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医薬品、医療機器等法の改正(オンライン服薬指導)

令和元年に

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」

(令和元年法律第63号、以下「改正法」という。)が成立し、令和元年12月4日に公布されました。

改正法の主な内容の中には、薬局の方にとって気になる内容があります。
その改正ポイントを今回取り上げてみようと思います。

改正ポイント

気になる内容とは、ずばり、オンライン服薬指導の解禁です。

2020年の診療報酬改定においては、下記2点が新設されています。
・薬剤服用歴管理指導料4オンライン服薬指導(42点)
・在宅患者訪問薬剤服用歴管理指導料、在宅患者オンライン服薬指導料(57 点)
 

オンライン服薬指導の経緯

ご存じの通り、服薬指導については従来、

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

(以下「現行法」という。)において、

薬剤師の対面での服薬指導をしなければならない旨が定められています。

 

(現行法第9条の3第1項)
薬局開設者は、(中略)薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、対面により、(中略)必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。
 
 
とはいえ、日本国内でオンライン診療は全く行われていなかったわけではありません。
オンライン診療は国家戦略特別区域処方箋薬剤遠隔指導事業として、
特例として国家戦略特別区域において、医療資源の乏しい特定の区域に居住する
患者さんに対しての登録を受けた薬局でのオンライン服薬指導が行われてきました。
 
 
そして満を持して改正法において、「対面」にオンラインでの通話を含める形により、
オンライン診療が可能となりました。
 
(改正法第9条の3第1項)
薬局開設者は、(中略)薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、対面(映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法その他の方法により薬剤の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法として厚生労働省令で定めるものを含む。)により、(中略)必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。
 
 
法の改正がおしなべてそうであるように、さらっと盛り込まれたこの条項も、
業界にとって実に大きな影響があります。
薬局によっては、新型コロナウイルス感染症の拡大に際して時限的措置としての0410通知
(令和2年4月10日厚生労働省医政局医事課 事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に
際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取り扱い」)
にのっとってすでにオンライン診療を取り扱っている方もおられるかと存じます。
 
 
この法改正、「具体的な手続きはどうなるのか」「いつ変わるのか」を以降で見ていきましょう。

 

具体的な手続きはどのようなものか

では、具体的にオンライン服薬指導をやろうとする薬局が行うべき手続きはどうなるのでしょう。

 
国家戦略事業の時には薬局が登録することが求められていました。
しかし、改正法でのオンライン服薬指導解禁に関しては、現時点(令和2年6月4日)で
登録などの手続きを求める通知等は出ていません。
念のため東京都内保健所にも紹介しましたが、現時点においては、
事前に登録等手続きは求められていないとの回答でした。
 
ただし、改正法のうちオンライン服薬指導関係に対して出されている通知
(令和2年3月31日、薬生発0331第36号「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に
関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導関係)」)には
業務手順書の作成が求められているほか、留意事項が示されていますので、
実際オンライン服薬指導を始める前には環境や業務手順など、しっかりとした確認が必要です。
 

施行期日はいつなのか

該当箇所の改正の施行期日については、すでに政令(令和2年政令第39号)が発出されており、

その施行期日は定められています。

その内容をまとめると下記のようになります(該当部赤字)。
 

 

規定

施行期日

改正法第1条、第4条及び第5

改正法附則第13条、第15条、第17条、第18条、第21条、第22条、第24条から第26条まで、第29条、第32条及び第38条の規定

令和241日(2020年)

改正法

令和291日(2020年)

改正法附則第1条第2号に掲げる規定

令和381日(2021年)

改正法附則第1条第3号に掲げる規定

令和4121日(2022年)

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