外国人ドライバーが増える?在留資格「特定技能」に自動車運送業が追加!要件を解説
投稿日:2024年7月26日
特定技能「自動車運送業」 在留資格と試験について解説
タクシーやバス、トラックの運転手が慢性的に不足している現状を受け、「特定技能」の対象分野に「自動車運送業」が2024年に追加されました。
これまで、ドライバーとして働くためには、日本人の配偶者等や永住者等、就労制限のない在留資格を持っている必要があり、技術・人文知識・国際業務の在留資格では、ドライバーとして働くことは認められていませんでした。
※特定活動46号の在留資格であれば、ドライバーの業務に従事することは可能ですが、そもそもその在留資格を取得するためには、日本の大学を卒業し、日本語能力試験N1を持っている必要があるため、ハードルが高いのが現状です。
今回の措置により、運送業界で外国人労働者を雇用することが容易になり、業界の人手不足解消に寄与すると期待されています。
しかし、特定技能の在留資格を取得するためには、一定の技能と知識を証明するための試験が必要です。
この記事では、自動車運送業における特定技能の要件と試験について詳しく解説します。
自動車運送業の職種
特定技能の対象となる自動車運送業の職種には、トラック運転手、タクシー運転手、バス運転手などがあります。
特定技能の在留資格で、ドライバーとして働くことができるようになれば、より多くの外国人が日本でドライバーとして活躍できるようになりそうですね。
ただ、ドライバーとして活躍するためには、第一種運転免許の他、バス、タクシー、ハイヤー等の旅客自動車を運転するために必要な、第二種運転免許も求められます。
外国人に求められる在留資格と資格等の条件
外国人が自動車運送業で働くためには、特定技能1号の在留資格を取得する必要があります。
この在留資格を取得するためには、一定の技能水準と日本語能力を証明する必要があります。
現状、特定技能の在留資格で求められるのは、日本語能力試験N4レベル(基本的な日本語を理解することができるレベル)ですが、第二種運転免許まで取得するためには、より高度な日本語能力が必要になるため、課題の1つになりそうです。
また、自動車運送業において特定技能の在留資格を取得するためには、一定の技能水準を満たす必要があります。
これには、運転技能だけでなく、関連する法律や安全管理に関する知識も含まれるほか、各職種ごとに設けられた資格取得の要件を満たす必要があります。
トラックの場合
トラック運送業における特定技能1号の在留資格を取得するためには、大型自動車免許や、日本語能力試験(JLPT)でN4以上のレベルを持っていることが求められます。
また、運転経験が一定期間(トラック運転手として3年以上)あることも重要です。
タクシーの場合
タクシー運転手として特定技能1号の在留資格を取得するためには、普通自動車免許や、日本語能力試験(JLPT)でN4以上のレベルを持っていることが求められます。
また、接客マナーや安全運行に関するスキルが求められます。
バスの場合
バス運転手として特定技能1号の在留資格を取得するためには、大型自動車免許や、日本語能力試験(JLPT)でN4以上のレベルを持っていることが求められます。
また、安全運行に関する研修を受ける必要もあります。
特定技能1号・自動車運送業の試験
自動車運送業の特定技能1号試験は、外国人が自動車運送業で働くために必要な技能と知識を評価するものです。
試験は筆記試験と実技試験の二つの部分から構成されており、運転技能や関連する法律の知識、安全管理に関する知識が問われます。
試験に合格することで、特定技能1号の在留資格を取得し、日本で合法的に働くことができます。
トラックの場合
トラック運転手として特定技能1号の在留資格を取得するためには、特定技能1号試験を合格する必要があります。
この試験は、運転技能と関連知識を評価するものであり、筆記試験と実技試験の二つの部分から構成されています。
筆記試験では、道路交通法や労働基準法に関する知識、安全運転に関する理論などが問われます。
実技試験では、実際の運転技術や貨物の積み下ろしの技術などが評価されます。
タクシーの場合
タクシー運転手として特定技能1号の在留資格を取得するためには、特定技能1号試験に合格する必要があります。
この試験は、運転技能と接客サービスに関する知識を評価します。
筆記試験では、道路交通法やサービスマナー、安全運転に関する理論が問われます。
実技試験では、乗客の安全を確保しながら運転する技術や、接客マナーの実践が評価されます。
バスの場合
バス運転手として特定技能1号の在留資格を取得するためには、特定技能1号試験に合格する必要があります。
この試験は、運転技能と安全運行に関する知識を評価します。
筆記試験では、道路交通法や安全運行に関する理論が問われます。
実技試験では、バスの運行技術や、乗客の安全を確保するための技能が評価されます。
企業が満たすべき基準と要件
特定技能ビザで働く外国人労働者を受け入れる企業は、法的に定められた基準を満たすことが求められます。
特定技能を受け入れる事業所の条件
特定技能を受け入れる企業が満たすべき基準には、事業所の規模や経営状態、労働環境の整備状況などが含まれます。
例えば、トラック運送業の場合、事業所は適切な運行管理体制を整えていることが求められます。
また、労働者の安全を確保するための対策を講じていることも重要です。
運転者職場環境良好度認証制度
運転者職場環境良好度認証制度は、企業が運転者の労働環境を整備していることを証明する制度です。
この認証を取得することで、企業は特定技能の受け入れにおいて有利になります。
認証を取得するためには、運転者の労働時間の管理や安全対策の実施、労働条件の改善などが求められます。
企業は、これらの基準を満たすことで、労働環境の向上を図ることができます。
新任運転者研修も重要
新任運転者研修は、特定技能を持つ外国人労働者が企業で働く際に重要な役割を果たします。
この研修では、運転技術の向上だけでなく、日本の労働環境や文化についても学びます。
研修を通じて、外国人労働者は企業のルールやマナーを理解し、職場にスムーズに適応することができます。
企業にとっても、新任運転者研修は労働者の定着率を高めるために重要なステップです。
特定技能の効率的な受け入れ方法
特定技能の外国人労働者を効率的に受け入れるためには、企業側も一定の準備を行うことが重要です。
まず、労働環境の整備と適切な研修の実施が求められます。
運転者職場環境良好度認証制度の取得や、新任運転者研修の実施は、その一環です。
タクシーやバスの利用者等とのトラブル防止についても、対策が必要そうです。
外国人労働者のサポート体制を整えることも重要です。
例えば、日本語教育や生活支援、労働環境に関する相談窓口の設置などが挙げられます。
これにより、外国人労働者が安心して働くことができ、企業にとっても労働者の定着率を高めることができます。
特定技能の在留資格に関する情報は、企業内部で適切に共有・運用していきましょう。
法令を遵守し、適切な労働条件を提供することで、特定技能の外国人労働者を円満な形で受け入れることができます。
なお、特定技能の介護分野では、訪問介護などの訪問系サービスが認められていません。
これは、適切な運行管理により事故や過重労働等のリスクを低減し、利用者と1号特定技能外国人双方の人権擁護や、適切な在留管理を行う観点から対象外とされています。
今後、「自動車運送業」分野においても、同様のトラブルが想定されるので、管理体制を整えて行く必要がありそうです。
「特定活動ビザ」で自動車運送業に従事する人も
特定技能の在留資格だけでなく、特定活動として自動車運送業に従事する外国人も増加しています。
特定活動は、特定の活動を行うために日本に滞在するための在留資格であり、自動車運送業に従事する場合もあります。
この在留資格を取得するためには、特定技能1号の試験と同様に、運転技能や関連知識が求められます。
特定活動の在留資格を持つ外国人も、企業が満たすべき基準や労働環境の整備が求められます。
これには、運転者職場環境良好度認証制度の取得や、新任運転者研修の実施が含まれます。
特定活動の外国人労働者を受け入れる企業は、これらの要件を満たすことで、労働環境の向上を図ることができます。
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- 受入れ状況に係る届出
- 活動状況に係る届出
- 支援実施状況に係る届出
- その他の各種届出
よくある質問
特定技能1号の在留資格を取得するための試験はどのような内容ですか?
特定技能1号の試験は、筆記試験と実技試験の二つの部分から構成されています。
筆記試験では、道路交通法や労働基準法、安全運転に関する理論が問われます。
実技試験では、実際の運転技術や貨物の積み下ろしの技術が評価されます。
特定技能の外国人労働者を受け入れるために企業が準備すべきことは何ですか?
労働環境の整備と適切な研修の実施が重要です。
運転者職場環境良好度認証制度の取得や、新任運転者研修の実施、外国人労働者のサポート体制の整備が求められます。
特定活動の在留資格と特定技能1号の違いは何ですか?
特定活動の在留資格は、特定の活動を行うために日本に滞在する資格であり、特定技能1号は特定の技能を持つ外国人が一定の期間、日本で働くことができる資格です。
どちらも運転技能や関連知識が求められますが、特定技能1号は特定の職種に限定されます。