ストックヤード運営事業者登録制度
投稿日:2024年12月10日
ストックヤード運営事業者登録制度は、令和5年5月26日に受付を開始した、比較的新しい制度です。
本登録制度は、実際にストックヤードを運営する事業者だけでなく、建設業者にも影響があります。
◆目次
- 1.ストックヤード運営事業者登録制度とは
- 2.登録有効期間
- 3.登録のメリット
- 4.他の許認可との関連
- 5.登録後に必要な手続き
- 6.土砂の搬入・搬出の管理
- 6-1.常勤役員等(経営業務の管理責任者)
- 6-2.営業所の専任技術者
- 6-3.保険加入
- 6-4.財産的基礎
- 7.標識の掲示
- 8.自社・取引先の登録要否について検討しましょう
1.ストックヤード運営事業者登録制度とは
令和3年7月に発生した静岡県熱海市における土石流災害を契機として、不法盛土の発生を防止し、建設発生土の適正利用等を徹底する観点から創設された登録制度です。
ストックヤード(※)の運営を行う「ストックヤード運営事業」について、事業者が任意に登録を受けることができます。
※再び搬出することを目的に、外部から搬入された土砂を一時的に堆積する場所
「ストックヤード運営事業者登録規程」(以下、「登録規程」)において、この登録を受けた事業者のことを「ストックヤード運営事業者」を呼び、様々な事項を規定しています。
2.登録有効期間
登録有効期限は5年です。
登録を継続する場合、5年ごとに、登録の更新を受ける必要があります。
3.登録のメリット
- 元請業者から搬出先として選ばれやすくなる可能性が高くなります。
省令(※)の改正により、令和6年6月から、元請建設工事事業者は、建設発生土の最終搬出先の確認が義務付けられていますが、搬出先が登録ストックヤードの場合は、ストックヤードへ搬出するまでの確認で済み、元請業者の負担が軽減されるためです。 - 特に地方自治体等の入札において、有利になる可能性があります。
発注者が搬出先の要件として、ストックヤード運営事業者登録を指定する可能性もあるためです。
※「建設業に属する事業を行う者の指定副産物に係る再生資源の利用の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」
4.他の許認可との関連
登録申請書には、他の許認可等の取得状況を記載する必要があります。
例:
- 宅地造成又は特定盛土等に関する工事の許可
- 一般廃棄物処理施設設置許可
- 地方公共団体の土砂の埋立て等に関する条例の規定による許可又は届出
- 建設業許可
- 解体工事業登録
※ ストックヤード運営事業者登録規程 第4条第1項第7号、第9号に記載
5.登録後に必要な手続き
- 管理状況年報の報告等(毎事業年度の終了後3か月以内)
- 不利益処分に係る報告(当該不利益処分に係る通知があった日から七日以内)
- 変更届(登録事項の変更日から30日以内)
- 廃業届(廃業の日から30日以内)
6.土砂の搬入・搬出の管理
6ー1.搬出時の確認記録書面
ストックヤード運営事業者は、その運営するストックヤードから土砂を搬出しようとするとき、所定の事項を確認した記録書面(電磁的記録も可)の作成が義務付けられます。
また、土砂の搬出の委託時には、この確認の結果等を通知する必要があります。
さらに、一度搬出した後、その搬出先から更に別の搬出先(※)へ搬出されたときは、速やかに、所定の事項を記載した書面を作成する必要があります。
※国等が管理する場所、ストックヤード運営事業者が運営するストックヤードの場合は、書面作成は不要
6ー2.搬入時の受領書
ストックヤード運営事業者は、その運営するストックヤードに土砂が搬入されたときは、搬入元に対して受領書(電磁的記録も可)を交付する必要があります。
また、ストックヤード運営事業者は、その運営するストックヤードに土砂を搬出したとき、搬出先に対して受領書の交付を求める必要があります。
6ー3.管理記録
ストックヤード運営事業者は、土砂の搬入及び搬出にあたり、搬入元又は搬出先ごとに、土砂の搬入量又は搬出量を管理し、記録する必要があります。
6ー4.記録等の保存・閲覧
確認記録書面、受領書、管理記録など、各種記録等は、その写しを作成後5年間保存する必要があります。
また、ストックヤード運営事業者が運営するストックヤードに関する土砂の搬入者・搬出者(予定含む)は、記録等の閲覧又は当社を請求することができます。
7.標識の掲示
ストックヤード運営事業者は、その運営するストックヤードごとに、公衆の見やすい場所に、所定の様式の標識を掲げる必要があります。
8.自社・取引先の登録有無について確認・検討しましょう
自社でストックヤード運営事業を行うときは勿論、それ以外の時にも、確認・検討が重要となることがあります。
例えば、元請建設業者等として、ストックヤードを活用する場合にも、登録業者のストックヤードを活用することで、業務負担が軽減されるためです。