コン テイン

冷蔵庫についての考え

こんにちは。秋葉原のコンです。

個人的に物理学にハマっているので、ここでは、日常生活でよく見る冷蔵庫について、熱力学の言語でその原理を簡単に分析してみようと思います。

冷蔵庫の基本的な動作は、蒸発、凝縮という、2つのプロセスからなります。

まずは、エネルギーを扱う上で一番大事だエネルギー保存の法則から見てみましょう。

 

熱力学の第1法則(エネルギー保存の法則)
冷蔵庫の中では、冷媒が蒸発器で蒸発する際に、内部の熱を吸収します。                    このとき、冷媒のエネルギー変化は以下のように表されます:

ここで、

  • Q は吸収される熱量
  • m は冷媒の質量
  • L は蒸発潜熱

この過程で、冷媒は液体から気体に変わり、内部の熱を奪います。                        その後、冷媒は圧縮機で圧縮され、高温高圧のガスとなります。                                    そして、このガスは凝縮器で冷却されて再び液体に戻ります。                          この際、周囲に熱を放出するのです。

     

熱力学の第2法則(エントロピー増大の法則)
このプロセスは、熱が高温の場所(冷媒)から低温の場所(冷蔵庫内部)に移動する自然な傾向に反しているため、圧縮機が電力を消費してエネルギーを供給する必要があります。                                    つまり、エントロピー増大則に従うものです。

ここにいう、エントロピーとは、システムの無秩序さやランダムさの度合いを表す物理量です。                  具体的には、「孤立系のエントロピーは常に増大するか、変化しない。」

冷蔵庫の基本的な役割は、内部の温度を低く保つことです。                                     これは、内部の熱エネルギーを外部に移動させることによって達成されます。                            

 

  1. 蒸発プロセス: 冷媒(冷却剤)は蒸発器で液体から気体に変わります。この際、冷媒は周囲の熱を吸収します。この過程で内部のエントロピーは増加します。
  2. 凝縮プロセス: 高温高圧の冷媒は凝縮器で冷却され、再び液体に戻ります。この過程で冷媒は外部に熱を放出します。冷媒が外部に熱を放出することで、外部のエントロピーは増加します。

 

冷媒が蒸発するとき、吸収する熱量 Qin とそれに伴うエントロピーの変化 ΔSin​ は次のように表されます:

ここで、

  • ΔSinは蒸発過程でのエントロピーの増加
  • Qin​ は冷蔵庫内部から吸収する熱量
  • Tin​ は冷蔵庫内部の温度

冷媒が凝縮するとき、放出する熱量 Qout​ とそれに伴うエントロピーの変化 ΔSout​ は次のように表されます:

ここで、

  • ΔSout は凝縮過程でのエントロピーの減少
  • Qout は冷媒が外部に放出する熱量
  • Tout は冷媒が外部に放出する際の温度

エネルギー保存則により、吸収した熱量 Qin と放出した熱量 Qout​ は等しいので、

とすると、エントロピーの総変化 ΔS は次のように表されます:

ここで、Tin​は Tout より低い温度であるため、総エントロピー変化は正になります。

このように、身の回りの冷蔵庫にしても、楽しく分析してみることができます。

こうして時間があったりするときに、なんらかの考察をしてみたりしながら頭を回転させてみるのも、             楽しい時間の送り方かもしれませんね。おすすめです。