【建築基準法第45条】私道の変更又は廃止の制限とは?
投稿日:2023年7月28日
重説には、「私道の変更又は廃止の制限」という欄があります。
根拠規定は建築基準法第45条です。
私道の変更又は廃止の制限によって、その道路に接する敷地が第43条第1項の規定又は同条第3項の規定に基づく
条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。
(建築基準法第45条)
第43条第1項とは、建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならないという原則のことで、同条第3項とは、一定の要件を満たす建築物の際に、地方公共団体が条例で第43条第1項の「道路に2m以上接しなければならない」の部分の制限を付加することができるものです。
つまり、「道路に4m以上接しなければならない」という具合に制限を強めることができるのです。
私道という公ではなく私人が維持管理を行っている道路を、変更(工事をして道路をいじる等)又は廃止(私道をなくしてしまう等)によって、上記の条件を満たさなくなってしまう際には、特定行政庁がその変更又は廃止を禁止したり、制限することができるのです。
制限の有無は重説に記載すべき内容
では、重説において、この制限がどのように関わってくるのでしょうか?
例えば、不動産の売買で対象不動産に私道が含まれている場合に、私道は私有財産であるため、個人が自由に処分できます。
ただし、これも所有権絶対の原則の例外で、特定行政庁が条例で制限を課している場合には、所有者であっても自由に処分できないことになります。
不動産の買主は購入後、私道部分を変更又は廃止して、何かを建築しようとしている可能性もあるため、重要事項説明書に制限の有無を記載して、事前に買主に知らせておく必要があるのです。
私道の変更や廃止の条件
私道の変更や廃止の可否は、その性質によって異なります。
以下に、性質ごとの条件をまとめます。
所有者のみが利用している場合
所有者は自分の土地を自由に使用・処分する権利を有しています。
そのため、他者が利用していない私道については、自由に変更や廃止が可能です。
登記簿に公衆用道路と記載されている場合
私道でありながら公衆用道路として不動産登記されていても、法律上、私道の変更・廃止は可能です。
ただし、他の利用者がいないことや、廃止後に宅地への地目変更を行い、固定資産税を納めることが条件となります。
位置指定道路に指定されている場合
私道は基本的に自由に処分できるのが基本ですが、建築基準法による位置指定道路で、第3者が建築基準法第35条に定める接道要件を満たして建物を建てられる状態では、勝手な変更・廃止はできません。
第3者が建物を解体し、利用しなくなった場合は、所有者が私道を宅地として取り込むことが可能ですが、市町村を通じて位置指定道路の撤回手続きが必要です。
通行権が設定されている場合
建築基準法上で指定されていない道路でなくても、通行権を有する者がいる私道については、その通行人の承諾がなければ私道の廃止はできません。
2項道路に該当する場合
幅員4m未満の道路は、中心から左右に2m以上を確保する必要があります。
個人の敷地まで拡張された=セットバックされた部分が2項道路(みなし道路)と呼ばれ、位置指定道路と同様、市町村の撤回がない限り変更や廃止はできません。
重説作成業務はサポート行政書士法人へ
弊社では、複数の重説専門スタッフが在籍しているため、これまで多くの重説を作成してきました。
現在では、年間約350件もの重説作成を行っています。
もちろん私道が関わってくる不動産についても数多く取り扱ってきました。
そのため、上記制限の有無についての調べ方や役所への聴取ポイントなど、多くのノウハウを蓄積しています。
これまでも1つの会社様から100件を超える重説作成依頼をお受けしたこともあります。
こういった大量案件にも対応できるのが弊社の強みでもあります。
重説作成業務を弊社にアウトソーシングして、貴社内の負担を減らしませんか?
ぜひ、一度お電話や下記申込フォームよりご相談下さい!