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【2024年最新】解説!留学生の在籍管理の徹底に関する新たな対応方針について

こんにちは。サポート行政書士法人の近藤です。
今回は、外国人留学生を受け入れている大学向けに、
「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の一部を改正する省令」の概要について解説します。

平成31年頃、一部の大学 (別科等の非正規課程) や専門学校の留学生が多数行方不明となる事案があり、留学生に対する不十分な在籍管理や不適切な入学選考等の問題点が判明しました。
そこで、文部科学省及び出入国在留管理庁は、「留学生の在籍管理の徹底に関する新たな対応方針」(令和元年6月11日)を策定し、留学生の在籍管理の徹底について、政府と大学等が一体となって対策を講じることを決定しました。
令和6年4月26日に 施行された上陸基準省令の改正は、この方針に基づくものです。

大学に関わる主な改正点

「適切な在籍管理」を留学生受入れの要件として明文化

留学生を受け入れる教育機関が、受入れに必要な管理体制を整備していることが要件とされました。教育機関の受入体制が不適切である場合は、留学生を受け入れることができなくなります。

 

【出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令】
法別表第一の四の表の留学の項の下欄に掲げる活動
二の二 申請人が教育を受けようとする教育機関が、当該教育機関において教育を受ける外国人の出席状況、法第十九条第一項の規定(※)の遵守状況、学習の状況等を適正に管理する体制を整備していること。

※「法第十九条第一項の規定」は、資格外活動許可に関する規定です。留学生の出席状況だけでなく、資格外活動の状況を適正に管理し、遵守できていない学生に対しては、改善指導をすることが求められます。

なお、受入体制が「著しく不適切」と判断される場合は、下記のような状況が該当します。

①出席状況を適正に管理していない場合

留学生の出席状況又は退学・除籍の状況を適切に管理していないことにより、除籍・退学者、行方不明者など、教育を受ける活動を適正に行っていない留学生が相当数発生し、改善が見込まれない状況である場合。

②資格外活動の状況を適正に管理していない場合

留学生の資格外活動の状況について適切に管理していないことにより、教育を受ける活動を適正に行ってない留学生が相当数発生しているにも関わらず、資格外活動に関する規定の遵守状況の確認や改善指導等を行わず、改善が見込まれない状況である場合。

③学習の状況等を適正に管理していない場合

下記のいずれかに該当する事実が認められ、教育を受ける活動を適正に行っていない留学生が相当数発生し、改善が見込まれない状況である場合。

  • 留学生の収容定員数又は在籍者数に過度な増加があること
  • 各教育課程において授業を受けるために最低限必要な日本語能力を有しない者を多数受け入れていること
  • 仲介者の有無や経費支弁能力の確認が不十分であること
  • 留学生の受入規模に見合わない脆弱な組織体制や適切さに欠ける修学環境であること
  • その他、留学生が教育を受ける活動を適切に行っているとは認められない状況にあること

④留学生に対し、人権侵害行為を行い、また法令に違反する行為を唆し、若しくは助けている場合

留学生に対する人権侵害行為及び法令違反教唆・幇助行為が、

  • 教育機関の設置者によって実行されていた場合、
  • 教育機関内である程度組織的に行われていた場合、
  • 一教員や一職員の行為ではあるが組織として黙認されていたような場合

には、教育機関がこれらの行為をしたものと評価されます。

「人権侵害行為」には、旅券や在留カードの取上げ、合理的な理由なく留学生の意に反して除籍・退学・帰国等させる行為、進学や就職のために必要な書類を発行しないなど留学生の進路選択を妨害する行為、留学生に対する暴力、セクシャルハラスメント、人種差別的言動等が含まれます。

「法令に違反する行為」とは、出入国管理法令に定める違反行為の他、犯罪行為を含めた法令に違反する行為が含まれます。

⑤教育を受ける活動を適正に行っているとは認められない留学生が相当数存在する場合であって、その状況を是正する措置が適切にとられていないとき

教育を受ける活動を適正に行っていない留学生(例えば、授業の大半を居眠りや学習以外の行為をして過ごしていた者、授業に出席せずアルバイトを行っている者等)が相当数存在し、その状況を是正する措置が適切にとられていない場合。

「相当数」に該当するか否かについては、当該留学生の数のみで判断されるものではなく、地方出入国在留管理局において必要な調査を行った上で、当該留学生の受講状況等、個別の状況を踏まえて判断されます。

その判断基準の例として、

  • 全ての留学生の6か月間出席率の平均が7割を下回ること
  • 一暦年中に入学した留学生の3割以上が、在留期間の更新又は在留資格の変更を受けないで在留期間を経過して本邦に在留するに至ること 

    などが挙げられています。

研究生・聴講生の要件の見直し

外国人が、大学等において聴講生等として専ら日本語教育を受けようとするときは、「留学」の在留資格の許可の対象とならなくなります。これに伴い、留学の申請書の在籍区分にも変更が生じています。

留学生の適切な受け入れや、在籍管理の徹底がより厳しく求められるようになりました。
留学生の出席状況、資格外活動に関する遵守状況、学習の状況等を適正に管理できていない場合、「在籍管理非適正大学」や「慎重審査対象校」に認定され、留学生を受け入れられなくなってしまう可能性もあります。

弊社は、教育機関向けに留学生の在籍管理サービス(在留期限の管理、学生への更新期日の案内、資格外活動許可の管理等)も提供しています。

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