古物商の確認義務
相手方の真偽を確認する義務
古物商の事業者は、営業において、以下の3つの取引の際に、相手方の真偽を確認する義務があります。
「相手方の真偽を確認」というのは、本人確認を行う意味を指します。
①古物を買い受けるとき
②古物を交換するとき
③売却若しくは交換の委託を受けるとき
なお、古物を売却する際は含まれていません。
相手方の真偽を確認する方法
次のいずれかの方法で確認することが法律上求められています。
確認方法 | 具体的方法 | |
1 | 取引の相手方の住所・氏名・職業・年齢を確認する方法 (古物営業法第15条第1項) | 身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等相手方の身元を確かめるに足りる資料の提示を受ける。 相手方以外の者で相手方の身元を確かめるに足りる者に問い合わせる。 (古物営業法施行規則第15条第1項) |
2 | 相手方からその住所・氏名・職業・年齢が記載された文書の交付を受け、文書にその者の署名をもらう方法 (古物営業法第15条第2項) | 古物商の事業者が用紙を作成し、従業者等の面前で相手方に文書に万年筆、ボールペン等により明瞭に記載してもらう。 この場合、古物商の事業者は、署名がされた文書に記載された住所・氏名・職業・年齢が真正なものでない疑いがあると認めるときは、その住所・氏名・職業・年齢を確認するようにしなければなりません。 (古物営業法施行規則第15条第2項) |
3 | 取引の相手方からその住所・氏名・職業・年齢の電磁的方法による記録であって、これらの情報についてその者による電子署名が行われているものの提供を受ける方法 (古物営業法第15条第3項) | |
4 | 取引の相手方から、その住所・氏名・職業・年齢の申出を受けるとともに、その印鑑登録証明書・当該印鑑登録証明書に係る印鑑を押印した書面の送付を受ける方法 (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第1号) | |
5 | 相手方からその住所・氏名・職業・年齢の申出を受け、並びにその者に対して、本人限定受取郵便物等を送付し、かつ、その到達を確かめること。 (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第2号) | |
6 | 取引の相手方からその住所・氏名・職業・年齢の申出を受け、並びにその者に対して金品を内容とする本人限定受取郵便物等を送付する方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。 (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第3号) | |
7 | 取引の相手方からその住所・氏名・職業・年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し等の送付を受け、並びに当該住民票の写し等に記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。 (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第5号) | |
8 | 取引の相手方からその住所・氏名・職業・年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本又は印鑑登録証明書の送付を受け、並びに当該住民票の写し等に記載されたその者の住所に宛てて配達記録郵便物等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめること。 (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第5号) | |
8 | 取引の相手方からその住所・氏名・職業・年齢の申出を受けるとともにその身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等その者の身元を確かめるに足りる資料の写しの送付を受け、当該資料の写しに記載されたその者の住所に宛てて配達記録郵便物等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめ、並びに当該資料の写しに記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。 (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第6号) | |
8 | 古物営業法第15条第1項第1号 から第3号 まで又は古物営業法施行規則第15条第3項各号に掲げる措置をとった者に対し識別符号を付し、その送信を受けることその他のこれらの規定に掲げる措置をとった者を識別でき、かつ、その者に第三者がなりすますことが困難な方法により、相手方についてこれらの規定に掲げる措置を既にとっていることを確かめること (古物営業法第15条第4項・古物営業法施行規則第15条第3項第7号) |
古物営業法
第15条
1 古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない。
①相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること。
②相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けること。
③相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律 (平成十二年法律第百二号)第二条第一項 に規定する電子署名をいい、当該電子署名について同法第四条第一項 又は第十五条第一項 の認定を受けた者により同法第二条第二項 に規定する証明がされるものに限る。)が行われているものの提供を受けること。
④前三号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、同項に規定する措置をとることを要しない。
①対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合(特に前項に規定する措置をとる必要があるものとして国家公安委員会規則で定める古物に係る取引をする場合を除く。)
②自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合
3 古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。
古物営業法施行規則
(確認の方法等)
第15条
1 法第十五条第一項第一号 の規定による確認は、身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等相手方の身元を確かめるに足りる資料の提示を受け、又は相手方以外の者で相手方の身元を確かめるに足りるものに問い合わせることによりするものとする。
2 法第十五条第一項第二号 に規定する署名は、当該古物商又はその代理人、使用人その他の従業者(第四項において「代理人等」という。)の面前において万年筆、ボールペン等により明瞭に記載されたものでなければならない。この場合において、古物商は、当該署名がされた文書に記載された住所、氏名、職業又は年齢が真正なものでない疑いがあると認めるときは、前項に規定するところによりその住所、氏名、職業又は年齢を確認するようにしなければならない。
3 法第十五条第一項第四号 の国家公安委員会規則で定める措置は、次のとおりとする。
① 相手方から、その住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともに、その印鑑登録証明書及び当該印鑑登録証明書に係る印鑑を押印した書面の送付を受けること。
② 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、並びにその者に対して、本人限定受取郵便物等(名あて人本人若しくは差出人の指定した名あて人に代わって受け取ることができる者に限り交付する取扱いをされる郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律 (平成十四年法律第九十九号)第二条第六項 に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項 に規定する特定信書便事業者が送達する同条第三項 に規定する信書便物(以下「信書便物」という。)をいう。以下同じ。)を送付し、かつ、その到達を確かめること。
3 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、並びにその者に対して金品を内容とする本人限定受取郵便物等を送付する方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。
4 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本(戸籍の附票の写しが添付されているものに限る。)又は印鑑登録証明書(以下「住民票の写し等」という。)の送付を受け、並びに当該住民票の写し等に記載されたその者の住所に宛てて配達記録郵便物等(引受け及び配達の記録をする取扱いをされる郵便物若しくは信書便物又はこれと同様の取扱いをされる貨物(貨物自動車運送事業法 (平成元年法律第八十三号)第三条 の許可を受けた者その他の適法に貨物の運送の事業を行う者が運送するものに限る。)をいう。以下同じ。)で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめること。
5 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し等の送付を受け、並びに当該住民票の写し等に記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。
6 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等その者の身元を確かめるに足りる資料の写し(明瞭に表示されたものに限る。)の送付を受け、当該資料の写しに記載されたその者の住所に宛てて配達記録郵便物等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめ、並びに当該資料の写しに記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること(当該古物に係る法第十六条 の帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該資料の写しを保存する場合に限る。)。
7 法第十五条第一項第一号 から第三号 まで又は前各号に掲げる措置をとった者に対し識別符号(不正アクセス行為の禁止等に関する法律 (平成十一年法律第百二十八号)第二条第三項 に規定する識別符号をいう。)を付し、その送信を受けることその他のこれらの規定に掲げる措置をとった者を識別でき、かつ、その者に第三者がなりすますことが困難な方法により、相手方についてこれらの規定に掲げる措置を既にとっていることを確かめること。
4 古物市場主は、古物市場において取引をしようとする者について、許可証、行商従業者証その他の証明書により、古物商又はその代理人等であることを確かめるようにしなければならない。
(確認等の義務を免除する古物等)
第16条
1 法第十五条第二項第一号 の国家公安委員会規則で定める金額は、一万円とする。
2 法第十五条第二項第一号 の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物とする。
① 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品を除く。)を含む。)
② 専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
③ 光学的方法により音又は影像を記録した物
④ 書籍
相手方の真偽を確認する義務が免除されるケース
以下に該当する場合において、相手方の真偽を確認する業務が不要となります。
1 | 対価の総額が1万円未満である取引をする場合 | ただし、以下の古物の場合は1万円未満の取引であっても確認義務は免除されません。・自動二輪車・原動機付自転車 ・専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物 ・光学的方法により音又は影像を記録した物 ・書籍 |
2 | 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合 |
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