【投資助言業における人的構成について】
投稿日:2023年7月3日
投資助言業の登録において最も重要なポイントとなる人的構成について説明します。
助言業者が備えるべき組織・人的構成については、金融商品取引法上明確に定義されている訳ではありませんが、金融庁が出している金商業者向けの監督指針によると、①登録申請者や役員、法令順守業務を担当する責任者が登録拒否事由に該当しないこと、②業務を遂行するのに十分な組織体制が整備されていること、③業務遂行にあたって十分な知識・経験を有する人員がいることが求められます。
少なくとも、「経営者」、「常務に従事する役員」、「営業部門(投資判断責任者)」、「コンプライアンス責任者」、「内部監査責任者」には知識・経験が重要視されますが、体制整備するにあたり、その他にも下記のような点に注意が必要です。
①過去勤務した金融商品取引業者での出来事(行政処分、届出遅延、転職歴等)
②雇用形態
③常勤性
④他社との兼職
⑤自社内の兼務
⑥外注の可否
中でもよく相談されるのが③常勤性と④他社との兼職です。
常勤性について
・助言業登録上、特にコンプライアンス責任者は「常勤」が必須と言われます。
「常勤」の定義については法令上の明記はありませんが、通常「週5日以上・1日8時間程度、他の同様のポジションのメンバーと同程度の時間、勤務している事」が想定されています。
実際は、週3勤務/オール在宅勤務等となると、常勤と判断してもらえない可能性があります。
・対象者の住所(住民票の住所)が申請者の所在地に対して遠隔地の場合、通勤実態の確認が入ることもあります。
・コロナ以降、一定在宅ワークも認められる傾向にはありますが、「フルリモート(完全在宅)」となると、そもそも常勤と認められず、自宅が事務所とみなされ、事務所登録を求められるリスクがあります。在宅ワークを取り入れる場合でも何かあった時に会社に駆けつけられることが出来るか否か問われるケースがあります。
他社との兼職について
兼職=不可ではありませんが、以下のポイントについて審査の際に確認されます。
助言業を行う会社での常勤性に支障がないか
→実際にどのくらいの頻度で他社の業務を行うのか、そもそも兼職先において副業が認められているのかについて確認が必要です。
また、常勤が求められる役職者は、他社で兼職不可な役職(責任者等)を引き受けている場合、常勤性に支障があると判断される可能性があります。
兼職している他社で行っている事業が適切かどうか
→風俗関係など事業内容によっては、兼職先として不適切と判断される可能性があります。
利益相反の整理が必要な事業内容(例:同じ金商業者の場合)かどうか
→利益相反の整理が必要と判断された場合には、弊害防止の問題や情報の取り扱いの問題等が問われ、それに対する対策(社内規程策定や体制構築等)が求められる可能性があります。
個人情報等の管理について
→兼職している他社及び自社(助言業)における顧客情報等の管理(ファイアーウォール等)について、詳しく説明を求められ、審査されます。
また、個人事業主としての業務も兼職と解されますのでご注意ください。
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