冷蔵庫についての考え
投稿日:2024年6月27日
こんにちは。秋葉原のコンです。
個人的に物理学にハマっているので、ここでは、日常生活でよく見る冷蔵庫について、熱力学の言語でその原理を簡単に分析してみようと思います。
冷蔵庫の基本的な動作は、蒸発、凝縮という、2つのプロセスからなります。
まずは、エネルギーを扱う上で一番大事だエネルギー保存の法則から見てみましょう。
熱力学の第1法則(エネルギー保存の法則)
冷蔵庫の中では、冷媒が蒸発器で蒸発する際に、内部の熱を吸収します。 このとき、冷媒のエネルギー変化は以下のように表されます:
ここで、
- Q は吸収される熱量
- m は冷媒の質量
- L は蒸発潜熱
この過程で、冷媒は液体から気体に変わり、内部の熱を奪います。 その後、冷媒は圧縮機で圧縮され、高温高圧のガスとなります。 そして、このガスは凝縮器で冷却されて再び液体に戻ります。 この際、周囲に熱を放出するのです。
熱力学の第2法則(エントロピー増大の法則)
このプロセスは、熱が高温の場所(冷媒)から低温の場所(冷蔵庫内部)に移動する自然な傾向に反しているため、圧縮機が電力を消費してエネルギーを供給する必要があります。 つまり、エントロピー増大則に従うものです。
ここにいう、エントロピーとは、システムの無秩序さやランダムさの度合いを表す物理量です。 具体的には、「孤立系のエントロピーは常に増大するか、変化しない。」
冷蔵庫の基本的な役割は、内部の温度を低く保つことです。 これは、内部の熱エネルギーを外部に移動させることによって達成されます。
- 蒸発プロセス: 冷媒(冷却剤)は蒸発器で液体から気体に変わります。この際、冷媒は周囲の熱を吸収します。この過程で内部のエントロピーは増加します。
- 凝縮プロセス: 高温高圧の冷媒は凝縮器で冷却され、再び液体に戻ります。この過程で冷媒は外部に熱を放出します。冷媒が外部に熱を放出することで、外部のエントロピーは増加します。
冷媒が蒸発するとき、吸収する熱量 Qin とそれに伴うエントロピーの変化 ΔSin は次のように表されます:
ここで、
- ΔSinは蒸発過程でのエントロピーの増加
- Qin は冷蔵庫内部から吸収する熱量
- Tin は冷蔵庫内部の温度
冷媒が凝縮するとき、放出する熱量 Qout とそれに伴うエントロピーの変化 ΔSout は次のように表されます:
ここで、
- ΔSout は凝縮過程でのエントロピーの減少
- Qout は冷媒が外部に放出する熱量
- Tout は冷媒が外部に放出する際の温度
エネルギー保存則により、吸収した熱量 Qin と放出した熱量 Qout は等しいので、
とすると、エントロピーの総変化 ΔS は次のように表されます:
ここで、Tinは Tout より低い温度であるため、総エントロピー変化は正になります。
このように、身の回りの冷蔵庫にしても、楽しく分析してみることができます。
こうして時間があったりするときに、なんらかの考察をしてみたりしながら頭を回転させてみるのも、 楽しい時間の送り方かもしれませんね。おすすめです。