割賦販売の「表示」と「書面交付」ルール──お客様に安心を届けるために
投稿日:2025年4月25日
商品やサービスを「あと払い(分割払い)」でご提供する際、お客様にとって最も大切なのは「支払い総額はいくら?」「いつまでに何回払えばいい?」という情報です。
割賦販売法では、これらを事前にわかりやすくお伝えするために、事業者(割賦販売業者)に次の2つを義務づけています。
- 条件の「表示」
- 契約ごとの「書面交付」
取引開始前に必ず「表示」すること
お店のチラシやチケット、ウェブサイト、店頭ポスターなどお客様が購入前に目にするすべての場面で、主に以下の項目を示さなくてはなりません。
- 現金販売価格
一括払いした場合の価格。例:テレビなら「一括払いで10万円」 - 割賦販売価格
分割払いを選んだ場合の総支払額。例:「月々1万円×12回=12万円」 - 支払い期間・回数
いつからいつまで、何回に分けて払うのか。例:「初回◯年◯月、以降月1回、年12回」 - 分割手数料の料率
分割払いにかかる手数料の割合。例:「年率5%」 - (前払式の場合)引渡し時期
チケットや定期券など、先にお金をいただくタイプでは「いつ使えるようになるか」
2.契約時に「書面」を渡す意味
分割払いのカードを発行したり、契約を結んだ直後には、口頭だけでなく、紙または電子の書面で条件を交付する義務があります。
この書面には、支払い回数や手数料の計算方法、解除条件など、契約の要点が全て盛り込まれています。
書面を交付することで、お客様は「どの時期に、いくらずつ払えばよいのか」「手数料がどう算出されているのか」「契約を解除するときのペナルティは?」といった重要事項をいつでも確認できます。
後日「そんな話は聞いていない」と言われないための、いわば「お互いの共通ルール」を明文化する役割を担っています。
3.電子化で手間を減らしつつ安心も確保
近年は紙の書面交付が負担になるケースも増えています。
今はお客様の同意を得れば、メールやWeb画面での電子交付も認められています。
ただし、単にPDFを送るだけではなく、保存・印刷ができる仕組みや、いつでも閲覧できるポータルの整備などが必要です。
電子化のメリットを活かしつつ、「書面を渡したものとみなす」要件を満たすよう注意しましょう。
4.表示・交付を怠るとどうなる?
もし条件表示や書面交付の要件を守らないと、50万円以下の罰金が科されることとなっています。
また、お客様からの信頼を損ねると、クレーム対応や返金対応に追われ、結果的にコストや時間が膨らんでしまいます。
事前の準備と正確な手続きが、あなたのビジネスを守り、売上アップにもつながるのです。
(著者:徐)
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