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【BCP】Q&A:どのような災害を想定して策定すればいいですか。

BCPの策定の理想は、事業所に降りかかる、ありとあらゆる脅威に対応できる体制を構築することです。
日本においては、地震や洪水などの自然災害や感染症、大規模停電、広域テロなどの脅威が考えられます。
しかし、最初から全てのケースを想定したBCPを作成するのは容易ではありません。
そこで、まずは厚生労働省でもガイドラインが公表されている、自然災害感染症という2つをそれぞれ作成するのが一般的です。

東日本大震災が発生した際、障害者施設に入居している利用者の避難の難航や、震災によって障害者施設で暮らせなくなった利用者の受け入れ先がなかなか見つからないなど、多くの問題が発生しました。
障害者施設で生活している利用者は、いざ災害が発生しても、自力で避難するのは容易ではありません。
また、災害などの理由により福祉サービスの提供が停止してしまった場合、利用者の安全や生命が危険にさらされるほか、その家族に対しても肉体的、経済的に重い負担がかかってしまいます。

コロナ禍では、障がい福祉施設でもクラスターが発生しました。
感染症による脅威は、単に利用者の感染だけでなく、従業員の病気による長期離脱によってサービスが安定して提供できなくなることも深刻な問題です。

このような事例を参考に、自然災害・感染症について、それぞれ対策を考えていくことが重要です。
自然災害においては、「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」等、広域で被害が想定されるものを軸に作成し、洪水や土砂崩れ等、事業所の所在地の地形等から考えられる災害に派生させていくとよいでしょう。
感染症についても、新型コロナウィルス感染症を軸に他の感染症への応用をしていく形で作成していくと考えやすいと思います。

作成いただくBCPは、ただのマニュアルではなく“事業所の実情を考慮した”マニュアルとなります。
自然災害であれば、各地区町村にて被害想定等の資料を公表しているため、そちらを基に具体的な被害を想定し、構築する必要があります。
また、感染症については、厚生労働省や感染対策情報等を発信している団体からの情報を収集し、自分たちでどこまで対応が必要なのか、協力医療機関への協力依頼等はどのタイミングで行うかなど、具体的に想定する必要があります。

事業運営と並行しながら、各種情報を収集し、対策を講じるのは時間を要すため、弊社のようなコンサルタントのリードのもと策定することをおすすめします。ぜひ一度、ご相談ください。