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ルールチェンジを乗りこなせ! IT導入補助金2022→2023の変更点

※本記事はIT導入支援事業者向けの記事です。


経済産業省 中小企業庁が管轄する「IT導入補助金事務局HP」にて2023年3月10日付で、2023年度の公募要領が公開された。

公募要領によると交付申請は2023年3月28日(火)に受付開始(通常枠・セキュリティ対策推進枠・デジタル化基盤導入枠)予定である。

主任コンサルタント 井浪 竜馬
主任コンサルタント
井浪 竜馬

2022年度と2023年度の主な変更点は以下の通り。

交付申請

中小企業庁が実施するデジタル化支援ポータルサイト「みらデジ」に登録し、
「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行うこととなった。

類型詳細

<通常枠>
・A類型の最低補助申請額が30万円以上→5万円以上に引き下げとなった。
・クラウド利用料が1年分→2年分に引き上げられた。

<デジタル化基盤導入類型>
・最低申請補助額が5万円以上→撤廃となった。

申請単位

<通常枠>
IT導入補助金2022の通常枠及び複数社連携IT導入類型で交付決定を受けた事業者(グルー
プ構成員を含む)は、交付決定日から12ヶ月以内にIT導入補助金2023の通常枠で申請する
ことはできない。

<デジタル化基盤導入類型>
IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入類型及び複数社連携IT導入類型で交付決定を受け
た事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12ヶ月以内にIT導入補助金2023の
デジタル化基盤導入類型で申請することはできない。

事業の実施及び事業実績報告

今年度の公募要領より下記フレーズが新たに明記された。

※交付申請の提出時期により、事業実施期間が3か月程度の場合もあるため、
 事業実施期間内に事業の実施及び事業実施報告書類の提出が可能か事前に十分確認を行い、
 申請を行うこと。

事業実施効果報告

<通常枠>
2025年から2027年までの3回

<デジタル化基盤導入類型>
2024 年4月
※但し、賃上げによる加点を受ける場合、3年間の事業計画期間後に賃上げの実施状況等
について報告が必要となる。

加点項目について

以下の通り加点項目が追加された。

  • 令和4年度に「健康経営優良法人2023」に認定された事業者であること
  • 「地域DX促進活動支援事業」における支援コミュニティ・コンソーシアムから支援を受けた事業者であること ※詳細はHP公募要領にて確認すること
  • 介護保険法に基づくサービスを提供する事業所で、介護職員等特定処遇改善加算を取得しているものを運営している法人

減点項目について

<通常枠>
下記に該当する場合は、項目ごとに審査上の減点措置を講じる。

  1. IT導入補助金2022において、デジタル化基盤導入類型で交付決定を受けた事業者
  2. IT導入補助金2023において、デジタル化基盤導入類型で申請を行っている若しくは交付決定を受けた事業者


※なお、1)及び2)において選択されたITツールと
 同一の機能(会計・受発注・決済・EC)を有するITツールを導入する場合は更なる減点を行う。

<デジタル化基盤導入類型>

  1. IT導入補助金2022及びIT導入補助金2021において、交付決定を受けた事業者
  2. IT導入補助金2022において、通常枠、デジタル化基盤導入類型、複数社連携IT導入類型で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)
  3. IT導入補助金2023において、通常枠で申請を行っている若しくは交付決定を受けた事業者


※なお、1)~3)において選択されたITツールと同一の機能(会計・受発注・決済・EC)を有するITツールを導入する場合は更なる減点を行う。

[出典]
・「IT導入補助金2023 公募要領 通常枠(A・B類型)版」
・「IT導入補助金2023 公募要領 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)版」
 https://www.it-hojo.jp/ (IT導入補助金事務局より)

専門家の視点

1.今回から登録が必須となった「みらデジ」
IT導入補助金ではこれまでに申請に際して、「gBizIDプライム」の取得と、「SECURITY
ACTION(一つ星または二つ星)」の宣言が必要だったが、それに加えて「みらデジ」の登
録が必須となったことで申請者側にとってやや負担が増えることになった。「みらデジ経
営チェック」を交付申請前に実施しなければならないが、補助金の審査上でこの経営チェ
ックの内容がどう反映されるかは不明である。「みらデジ経営チェック」による質問回答
は、実際の補助金申請にかかる事業計画書の内容と整合性を合わせておくのが無難だろう。


2.A類型の要件緩和
A類型の最低補助申請額が30万円だったが、5万円と大幅に引き下げられた。
つまり、ツール金額が10万円であれば補助率1/2が適用されて、申請が可能となる。

更にクラウド製品ツールは最大2年分が対象になったことで、今後A類型での申請が増える
ことが思料される。