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就労ビザの有効期間(在留期間)はどれくらい?

就労ビザの有効期間は、在留資格の種類や審査結果によって異なります。
また、有効期間が満了する前に更新手続きを行うことで、有効期間を延長することができます。

本記事では、就労ビザの有効期間、有効期間の決定基準、更新申請方法について解説します。

就労ビザの在留期間は、種類によって異なります。
最短で15日から、最長で5年までの期間が設定されています。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザの在留期間は、3ヵ月、1年、3年、5年のいずれかです。
更新が許可されれば、最初の在留期間を超えて滞在することが可能です。

就労ビザの有効期間一覧

就労ビザの種類有効期間
高度専門職1号イ、ロ及びハ5年
特別高度人材5年
外交外交活動を行う期間
公用5年、3年、1年、3ヵ月、30日、15日
教授5年、3年、1年、3ヵ月
芸術5年、3年、1年、3ヵ月
宗教5年、3年、1年、3ヵ月
報道5年、3年、1年、3ヵ月
経営・管理5年、3年、1年、4ヵ月、3ヵ月
法律・会計業務5年、3年、1年、3ヵ月
医療5年、3年、1年、3ヵ月
研究5年、3年、1年、3ヵ月
教育5年、3年、1年、3ヵ月
技術・人文知識・国際業務5年、3年、1年、3ヵ月
企業内転勤5年、3年、1年、3ヵ月
介護5年、3年、1年、3ヵ月
興行3年、1年、6ヵ月、3ヵ月、15日
技能5年、3年、1年、3ヵ月
特定技能・特定技能1号:1年、6ヵ月、4ヵ月
・特定技能2号:3年、1年、6ヵ月
技能実習法務大臣が個々に指定する1年を超えない期間
特定活動5年、3年、1年、6ヵ月、3ヵ月、法務大臣が個々に指定する5年を超えない期間

有効期間を過ぎるとどうなる?

有効期間を過ぎると、不法滞在となります。
不法滞在の状態で日本に滞在することは当然法律違反となります。
また、不法滞在の外国人を雇用した場合、企業側も法的な責任が問われる可能性があります。

就労ビザの有効期間は、出入国在留管理庁の裁量によって決定されます。
同じ条件で申請しても、有効期間が異なることがあります。
在留期間を決める審査の主な基準には、「外国人本人に関する基準」と「所属企業側に関する基準」があります。
 
有効期間を決定する際には、就労する外国人本人と就労先の所属機関それぞれの基準を考慮して判断されます。

➀ 外国人本人に関する基準

外国人本人に関する基準としては、主に以下の3つがあります。
ただし、今回紹介する3つ以外の要件も、就労ビザの有効期間を決める審査に影響する可能性があります。

⑴ 素行不良でないか

就労ビザの更新では、在留期間中に素行が良好であったかが重視されます。
例えば、就労ビザで許可されていない活動に従事し報酬を得た場合、素行不良と見なされることがあります。
その結果、更新時の有効期間が短縮される可能性があります。

⑵ 納税や届出を適切に行っているか

在留する外国人は、各種の届出や納税の義務を守る必要があります。
納税義務を果たしていない場合、消極的な要因と判断され、有効期間に影響を及ぼす可能性があります。
納税義務の不履行で刑罰を受けていなくても、高額または長期の滞納が発覚すると審査に影響します。

⑶ 安定した生活ができるか

日本での滞在中、安定した生活を維持できるだけの経済力があるかも、就労ビザの有効期間に影響を与えます。
例えば、就労先の契約期間が1年未満の場合、その契約期間を超える在留期間が許可される可能性は低くなります。

② 所属企業側に関する基準

次に、所属企業側に関する基準としては、主に以下の3つがあります。
ただし、上記同様にこれら3つ以外の要件も、就労ビザの有効期間を決める審査に影響する可能性があります。

⑴ 企業の規模

就労ビザの有効期間には、企業の規模が影響します。
外国人が所属する会社は、大きく4つのカテゴリーに分けられます。
例えば、外国人の就労ビザを初めて申請する場合、カテゴリー1の「上場企業」なら5年の有効期間が認められる可能性があります。
しかし、カテゴリー3以下の企業では、5年の有効期間が認められない可能性が高いです。

⑵ 就労期間の見込み

就労期間の見込みも、就労ビザの有効期間に関わる要素の一つです。
在留期間5年の就労ビザは、期限を定めず外国人を雇用する場合が対象となります。
在留期間3年の就労ビザには、1年以上の就労期間が必要です。
在留期間1年の就労ビザには、1年未満の就労期間でも審査が通りやすい傾向があります。

⑶ 業務の内容

業務の内容も就労ビザの有効期間に影響します。
特に、1年の就労ビザを申請する場合、企業の業務内容と外国人労働者の知識・スキルの関連性が低いと判断される可能性があります。
また、単純労働と見なされることもあります。
そのため、外国人労働者の知識・スキルと企業の業務内容との関連性を証明する書類を準備する必要があります。

外国人が就労ビザの有効期間を超えて日本で引き続き働くためには、在留期間更新許可申請を行う必要があります。
在留期限までに手続きを怠ると、不法滞在となり、強制退去や刑事罰の対象になる可能性があります。
また、転職などで勤務先が変更された場合の更新申請については、外国人の学歴や実務経験に加え、新しい勤務先の業容や従事する業務が適正であるかが審査されます。

更新の手続きはいつからできる?

日本で働いている外国人の有効期間が迫ってきた場合、有効期間の満了日3か月前から申請が受け付けられます。
外国人が申請のタイミングで長期海外出張などをする場合は、合理的な説明を記した理由書を提出することで、3か月前より前に受け付けられることもあります。
在留期間の満了日直前に申請した場合、満了日までに更新の許可が下りない可能性もあります。
その場合、在留期間の満了日から2か月間は特例期間として在留が合法的に認められます。
特例期間の期限までには、出入国在留管理局から更新の許否についての処分がなされます。

在留期間の更新許可申請の審査期間

在留期間を更新するための申請については、全体の平均で審査に30日前後かかります。
「技術・人文知識・国際業務ビザ」の場合も、平均して30日程度の審査期間が必要です。
標準処理期間として公表されている「14日間」を目安にするのではなく、実際には1カ月程度かかると考えることをおすすめします。

就労ビザの有効期間は最短で15日、最長で5年と、かなりの幅があります。
審査の際には、外国人本人と所属企業側のそれぞれに設けられている基準が影響します。
必要書類の準備には多くの時間と手間がかかるため、専門家に相談することがおすすめです。
サポート行政書士法人では、就労ビザの新規申請や更新、変更に関するサポートをしています。
就労ビザの申請や更新を検討している方や、外国人を雇用している事業者の方は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。