
補助率:2/3(赤字事業者は3/4へ引上げ、加点があります)
対象者:販路開拓を実施した上で、小規模事業者の従業員数を超えるよう、事業規模拡大に向け雇用を増やす小規模事業者。
補助上限:200万円
補助率:2/3
後継者支援枠・創業枠
対象者:販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた小規模事業者
アトツギ甲子園URL:https://atotsugi-koshien.go.jp/
補助上限:200万円
補助率:2/3
対象者:産業競争力強化法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む小規模事業者
補助上限:200万円
補助率:2/3
インボイス特例
免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者に対して補助上限額を一律50万円上乗せする制度
対象者:2021年9月30日~2023年9月30日の課税期間で、一度でも免税事業者であった、もしくは免税事業者になると見込まれる事業者の中で、インボイス(適格請求書)発行事業者に登録を行い、販路開拓に取り組む小規模事業者。
補助上限:各枠の補助上限額を50万円上乗せ
補助率:2/3
災害支援枠(令和6年能登半島地震)
上記通常枠と特別枠とは別枠として災害支援枠が創設されています。
以前の低感染リスク型ビジネス枠と同様に大規模災害用の支援枠が用意されました。
石川県、富山県、新潟県、福井県に所在する令和6年能登半島地震により被害を受けた小規模事業者等が対象です。
補助上限額は100万円~200万円になります。
今後の流れ
応募開始:2024年2月1日
応募締切:2024年3月14日(15次締切)
※災害支援枠(令和6年能登半島地震)は
募集開始 2024年2月1日(木)
募集締切 2024年2月29日(木)[郵送:締切日当日消印有効]