【金融庁が検討】暗号資産(仮想通貨)等の仲介ができる「暗号資産・電子決済手段仲介業」の新設
投稿日:2024年12月6日
暗号資産(仮想通貨)等の市場は今も拡大を続けており、新たな仲介業務の枠組みが注目を集めています。
最近、金融庁が「暗号資産・電子決済手段仲介業」という新しい登録制度の導入を検討しているというニュースが話題となっています。
本記事では、「暗号資産・電子決済手段仲介業」とは何か、その登録についての現状や将来的な見通しについて解説します。
暗号資産・電子決済手段仲介業とは何か
暗号資産仲介業は、暗号資産等の媒介のみを行う新たなビジネスの形態として注目されています。
金融庁は、11月21日に開いた金融審議会の作業部会で「暗号資産・電子決済手段仲介業」という仮称で案を示しました。
「暗号資産・電子決済手段仲介業」は、暗号資産や電子決済手段(いわゆるステーブルコイン)の売買や交換を媒介し、かつ、金銭や暗号資産の預託を行わない業者が想定されています。
現状では、この行為を行う場合でも、厳しい規制のかかる暗号資産交換業の登録が必要になります。
出典:金融庁
暗号資産交換業より規制が軽い
暗号資産・電子決済手段仲介業の新設が検討されている背景には、暗号資産交換業における厳しい規制が一因とされています。
暗号資産交換業は、顧客の資産の保全やマネーロンダリング対策など、非常に多くの規制が課されています。
しかし、仲介業はこれに比べてより柔軟で規制が軽い形態として新設される見通しで、一般事業者にとって参入しやすいものとなることが期待されています。
金融審議会では、仮に事業者のビジネスが暗号資産・電子決済手段の「媒介」に限定されている場合、当該事業者は暗号資産等の取引の当事者となるものではなく、利用者の資産(金銭、暗号資産等)の預託も受けないため、利用者に生じるリスクは限定的ではないかと指摘されています。
具体的には、取引の当事者となる暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者が適切にAML/CFTの対応を行う限り、仲介業者に対してはAML/CFT規制を課す必要性が低いのではないか(※)、とのことです。
※あくまでも議論段階であるため、実際にどの程度規制が軽くされるのかは要確認です。
暗号資産・電子決済手段仲介業の登録について
暗号資産・電子決済手段仲介業の登録手続きについて、現時点では詳細な情報がまだ提供されていません。
しかし、現在の資金決済法に基づく資金移動業や暗号資産交換業の登録申請手続きに準じた形での手続きが求められることが予想されます。
下記の表では、類似の既存の仲介業者(金融商品仲介業者、金融サービス仲介業者)との比較がされています。
出典:金融庁
暗号資産・電子決済手段仲介業では、仲介の対象が暗号資産・電子決済手段に限られることが想定されるため、特定の金融機関等への所属を求める「所属制」が検討されています。
所属制が採用される場合は、仲介業者が所属する金融機関等が仲介業者に対して適正かつ確実な業務遂行を確保するための指導・監督を行うことが求められます。
出典:金融庁
つまり、暗号資産・電子決済手段仲介業では、利用者に損害が生じた場合には所属先の暗号資産交換業者等が原則として損害賠償責任を負うことになります。
また、仲介業者による利用者資産の受託が禁止されることも併せると、財務要件は不要ではないかとの見立てです。
暗号資産・電子決済手段仲介業に関するご相談について
サポート行政書士法人では、暗号資産仲介業が正式に新設されることになった際に登録支援サービスを展開することを検討しています。
登録に関しては、要件確認等の事前の準備や、必要書類の整備が重要となります。
弊社は既存の金融許認可の手続きに精通しており、当該許認可についてもスムーズな登録を支援できるよう準備を進めています。
現時点ではまだご相談等を受け付けていませんが、今後の動向に合わせて情報を随時更新を行う予定です。
暗号資産・電子決済手段仲介業に興味をお持ちの方は、今後の発表をお待ちください。