特定商取引法
更新日:2024年11月29日
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。
消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、消費者を守るルール等を定めています。
広告規制の対象となる取引類型
①通信販売
事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引
②特定継続的役務提供
長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引
③連鎖販売取引
個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせるという形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品(権利)・役務の取引
④業務提供誘引販売取引
「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引
主流な販売方法となっているインターネット販売を含む通信販売は、特定商の1類型であり、特定商取引法において、広告や販売方法の規制を受けます。
販売
◆販売形態(第2条)
「販売業者又は役務提供事業者」が「郵便等」によって売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品、権利の販売又は役務の提供
「販売業者又は役務提供事業者」
営利の意思を持って、反復継続して取引を行う者であり、営利の意思の有無については、当事者の意思にかかわらず、客観的に判断され、個人も含まれます。
「郵便等」
郵便又は信書便、電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器又は情報処理に用いられる機器を利用する方法、電報、預金又は貯金の口座に対する払込みのいずれかであれば該当します。
規制を受ける広告
業者が当該広告に基づき通信手段により契約の申込みを受ける意思が明らかであり、かつ、消費者がその表示により契約の申込みをすることができるもの
新聞、雑誌等に掲載される広告だけではなく、カタログ等のダイレクトメール、テレビ放映、折り込みちらし、インターネット上のウェブサイト(インターネット・オークションサイトを含む。)、電子メール等において表示される広告も含まれます。
◆表示すべき項目(第11条)
通信販売において広告をする場合には、下記15項目の表示が義務付けられています。
1.販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
2.代金(対価)の支払時期、方法
3.商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
4.申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
5.契約の申込みの撤回又は解除に関する事項
(売買契約に係る返品特約がある場合はその内容を含む。)
6.事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
7.事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、
当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
8.事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、
その所在場所及び電話番号
9.販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
10.引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての
定めがあるときは、その内容
11.いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
12.契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
13.商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
14.請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
15.電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
通信販売における契約の申込み段階において、事業者に対し、一定の事項の表示を義務付けるととも
に、消費者を誤認させる様な表示を禁止しています。
◆特定申込みを受ける際の表示(第12条の6)
インターネットを利用した通信販売において契約の申込みを行う場合等、特定申込みにおいては、
申込み最終確認確認画面、申込み書面に、下記事項の表示が義務付けられています。
・分量
・販売価格(役務の対価)
・代金(対価)の支払時期、方法
・商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
・申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
・契約の申込みの撤回又は解除に関する事項
◆誇大広告の禁止(第12条)
通信販売をする場合の商品若しくは特定権利、役務について、著しく事実に相違する表示、実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示は、
禁止されています。
◆承諾をしていない者に対する電子メール広告の禁止(第12条の3、12条の4)
消費者からあらかじめ承諾を受けていない限り、事業者は電子メール広告を送信することは、原則、禁止されています。
また、消費者から承諾を受けた場合、最後に電子メール広告を送信した日から3年間、承諾があった記録を保存義務があります。
なお、下記のような場合は、規制対象外になります。
・契約の成立、注文確認、発送通知などに付随した広告
契約内容や契約履行に関する通知など、重要な事項を通知するメールの一部に広告が含まれる場合
・メルマガに付随した広告
消費者からの請求や承諾を得て送信する電子メールの一部に広告を記載する場合
・フリーメール等に付随した広告
インターネット上で、無料でメールアドレスを取得できるサービスで、無料の条件として、利用者がそのアドレスからメールを送ると、当該メールに広告が記載されるものなどの一部に広告を記載する場合
◆顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(第14条)
インターネット通販においては、申込みをする際、消費者が申込み内容を容易に確認し、かつ、訂正できるような措置をする必要があります。
◆申込みの撤回・契約の解除(第15条の3)
通信販売では、クーリング・オフ制度はありません。
但し、広告にてあらかじめ契約申込みの撤回や解除につき特約を表示していない場合は、消費者が契約に係る商品の引渡し(特定権利の移転)を受けた日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除ができ、消費者の送料負担で返品ができます。
◆違反した場合
消費者庁や都道府県による業務改善指示、業務停止命令の対象となり、指示や命令が行われた場合、違反行為の概要、対象業者の氏名・名称・所在地等が消費者庁や都道府県のウェブサイトに掲載されます。
行政処分の対象となる他、一部は3年以下の懲役、300万円以下の罰金等、罰則の対象にもなります。
サービスメニュー・料金
■特定商取引法に基づくインターネットの広告表示チェック 10万円(税別)~
特定商取引法に基づく抵触記載チェック、校正・校閲を行います。
■ECサイト構築コンサルティング 30万円(税別)~
特定商取引法その他の広告関連規制に基づいて、ECサイト構築のアドバイス・相談等のコンサルティングを提供します。