中国人と国際結婚するにはどうしたらいい?手続きの流れ・必要書類・注意点などを解説
投稿日:2024年9月2日
中国人と日本人が結婚が近年増えています。
しかし、日本人同士の結婚とは異なり、手続きがスムーズに進むかどうか、不安に感じる方も多いでしょう。
本記事で、中国人との国際結婚について、各国での手続きの流れや必要な書類、そして注意すべきポイントについて、詳しく解説します。
中国人との国際結婚の手続き方法
中国人と日本人が国際結婚をする場合、中国で先に手続きを進める場合と、日本で先に手続きを行う場合によって、求められる書類や手続きの手順が異なります。
先に中国で手続きを行う場合
中国に滞在している方は、先に中国で手続きを行うのが効率的です。
1. 日本人の婚姻要件具備証明書を取得
「婚姻要件具備証明書」は、中国人と日本人が結婚する際に必要な書類です。
日本に住んでいる場合は法務局で、中国に住んでいる場合は日本大使館または領事館で取得できます。
この手続きに必要な書類は以下の通りです。
日本人が準備する書類
- 戸籍謄本
- 認印
- 結婚相手の生年月日
- 結婚相手の国籍
- 結婚相手の名前(中国人側の身分証明書のコピー)
- 身分証明書
※申請日から100日以内に転籍をしている女性の場合は、転籍前の戸籍謄本も必要です。
中国人が準備する書類
- 居民身分証
- 居民戸口簿
2. 外務省での公印確認
次に、外務省で婚姻要件具備証明書の認証手続きを行います。
認証の申請と受領の2回、外務省へ行かなければなりません。
認証に必要な書類は以下の通りです。
- 婚姻要件具備証明書
- 身分証明書(パスポート等)
3. 中国大使館・領事館での証明書認証
外務省での認証が完了したら、次に中国大使館での認証手続きを行います。
必要な書類は以下の通りです。
- 婚姻要件具備証明書とそのコピー
- パスポート
- 公証認証申請表
費用は、翌日認証の場合11,320円、翌々日の場合9,456円、4営業日の場合5,160円になっています。
4. 中国の婚姻登記処での婚姻申請
婚姻具備証明書が日本と中国の両国で承認された後、中国での婚姻登記申請を行います。
この手続きには、日本人と中国人それぞれが書類を準備しなければなりません。
また、日本で発行された婚姻具備証明書には中国語の翻訳文が必要です。
申請先は、配偶者となる中国人の常住戸口所在地を管轄する、婚姻登記処です。
※申請は結婚する当事者2人が一緒に行う必要があります。
日本人が準備する書類
- 中国・日本の大使館・領事館で認証済みの婚姻具備証明書
- 上記の中国語の翻訳文書
- パスポート
中国人が準備する書類
- 居民戸口簿
- 居民身分証
- パスポート
5. 婚姻届の提出
中国での婚姻登記が完了したら、その婚姻の事実を日本に報告しなければなりません。
申請先は日本の市区町村役場です。
中国在住の場合は、日本大使館または領事館でも手続きが可能です。
日本人が準備する書類
- 戸籍謄本
- パスポート
中国人が準備する書類
- 結婚公証書
- 国籍公証書
※これらの書類は中国の公証処で発行され、日本語訳文が必要です。
中国国内の日本大使館や領事館で手続きをすることも可能ですが、日本の戸籍に婚姻の事実が反映されるまでに約2ヶ月ほどかかります。
先に日本で手続きを行う場合
配偶者となる中国人がすでに日本在住の場合、日本で先に結婚手続きを進めると効率的です。
1. 中国大使館・領事館での証明書取得
中国人配偶者のための婚姻要件具備証明書を申請し、取得します。
この証明書は日本にある中国大使館または領事館で手に入れることができます。
必要な書類は以下の通りです。
- 公証認証申請表
- パスポートとその写真ページのコピー
- 在留カードとその両面コピー
- 声明書
※声明書の署名は申請する際に窓口で行わなければなりません。
2. 市区町村役場での婚姻届提出
婚姻要件具備証明書を無事に取得した後、必要書類を準備して日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。
必要な書類は以下の通りです。
日本人が準備する書類
- 婚姻届
- 戸籍謄本(本籍地以外で提出する場合)
中国人が準備する書類
- 婚姻要件具備証明書(日本語訳文が必要です)
- 在留カード
- パスポート(日本語訳文が必要です)
3. 外務省での証明書認証
日本で婚姻が成立した後、中国への婚姻報告のため、両国で婚姻受理証明書の認証を行います。
まず、日本の外務省で公印確認の手続きを行います(郵送での手続きも可能)。
その後、認証された婚姻受理証明書を在日中国大使館または領事館に持参し、認証してもらいます。
4. 中国での戸籍変更
日本での結婚手続きが完了すると、その婚姻は自動的に中国でも有効と認めらるため、中国側での追加の結婚手続きは不要です。
ただし、中国人配偶者の戸籍に婚姻状況の変更をしなければなりません。
この手続きは、認証済みの婚姻受理証明書を中国人配偶者の戸籍所在地役場に提出すれば問題ありません。
この際、婚姻受理証明書の中国語訳文が求められます。
5. 配偶者ビザ申請
中国人と日本人の結婚が成立した後、配偶者ビザへの変更手続きを行います。
このビザを取得することで、中国人配偶者は日本で自国民と同等の生活を送ることができます。
配偶者ビザの審査は厳しく、婚姻しているだけでは必ずしも取得できるとは限りません。
申請に向けて十分な準備をすることをおすすめします。
どちらで先に手続きを行うべき?
中国人と日本人が国際結婚を行う際、どちらの国で手続きを先に進めても特に問題はありません。
現在の居住状況に応じて、スムーズに手続きを進められる方法を選ぶとよいでしょう。
すでに在留資格を持つ中国人の場合
中国人配偶者がすでに日本に滞在していて、在留資格を持っている場合は、先に日本で手続きを進める「日本方式」が効率的です。
また、婚姻成立後には在留資格の変更手続きが必要となりますが、配偶者ビザの申請にはおよそ2~3ヶ月程度かかります。
在留資格の有効期限を考慮し、計画的に申請手続きを進めることが大切です。
中国の「結婚証」を取得したい場合
中国政府発行の「結婚証」を取得したい場合は、中国での手続きを選択する必要があります。
この証明書は、中国方式で結婚手続きを行った際にのみ発行されます。
日本人と中国人が婚姻成立した後に必要な書類を揃え、中国人配偶者の戸籍所在地を管轄する人民政府が指定する婚姻登記機関で手続きを行えば、「結婚証」を受け取ることができます。
必要書類に関する注意点
中国人と日本人が国際結婚手続きを行う際の書類作成に関する注意点について説明します。
婚姻要件具備証明書とは?
中国人に限らず、国際結婚の際には、「婚姻要件具備証明書」の提出が求められることがあります。
婚姻要件具備証明書とは、外国人が自国の結婚に関する要件を満たしていることを証明する書類です。
日本の役所では、中国の結婚要件を調査することはありません。
そのため、中国人が自国の結婚要件を満たしているかどうかを日本の役所で確認できるよう、婚姻要件具備証明書の提出が必要となります。
逆に、中国の役所でも、日本の結婚要件が確認できないため、同様に婚姻要件具備証明書が求められます。
婚姻要件具備証明書が必要になるのは、結婚手続きを先に行う国が自国でない場合であり、中国で先に結婚する場合は日本人が、日本で先に結婚する場合は中国人が提出します。
独身証明書では代用不可
婚姻要件具備証明書に似た書類として「独身証明書」がありますが、これは単に独身であることを示すもので、結婚要件を満たしていることを証明するものではありません。
婚姻要件具備証明書には結婚相手の氏名、国籍、生年月日が記載されますが、独身証明書にはこれらの情報が含まれません。
そのため、独身証明書は婚姻要件具備証明書の代わりとしては不十分です。
また、戸籍謄本も独身を証明することはできますが、結婚要件を満たしているかどうかは記載されていないため、婚姻要件具備証明書の代わりとしては使用できません。
婚姻要件具備証明書を取得するには?
婚姻要件具備証明書は、法務局またはその支局で取得することができます。
住所や本籍地に関係なく取得が可能です。
ただし、出張所では取り扱いがないため、注意が必要です。
取得の際には、不正防止の観点から、必ず本人と配偶者が一緒に訪問する必要があり、代理人や郵送による取得はできません。
発行は基本的に即日で行われます。
翻訳が必要な書類
日本の書類を中国に提出する際には中国語の翻訳文が必要です。
逆に、中国の書類を日本に提出する際には日本語の翻訳文が必要となります。
相手国の言語が理解できる場合は、自分で翻訳することも可能です。
翻訳が難しい場合は、翻訳会社に依頼するか、知人に頼みましょう。
離婚や死別の場合の追加書類
日本人または中国人のいずれかが離婚や死別を経験している場合には、追加の書類が必要になります。
日本人側で離死別の経験がある場合
日本人が過去に離婚歴や死別を経験している場合、元配偶者の生年月日が記載された「改製原戸籍」などの書類を準備する必要があるケースもあります。
必要書類は各市区町村役場によって異なることがありますので、事前に確認することをお勧めします。
中国人側で離死別の経験がある場合
中国人配偶者が離婚歴や死別の経験がある場合には、離婚調停書、離婚公証書、または死亡公証書が必要になります。
また、中国人が日本国内で離婚や死別を経験している場合には、離婚届受理証明書や死亡届受理証明書などの提出が求められます。
必要書類は各市区町村役場によって異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
国際結婚手続き後は中国・日本のどちらかでビザの取得が必要
国際結婚の手続きが完了した後には、ビザの取得が必要です。
配偶者ビザを取得することで、日本で一緒に生活することができるようになります。
また、中国人配偶者がすでに他の在留資格で日本に滞在している場合でも、結婚後には配偶者ビザへの切り替えが必要です。
日本での暮らしを希望する場合
中国人配偶者がすでに日本に滞在している場合は本人が申請を行い、日本に滞在していない場合には日本人配偶者が代理申請を行います。
申請は居住予定地を管轄する地方出入国在留管理局またはその出張所で行います。
配偶者ビザの申請に必要な書類一覧
- 在留資格認定証明書交付申請書 1通
- 中国人配偶者の写真(縦4cm×横3cm)※申請前3ヶ月以内に正面から撮影されたもの 1枚
- 日本人配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
- 中国で発行された結婚証明書 1通
- 日本人配偶者の住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書 各1通
- 日本人による身元保証書 1通
- 日本人配偶者の世帯連記式の住民票 ※発行から3ヶ月以内のもの 1通
- 質問書 1通
- 夫婦で写っているスナップ写真 2~3枚
- 返信用切手を貼り付けた返信用封筒 1通
配偶者ビザ取得の難度
配偶者ビザを取得する際には、質問書や補足資料として理由書や交際経緯説明書を提出し、正当な交際であることを証明することが求められます。
特に年齢差が大きい場合や、接待飲食店での出会いの場合、書類での信頼を得る必要があります。
配偶者ビザは就労などに制限がなく、日本での生活が自由に行えるため、偽装結婚によるビザ取得を試みるケースがあるため、審査が厳しくなりがちです。
そのため、正当な交際による結婚であることを強く主張する必要があります。
質問書だけでは交際の詳細を十分に説明できないため、理由書で補足することが大切です。
理由書では、出会いから結婚に至るまでの経緯を時系列で詳細に説明します。
出会った時期や場所、関係が深まったきっかけなど、具体的な事実を記述し、審査官に疑念を抱かれないように丁寧に作成しましょう。
このように、配偶者ビザの取得手続きは、難易度が高いです。
もし、配偶者ビザの取得手続きが難しいと感じた場合は、外国人の在留に詳しい行政書士などに相談することをおすすめします。
おわりに
本記事では、中国人との国際結婚を考えている方に向けて、各国での結婚手続きの流れや必要な書類、そして注意すべきポイントについて、解説しました。
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